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RAILSIDE

14 長根広和

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about

長根広和(なかむら いくお)

長根広和 (ながね ひろかず)

1974年、神奈川県生まれ。鉄道写真家、真島満秀氏に師事。鉄道会社のビジュアルポスターやカレンダー、時刻表表紙写真などを手掛ける。車両そのものの機能美や力強さを表現した写真に定評がある一方、ドラマチックな鉄道風景写真にファンが多い。「列車の音が聞こえてくるような作品」がモットー。日本鉄道写真作家協会(JRPS)会長、国土交通省日本鉄道賞選考委員。
どこまでも続く線路を見て、
希望を見いだすこともあれば、
感傷的になってしまうこともあるだろう。
人はもちろん、この世のすべての物が
先の見えない目的地に向かって常に歩んでいる。
線路端に広がる自然もそう、
そこを走り抜ける列車の乗客もそう、
線路をてくてく散歩する猫もそう。
そして、そこでカメラを構えて写真を撮る私もそうだ。

『RAILSIDE』では、
先の見えない未来のゆくえを鉄道に置き換え、
同じく先が見えずに希望と苦悩の間でさまよう私が、
線路端から切り撮った一瞬をまとめたものだ。
一冊として出来上がった未来には、
希望が溢れていると感じることができた。
でもきっと、不安も同居しているから
人生は楽しいのだろう。
  • まるで舞台の幕開けのようにレールが輝き始め、
    主役が登場するワクワク感。
    旅立ちのホームから、
    遠くに列車が見えると
    心躍る人が多いのではないだろうか。
    未来は分からないけれど、
    誰もがレールの先に希望を感じている。
  • マイナス24℃の凍てつく朝、線路から湯気が立ち昇る。
    雪でもポイントがしっかりと作動するように
    温められている北国ならではの風景。
    それはまるで、鉄道の安全を守る魂のようだ。
    まもなく始発列車がやって来る。
  • いまではこのベンチに座って
    “映え写真”を撮るために、長い列ができるという。
    「この駅に行ってみたい」と思うきっかけは何だろう。
    「バイバイ!」と列車に手を振る
    少女の気持ちが答えなんだろうね。
  • 銀色に輝くススキの道を、
    レトロな列車が通り過ぎる。
    サワサワサワサワ……
    「いってらっしゃい」と、
    まるでススキが手を振っているようだった。
    すると、それに応えるように汽笛が響いた。
  • 15年ぶりにこの場所を訪れてみた。
    小学生が楽しげな声をあげながら
    続々と渡っていた踏切。
    いつも通りの時間に列車はやって来たけれど、
    その日、誰ひとりとして
    この踏切を渡ることはなかった。
  • この列車に乗った旅人は、
    真っ白な車窓に何を思っているのだろう。
    すぐそこに現実はあるのに、
    それが見えないから不安になる。
    でも、希望があるから旅立つわけだ。
    列車がそこへ連れてってくれるから。

information

500部限定販売

タイトル
RAILSIDE
発行年
2025年
仕様
240mm×240mm ラスター(ハードカバー)
80ページ 69点収録 豪華化粧箱付
サイン入りオリジナルプリント付
(240mm×240mm)
印刷
DreamLabo 5000
価格
29,150円(税込・送料込)
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