RAILSIDE
RAILSIDE

about

長根広和 (ながね ひろかず)
1974年、神奈川県生まれ。鉄道写真家、真島満秀氏に師事。鉄道会社のビジュアルポスターやカレンダー、時刻表表紙写真などを手掛ける。車両そのものの機能美や力強さを表現した写真に定評がある一方、ドラマチックな鉄道風景写真にファンが多い。「列車の音が聞こえてくるような作品」がモットー。日本鉄道写真作家協会(JRPS)会長、国土交通省日本鉄道賞選考委員。
どこまでも続く線路を見て、
希望を見いだすこともあれば、
感傷的になってしまうこともあるだろう。
人はもちろん、この世のすべての物が
先の見えない目的地に向かって常に歩んでいる。
線路端に広がる自然もそう、
そこを走り抜ける列車の乗客もそう、
線路をてくてく散歩する猫もそう。
そして、そこでカメラを構えて写真を撮る私もそうだ。
『RAILSIDE』では、
先の見えない未来のゆくえを鉄道に置き換え、
同じく先が見えずに希望と苦悩の間でさまよう私が、
線路端から切り撮った一瞬をまとめたものだ。
一冊として出来上がった未来には、
希望が溢れていると感じることができた。
でもきっと、不安も同居しているから
人生は楽しいのだろう。
希望を見いだすこともあれば、
感傷的になってしまうこともあるだろう。
人はもちろん、この世のすべての物が
先の見えない目的地に向かって常に歩んでいる。
線路端に広がる自然もそう、
そこを走り抜ける列車の乗客もそう、
線路をてくてく散歩する猫もそう。
そして、そこでカメラを構えて写真を撮る私もそうだ。
『RAILSIDE』では、
先の見えない未来のゆくえを鉄道に置き換え、
同じく先が見えずに希望と苦悩の間でさまよう私が、
線路端から切り撮った一瞬をまとめたものだ。
一冊として出来上がった未来には、
希望が溢れていると感じることができた。
でもきっと、不安も同居しているから
人生は楽しいのだろう。
-
まるで舞台の幕開けのようにレールが輝き始め、
主役が登場するワクワク感。
旅立ちのホームから、
遠くに列車が見えると
心躍る人が多いのではないだろうか。
未来は分からないけれど、
誰もがレールの先に希望を感じている。 -
マイナス24℃の凍てつく朝、線路から湯気が立ち昇る。
雪でもポイントがしっかりと作動するように
温められている北国ならではの風景。
それはまるで、鉄道の安全を守る魂のようだ。
まもなく始発列車がやって来る。 -
いまではこのベンチに座って
“映え写真”を撮るために、長い列ができるという。
「この駅に行ってみたい」と思うきっかけは何だろう。
「バイバイ!」と列車に手を振る
少女の気持ちが答えなんだろうね。 -
銀色に輝くススキの道を、
レトロな列車が通り過ぎる。
サワサワサワサワ……
「いってらっしゃい」と、
まるでススキが手を振っているようだった。
すると、それに応えるように汽笛が響いた。 -
15年ぶりにこの場所を訪れてみた。
小学生が楽しげな声をあげながら
続々と渡っていた踏切。
いつも通りの時間に列車はやって来たけれど、
その日、誰ひとりとして
この踏切を渡ることはなかった。 -
この列車に乗った旅人は、
真っ白な車窓に何を思っているのだろう。
すぐそこに現実はあるのに、
それが見えないから不安になる。
でも、希望があるから旅立つわけだ。
列車がそこへ連れてってくれるから。