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MY PARTNER|超望遠の常識を変える驚異の軽さと機動力が野生動物の自然な姿と未知なる世界を写し出す

同クラスのレンズと比べて驚異的な軽さと機動力を誇る超望遠レンズ「RF1200mm F8 L IS USM」。未知の表現を可能にする、実践的で頼もしい1本の魅力に動物写真家の福田 幸広氏が迫ります。

EOS R3、1200mm、1/500秒、F8、ISO1600

山形県で撮影した白い猿です。群れの中でも順位が低い個体のためか少し臆病で、人が近づくとすぐに逃げてしまいます。こうしたシーンでは警戒されない遠距離から狙える1200mmの出番です。自然に木の実を食べている姿を、背景の美しいボケとともに描き出しました。

福田 幸広のレンズ選びの条件

野生動物の撮影にRF1200mm F8 L IS USMが欠かせない理由とは?

福田 幸広の使用開始日:2022年10月
これまでの同クラスのレンズに比べて驚くほど軽く、アクティブに移動しながら多様な視点を試せる機動力が魅力です。かつてのように定点で待ち構えるだけでなく、歩き回りながら多様なアングルを探る余裕が生まれ、撮影のバリエーションが大きく広がりました。1200mmという焦点距離が野生動物の自然な姿を引き出し、EXTENDER RF2xを使えば2400mmでの表現も可能です。狭い画角には慣れが必要ですが、使いこなしのハードルを越えれば、今まで撮れなかった独自の表現を可能にする、実践的で頼もしい1本です。

RF1200mm F8 L IS USM

画角(水平・垂直・対角線):01°45′・01°10′・02°05′
レンズ構成:18群26枚
絞り羽根枚数:9枚
最小絞り:64
最短撮影距離:4.3m
最大撮影倍率:0.29倍
フィルター径:差し込み52mm
最大径×長さ:約φ168×537mm
質量:約3340g

RF600mm F4 L IS USMの光学系を受け継ぎ、従来のEF1200mm F5.6L USMと比べ、驚異的な小型・軽量化を実現した焦点距離1200mmのミラーレスカメラ用超望遠レンズです。蛍石レンズやスーパーUDレンズ、UDレンズの採用により、色にじみのないクリアでシャープな高画質を達成。実用性が増したことで、野生動物や航空機、スポーツ、天体など、幅広い撮影領域を大きく広げます。さらに、別売の「EXTENDER RF1.4x」および「EXTENDER RF2x」にも対応しており、最長2400mmという圧倒的な焦点距離での撮影が可能です。

Photographers’ File 05 福田 幸広

Yukihiro Fukuda
1965年、東京生まれ。日本大学農獣医学部卒。イギリスBBC Wildlife Photographer of the Year 2014【両生爬虫類部門】ファイナリスト作家。高校1年生の時、タンチョウに憧れ北海道の地を訪れたことがきっかけで写真家の道を志す。「山もいいけど、海もいい」をモットーに、海でも山でも分け隔てなく自分の撮影したいものがあればそこへ行き、時間をかけて撮影を楽しんでいる。現在は「動物たちの幸せの瞬間」を大きなテーマに1年のうち300日以上をフィールドで過ごす。写真集・写真絵本など著書多数。

軽いフットワークによって超望遠が多彩な視点を生む

EOS R5 Mark II、1200mm、1/4000秒、F8、ISO1600

水上を勢いよく走ってダイブするカワアイサ。非常に警戒心が強く臆病なため、ブラインドの中に1日中身を隠し、一瞬のチャンスをひたすら待ち続けて撮影しました。どれだけ待っても、距離が詰められなければ撮れない被写体であるため、1200mmの焦点距離が大きな武器になりました。

野生動物の撮影は体力勝負になりますが、最近のフィールドワークで大きな武器になっているのがRF1200mm F8 L IS USMです。超望遠レンズというと、かつて私が使っていたEF800mm F5.6L IS USMなどはかなりの質量(約4500g)がありました。描写性能は素晴らしかったのですが、持ち歩くには体力がいりますし、レンズを支えるために大型の三脚も必要でした。そのため、撮影スタイルはどうしても「あらかじめ決めたポイントに腰を据え、被写体がやって来るのをひたすら待つ」という定点観測的なものになりがちでした。
一方で、RF1200mmを初めて手にしたときは「本当にこれが1200mmか?」と思うほど軽く、驚きました。もちろん手持ちで軽快に使うレンズではありませんが、三脚も以前より小型なタイプで十分に運用できます。機材が軽く、取り回しがしやすくなったことで、フィールドでの動き方は大きく変わりました。例えば山の中を歩き回りながら、「この場所からならどう撮れるか」「光の当たり方はどうか」などとさまざまなアングルを試す余裕が生まれたのです。撮影のバリエーションと可能性が広がったというのが、このレンズを手にして得た最大の実感です。

EOS R1、1200mm、1/2500秒、F8、ISO4000

雪がちらつく曇天の空を舞う、ハイイロチュウヒの姿です。多くの野鳥愛好家が憧れる美しい猛禽類ですが、警戒心がとても強く、人間の気配を感じるとはるか遠くを飛んだり、物陰に隠れたりしてしまいます。夕暮れの薄暗い時間帯まで粘り強く待ち続け、光量が少ない悪条件の中でも、1200mmの描写力が美しい羽の模様と鋭い眼光をシャープにとらえました。

