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MY PARTNER|猫の吐息が届くほどの至近距離から
周囲の空気感までを自在に描き切る

猫写真家・沖 昌之さんが語るRF24-70mm F2.8 L IS USMの魅力とは。全国の猫島や港町で撮影した作品とともに、猫の自然な表情やその土地の空気感まで描き出す標準ズームレンズの実力をご紹介します。

EOS R6 Mark III、28mm、1/1250秒、F5、ISO640

宮城県の田代島で、立ち止まって毛づくろいを始めた猫です。ただかわいいだけでなく、背景に陸揚げされた船を写し込むことで、漁師町でのんびりと暮らす日常を描きたいと思い、28mmの画角を選びました。F5まで絞ることで、主役を引き立てながら背景のディテールもクリアに残す。このレンズの端正な描写力が生きています。お気に入りの1枚で、インプレスから発刊される2027年カレンダー「そとねこ」の表紙でも使われています。

沖 昌之のレンズ選びの条件

猫の撮影にRF24-70mm F2.8 L IS USMが欠かせない理由とは?

沖 昌之の使用開始日:2024年12月
猫がふと見せる無防備な素顔を切り取るには、カメラを意識させない距離感が何よりも大切です。近づき過ぎれば警戒され、遠過ぎれば客観的な記録になります。その点、RF24-70mm F2.8 L IS USMは、猫の吐息が届くほどの至近距離から空気をまとわせた中望遠まで、心地良い距離感を自由に行き来できます。予測できない動きにも瞬時に対応でき、構図がピタリと決まります。猫の心にそっと寄り添うためのニュートラルなまなざしであり、いつもそばにいてほしい大切なレンズです。

RF24-70mm F2.8 L IS USM

画角(水平・垂直・対角線):74°~29°・53°~19°30′・84°~34°
レンズ構成:15群21枚
絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
最小絞り:22
最短撮影距離:0.21m(24mm時)
最大撮影倍率:0.30倍(32mm時)
フィルター径:82mm
最大径×長さ:約φ88.5mm×125.7mm
質量:約900g

広角の24mmから中望遠70mmまでをカバーし、あらゆる撮影シーンに柔軟に対応する大口径標準ズームレンズです。開放F2.8の明るさと優れた手ブレ補正機構により、薄暗い場所や激しい動きでも決定的なチャンスを逃さず捉えます。高速・高精度なAFと卓越した描写性能が、被写体の柔らかな毛並みの質感からその場の臨場感や空気感までを鮮やかに描き出します。

Photographers’ File 08 沖 昌之

Masayuki Oki
猫写真家。1978年、兵庫県神戸市生まれ。2009年、東京のアパレル会社に勤務。宣伝用人物・商品の撮影担当ののち、2013年大みそかに初恋の猫「ぶさにゃん先輩。」に出会い、2014年の元旦から猫の撮影を開始。2015年、37歳のときに猫写真家として独立。猫の表情やしぐさから想像できる感情や猫同士の複雑な関係性など人間くささを感じさせる猫の内面にスポットを当てたその瞬間を撮影。2017年刊行の代表作『必死すぎるネコ』はシリーズ3作で累計9万部を突破。2019年、アパレルブランド「ZUCCa」とコラボレーションする。現在は『AERA』『猫びより』『デジタルカメラマガジン』で連載中。

絶妙な距離感で猫とその土地の物語を切り取る焦点域

EOS R1、24mm、1/1000秒、F5、ISO800

同じく田代島で、クロネコとキジトラが顔を寄せ合って歩いてくる瞬間です。すぐ手前にいた別の猫の顔を、前ボケとして大胆に配置しました。24mmの広角側を使い、F5で手前を適度にぼかすことで、画面に心地良い奥行きとユーモアが生まれます。画面の周辺まで乱れのない解像感と、素直なボケ味が光る1枚です。

いかなる現場でも、まず初めにカメラに装着するのがこのRF24-70mm F2.8 L IS USMです。僕の撮影において、これは標準装備と言えます。僕の撮影の舞台は、島や漁港などで暮らす地域猫たちの日常。地元の方々に愛情深く見守られている彼らは人への恐怖心が薄く、ときには1~3メートルという、のどを鳴らす音や息づかいまで聞こえるほどの至近距離で向き合うことになります。この絶妙な距離感を保ちながら、猫と彼らを取り巻く空間の広がりをそのまま切り取る。そのために、このレンズの焦点域はまさに最適解です。
彼らにレンズを向けるとき、自分のエゴを押し付けず、気配を消すように細心の注意を払っています。おもちゃやご飯で気を引くこともしません。それをした途端、猫の瞳に「何かをくれる人」を期待する色が浮かび、本来の無垢な姿が失われてしまうからです。見つめたいのは、人間が介在しない、彼らだけの真実の時間。同時に、猫の顔だけを大きく切り取るのではなく、潮風の香る路地や色鮮やかな草木、陸揚げされた船など、その土地の物語を背景に織り交ぜることを大切にしています。「どこまで風景を入れ込むか」を常に吟味する僕のスタイルにとって、ズームリングを回すだけで瞬時に空間を再構成できるこのレンズの機動力は絶大です。猫たちは人間の都合などお構いなしに、突然じゃれ合ったり、一目散に走り出したりします。もし50mmの単焦点レンズであれば画角から外れてしまうような瞬間も、この野生の瞬発力に難なく追従し、確実に捉えてくれます。

