「 Life 」動物たちの生きた証
「 Life 」動物たちの生きた証

「Life」は、
1994年に僕が初めて出した写真集につけたタイトルだ。
何もわからず、無我夢中に
動物たちを追いかけていたあの頃と、
28年が経った今では何が変わったのだろうか。
さまざまな思いを巡らせながら、
作品を選んでいる中で気づいたことがある。
それは、動物たちが暮らしている自然の中で
美しい瞬間を切り撮りたいという思いは
あの頃から何も変わっていないということだった。
ファインダーをのぞくと湧き上がってくる
ワクワクする気持ちでさえも。
そんな僕が一番いいシーンと思える瞬間を
切り撮った作品が、この写真集には詰まっている。
それらの写真を通じて、僕と同じようにワクワクしたり、
感動したりしてもらえたら
この上なく嬉しい。
1994年に僕が初めて出した写真集につけたタイトルだ。
何もわからず、無我夢中に
動物たちを追いかけていたあの頃と、
28年が経った今では何が変わったのだろうか。
さまざまな思いを巡らせながら、
作品を選んでいる中で気づいたことがある。
それは、動物たちが暮らしている自然の中で
美しい瞬間を切り撮りたいという思いは
あの頃から何も変わっていないということだった。
ファインダーをのぞくと湧き上がってくる
ワクワクする気持ちでさえも。
そんな僕が一番いいシーンと思える瞬間を
切り撮った作品が、この写真集には詰まっている。
それらの写真を通じて、僕と同じようにワクワクしたり、
感動したりしてもらえたら
この上なく嬉しい。
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ウォンバットの親子
オーストラリア・タスマニア島朝から冷たい雨が降る中、
小川を挟んでウォンバットの親子が
ゆっくりと草を食んでいた。
その様子を全身ずぶ濡れで
凍えながら撮影していると、
急に雲が割れ、陽が差して虹が現れた。
そのタイミングを見計らったかのように
子どもが母の元へと駆け寄っていく。
冷たい雨からは予想だにしないシーンだ。
彼女たちとそれを包む自然の演出を
ファインダーを通して目撃した瞬間だった。 -
ジャイアントパンダ
中国四川省臥龍パンダ保護区絶滅に瀕するパンダを人工繁殖させ、
育ててから野生へと戻す施設がある。
この写真は、その施設にいるパンダを見つめながら
山谷で暮らすパンダを思って撮影したものだ。
正面に広がる山の先には仲間が暮らしているはず。
このパンダはそれを知っているのだろうか。
夕方の淡い光に照らされ
物思いに耽っているような姿が愛しかった。 -
ヨーロッパヒグマ/フィンランド
ロシアと国境を接するこの森には、
ロシアでのハンティングから
逃れてきたクマが多いと聞いた。
秋が始まる前から撮影地に入り、
彼らが冬眠に入るまでを過ごした。
小さな木製のブラインドの中で
息を潜めて彼らが通るのを待つ。
草紅葉がピークを迎えた朝、
息を呑むほどに存在感を示すクマの姿が
その風景に加わった。 -
ドールシープ
カナダ・ユーコン準州ドールシープは全身真っ白な美しい野生の羊だ。
外気温がマイナス20度にまで下がる
12月上旬が恋の季節。
メスの群れにオスが入り込み
プロポーズのチャンスを狙うのだ。
急峻な場所に棲む彼らの移動ルートを探るため、
何日もかかって
撮影に適したポイントを記した山地図を作った。