福田 幸広の焦点距離別使用率

最も多く使用するのは開放のF8ですが、そこに固執しているわけではありません。表現意図に合わせてF22まで絞り込むこともあります。F8を基本にしつつ、他の絞り値も状況に応じて満遍なく使い分けています。

被写体に警戒されない距離感とエクステンダーの拡張性

EOS R5 Mark II、1200mm、1/60秒、F10、ISO1600

冬の北海道・鶴居村。霧氷とタンチョウの群れを狙って多くのカメラマンが集まり、音羽橋の上から群れ全体を俯瞰して撮るのが定番となっています。しかし私は、あえて橋のさらに後ろにある高台から川の最深部にたたずむペアに狙いを定めました。肉眼では点にしか見えない距離ですが、1200mmの強烈な圧縮効果により、静寂な霧氷の森を2羽だけで独占しているかのような作品に仕上がりました。

  • 本記事公開時点(2026年9月10日)のCanon ID登録者限定で、撮影秘話をメルマガ配信予定。後日、Canon ID登録者向けアーカイブ公開も予定しています。Canon ID登録はこちら
EOS R5 Mark II、2400mm(EXTENDER RF2xを使用)、1/250秒、F22、ISO1600

流氷とともにやってきたアザラシです。防波堤の上から、2倍のエクステンダーを装着した2400mmの焦点距離で撮影しました。これほど極端に離れた距離から狙っているにもかかわらず、アザラシがこちらを気にしてカメラ目線を送ってくるしぐさがはっきりと写し出されています。2400mmという未知の領域でも、被写体の質感や表情をくっきりと描き出すレンズの解像力の高さが証明された1枚です。

野生動物の撮影では、被写体に警戒されないことが何よりも重要です。人間が近づくと、どうしても警戒して逃げたり、不自然な動きになってしまったりします。その点、1200mmという距離があると、こちら側に大きなアドバンテージが生まれます。動物たちが警戒しない遠く離れた場所からでも、自然な姿をしっかりと捉えることができるからです。
また、レンズ単体だけでなく、EXTENDER RF1.4xとEXTENDER RF2xも併用しています。RF1.4xで1680mm、RF2xで2400mmという焦点距離になり、他のレンズでは遠過ぎてうまく撮れなかった場所でも、異次元のようなスケール感のある画が撮れます。2400mmで撮影していると、肉眼では被写体を捉えられないことがありますが、レンズを通してピントを合わせていけば、動物たちの姿がはっきりと浮かび上がります。こういった、肉眼(人間の視覚)では絶対に見ることのできない世界に出合えるのも、このレンズならではの面白さです。
描写性能においては、画面の隅々まで非常にシャープで解像感が高く、太陽を直接画面内に入れてもフレアやゴーストがしっかりと抑えられています。防塵・防滴性能も備え、少々の雨ならタオルをかけておけば問題なく撮影を続けられます。ただ、実際に使いこなすには少し慣れが必要です。1200mmやそれ以上になると画角が極端に狭くなるため、最初はファインダーの中に被写体を入れることすら苦労するかもしれません。しかし、そのハードルを越えれば、動物たちに警戒されない距離からの撮影や、強烈な圧縮効果を生かした画作りなど、今まで撮れなかった写真が撮れるようになります。画角の狭ささえ慣れてしまえば、これほど実践的で頼もしいレンズはないと感じています。

EOS R1、1200mm、1/1000秒、F8、ISO25600

千葉県の印旛沼で、1200mmの強烈な圧縮効果を生かし、満月とトモエガモの群れを引き寄せて組み合わせた幻想的な1枚です。夕方の薄暗い時間帯であるため、シャッター速度の確保が非常にシビアでした。また、満月が明る過ぎると手前の鳥が黒くつぶれてしまうため、月に薄い雲がかかり、光量が落ちる絶妙なタイミングを見計らってシャッターを切っています。

このレンズを買う前に知っておきたいこと

RF1200mm F8 L IS USMは、誰にでも扱いやすいレンズとは言えないかもしれません。これほどの超望遠を実践で使いこなすためには、特有の「慣れ」が求められます。1200mmやそれ以上になると画角が極端に狭くなるため、特に飛んでいる鳥などは、慣れないとすぐに見失ってしまいます。この問題を解決するために私が必ず行っている設定が、レンズ側面の「撮影距離範囲切り替えスイッチ」の活用です。30m~∞に設定することで手前の木の枝や障害物にピントが引っ張られて迷うのを防ぎ、万が一ピントが外れても、カメラ側のAFがすぐにリカバリーしてくれます。

関連リンク

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MY PARTNER 写真家たちの愛すべきRFレンズ 動物|福田 幸弘
https://personal.canon.jp/ja-JP/articles/interview/mypartner/animal-rf1200-f8l-01
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https://personal.canon.jp/-/media/Project/Canon/CanonJP/Personal/articles/interview/mypartner/animal-rf1200-f8l-01/image/animal-720x444.jpg?sc_lang=ja-JP&hash=EF29E2963108F96D534F1A4A50EB80A1
2026-09-10