EOS R1、32mm、1/1000秒、F4.5、ISO500

山口県の祝島。朝焼けの静かな光の中、干された魚に夢中になっている猫がいました。食事に集中している隙に、じりじりと距離を詰めました。24mmの広角端まで寄ることもできましたが、外海の気配や美しい朝の空気をバランス良く包み込みたかったため、32mmを選択。情景の広がりを丁寧に整理して切り取っています。

沖 昌之の焦点距離別使用率

現場でベースとなるのは、ニュートラルに見られる50mm近辺です。歩きながら常にこの画角を頭に描き、猫の気配を探します。そこから、猫が足元へ甘えてきたり、風景の広がりを大きく取り入れたりしたいときは24mmへ。逆に、少し離れた場所で突発的なドラマが起きたり、背景をすっきりと整理して猫を引き寄せたいときは70mmへ。シーンに合わせて、まるで呼吸をするように画角を変えていく感覚です。

薄暗い環境でも被写体を逃さない優れた機動力とAF性能

EOS R1、70mm、1/1250秒、F4、ISO2000

夏の終わりの北海道。兄弟とのじゃれ合いに負け、牧場へと全速力で逃げ帰る一瞬です。チーターを思わせる野生味あふれる走りを、70mmの望遠端で捉えました。薄暗い時間帯でしたが、横方向への猛ダッシュにもAFがしっかりと追従。被写体ブレのない、見事な躍動感を刻み込みました。

  • 本記事公開時点(2026年9月3日)のCanon ID登録者限定で、撮影秘話をメルマガ配信予定。後日、Canon ID登録者向けアーカイブ公開も予定しています。Canon ID登録はこちら
EOS R1、70mm、1/1600秒、F5、ISO1600

田代島での1枚。朝もやが立ち込める早朝の港で、漁師さんからもらった魚をくわえて家路を急ぐ姿です。70mmの望遠側を使い、少し離れた位置から狙うことで、背景の漁師さんの後ろ姿をぐっと引き寄せました。F5の解像力により、猫を大切にする島の人々の温かな気配や、朝のしっとりとした空気感まで鮮やかに写し出されています。

開放F2.8という明るさは、過酷な撮影環境をはね返す強靭なセーフティーネットになってくれます。猫たちが面白い動きを見せてくれるのは、必ずしも光豊かな場所とは限りません。分厚い雲に覆われた薄暗い路地や、日が落ちかけた建物の影。そんな場所で、突然激しい取っ組み合いが始まることも日常茶飯事です。被写体ブレを防ぐために1/1000秒のシャッター速度を稼ぎたいとき、この明るさがもたらす恩恵は計り知れません。普段は背景の生活感を伝えるためにF3.2~F5.6あたりまで絞ることが多いのですが、「いざとなれば頼れる明るさがある」という安心感があるからこそ、目の前の猫に深く集中できます。
一眼レフ用のEFレンズから持ち替えて最も衝撃を受けたのが、圧倒的なAF精度とクリアな描写力でした。地面にはいつくばるようなローアングルからのノーファインダー撮影でも、動物の瞳検出が見事に猫の瞳を捉え続けます。以前ならピントを外していたような激しい動きであっても、画角にさえ入れればシステムが確実にアシストしてくれる。毛並みの柔らかな質感から、その場のしっとりとした空気感までを精緻に描き出すこのレンズは、僕の網膜に映った情景をそのまま形にしてくれる最高のレンズです。

EOS R1、24mm、1/1000秒、F6.3、ISO320

福岡県の猫島です。僕の後ろをついてきて、追い越しざまに「ごっつん」と頭をぶつけ合う仲良しの2匹。通り過ぎた瞬間にさっとしゃがみ込み、至近距離からノーファインダーでシャッターを切りました。24mmの広角がもたらす臨場感と、1メートルほどの近距離でも迷わずピントを合わせる追従性。その場の空気が伝わる豊かな階調表現も見事です。

このレンズを買う前に知っておきたいこと

約900gという重さに、最初は少し戸惑うかもしれません。しかし、「このレンズなら最高の瞬間を逃さない」という信頼を持って連れ出せば、必ず素晴らしい結果で応えてくれます。また、F2.8の美しいボケ味は大きな魅力ですが、開放ばかりに頼る必要はありません。猫が暮らす土地の匂いや背景の物語を伝えるために、あえてF3.2からF5.6あたりまで絞って撮るのもおすすめです。空間のすべてを描き切る、このレンズの圧倒的な描写力をぜひ体験してみてください。

関連リンク

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MY PARTNER 写真家たちの愛すべきRFレンズ 動物|沖 昌之
https://personal.canon.jp/ja-JP/articles/interview/mypartner/animal-rf24-70-f28l-01
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https://personal.canon.jp/-/media/Project/Canon/CanonJP/Personal/articles/interview/mypartner/animal-rf24-70-f28l-01/image/animal-rf24-70-f28l-01-720x444.jpg?sc_lang=ja-JP&hash=0B05CF4595E8B8A86DCBF9E1CC0C21FF
2026-09-03