The AURA
The AURA

『The AURA』は、動物写真家として活動を開始し、
二十数年間撮影してきた中から
これはと思えるカットを厳選し、まとめた一冊です。
写真が次から次へと消費される今、
長きに渡って愛され楽しまれる作品に
昇華できればとの気持ちで作り上げました。
時の流れに耐えうるかは僕には計り知れませんが、
人生の多くを野生動物と向き合うことで過ごしてきた、
ささやかな証にはなるでしょう。
そして、この奇跡の星、
地球で共に生きる命として、
生き物たちと私たちとの繋がりを
わずかでも感じていただけたら幸いです。
二十数年間撮影してきた中から
これはと思えるカットを厳選し、まとめた一冊です。
写真が次から次へと消費される今、
長きに渡って愛され楽しまれる作品に
昇華できればとの気持ちで作り上げました。
時の流れに耐えうるかは僕には計り知れませんが、
人生の多くを野生動物と向き合うことで過ごしてきた、
ささやかな証にはなるでしょう。
そして、この奇跡の星、
地球で共に生きる命として、
生き物たちと私たちとの繋がりを
わずかでも感じていただけたら幸いです。
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グリズリー/アラスカ 日が暮れて1日の撮影を終え、
森の道をキャンプに戻っていると、
湖のなかグリズリーがいた。
湖底に沈んでいる
死んだサーモンを
拾って食べているようだ。
しばらくのあいだ、
月明かりに照らされた
青い世界に見とれていた。 -
ハクトウワシ/アラスカ 二十代後半に初めて訪れたアラスカでは、
さまざまな生き物たちに出会った。
ハクトウワシもその一つ。
グリズリーを撮影する後ろの樹上にとまり、
ヒョッヒョッヒョッと鳴きながら僕を見下ろしていた。
精悍な鳥だと思った。 -
オグロヌー/ケニア 大群で川を渡るヌーの姿を見たくて、
マラ・リバーを訪れた。
いく日も待つ覚悟であったが、
現場に着いたその瞬間にヌーたちは動き始め、
先を歩く一頭が川に突入すると、
後に続く群れが一斉に川へと飛び込んで行った。 -
ベンガルタイガー/インド 密林の王をもとめて
インドのジャングルへと入って行った。
しかし何日過ぎても遭遇できず、
まれに遠くにいる姿を見かけるだけだ。
半ば諦めかけた気持ちでジャングルに佇んでいると、
突然背後の藪から若いトラが姿を現した。 -
マウンテンゴリラ/ルワンダ 東アフリカの火山地帯にすむマウンテンゴリラ。
凶暴な生き物かもしれないと、頭のどこかで考えていた。
山のなかでゴリラたちと過ごしているうちに、
その考えが杞憂であったことを知る。
温厚で家族思いの思慮深い生き物だった。 -
タンチョウ/北海道 原野を流れる川にタンチョウのねぐらを見つけた。
東の空がうっすらと明るくなるにつれ、
世界はだんだんと色めき始める。
数羽のタンチョウがポツンといるだけで、
マイナス20℃の極寒の景色が
ほんのりと温かみを放つようだった。