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動物たちの「世界」を切り取る超望遠ズーム
過酷な撮影を支える軽量設計と確かな描写力

RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMで挑む野生動物撮影。写真家・福田 幸広さんが、動物と風景を同時に切り取るズーム表現や、過酷なフィールドで活躍する機動力と描写力の魅力を語ります。

EOS R5 Mark II、363mm、1/400秒、F8、ISO800

目を覚ました子鹿が、離れたところにいたお母さんの元へトコトコと歩み寄ってきました。500mmで寄って顔のアップだけを狙う手もありますが、少し引いて、お母さんの全身まで入れることで親子の温かい空気感を表現しました。引き過ぎると主題が弱くなるので、ズーミングしながらベストな画角を探っています。

福田 幸広のレンズ選びの条件

野生動物の撮影にRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMが欠かせない理由とは?

福田 幸広の使用開始日:2020年8月
野生動物の撮影では標準となる500mmをベースに、状況に応じてワイド側へ引き、風景や環境を取り込んだ撮影もできるのがこのレンズ最大の魅力です。また、1日中フィールドに立っていても疲労を抑えられる軽さと、とっさの手持ち撮影を支えるEOS R5 Mark IIとの良好な重量バランスも欠かせません。妥協のないクリアな描写力もこのレンズを手放せない大きな理由です。

RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM

画角(水平・垂直・対角線):20°~4°・14°~2°45′・24°~5°
レンズ構成:14群20枚
絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
最小絞り:32(100mm時)、51(500mm時)
最短撮影距離:0.9m(100mm時)
最大撮影倍率:0.33倍(500mm時)
フィルター径:77mm
最大径×長さ:φ93.8×207.6mm
質量:約1370g(三脚座含まず/三脚座質量 約160g)

100~500mmをカバーする機動性と高画質を両立した超望遠ズームレンズ。UDレンズやASCにより諸収差やゴーストを抑え、至近から遠景までズーム全域で鮮明に描写します。また、2つのナノUSMによる近接撮影の画質向上と、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMと比べ約200gの軽量化を実現し、長時間の撮影負担を軽減しました。さらに遮熱塗装や防塵・防滴構造、フッ素コーティングを採用しており、Lレンズにふさわしい優れた操作性と信頼性を発揮します。

Photographers’ File 06 福田 幸広

Yukihiro Fukuda
1965年、東京生まれ。日本大学農獣医学部卒。イギリスBBC Wildlife Photographer of the Year 2014【両生爬虫類部門】ファイナリスト作家。高校1年生の時、タンチョウに憧れ北海道の地を訪れたことがきっかけで写真家の道を志す。「山もいいけど、海もいい」をモットーに、海でも山でも分け隔てなく自分の撮影したいものがあればそこへ行き、時間をかけて撮影を楽しんでいる。現在は「動物たちの幸せの瞬間」を大きなテーマに1年のうち300日以上をフィールドで過ごす。写真集・写真絵本など著書多数。

動物が生きる「環境」までも取り込めるズーム領域が強み

EOS R5 Mark II、300mm、1/640秒、F9、ISO1600

立ち上がって木の葉を食べる鹿の姿です。雨が降る中、木が生えていない明るい背景を利用してシルエット気味に狙いました。状況を伝えるため、全身が入る300mmを選択しています。

野生動物の撮影現場において、機材の選択は単なる道具選びにとどまらず、作品の質と写真家自身の体力に直結する非常にシビアな問題です。RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMを発売とほぼ同時に導入し、過酷なフィールドワークにおいて絶対に手放せない相棒として使い続けています。今回は、実際に現場で使い込んで感じているこのレンズの魅力や、使いこなしのコツ、そして実践的な運用方法について、僕なりの視点でお話ししたいと思います。
野生動物を撮るうえで、僕の中での標準レンズはフィルムカメラのときから長年使ってきたEF500mm F4L IS USMでした。それが撮影の基準になっているので、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMは「標準レンズからワイド側に引けるレンズ」という感覚で捉えています。実際の撮影現場では、ファインダーをのぞいて「ここは500mmがちょうどいいな」と思ったらあえて300mmに、「300mmがジャストだな」と思ったら135mmに、というように意図的に焦点距離を1段階引いてから構図を追い込むようにしています。そうすることで、被写体の周りの風景が自然と入り込み、その動物がどんな環境に生きているのかという「状況説明」が的確にできたうえで、深みのある写真が撮れるからです。
最近は200-800mmといった超望遠ズームの選択肢もありますが、ワイド側の100mmと200mmの差は、現場では想像以上に決定的な違いを生みます。至近距離で鳥の群れが飛翔しているような突発的なシーンでも、100mmまでスッと戻せばフレームにしっかり収められます。この「100mmまで引けることの恩恵」は、野生動物撮影において大きな武器になります。

EOS R5 Mark II、500mm、1/1000秒、F7.1、ISO1600

雄鹿の後ろにたまたま子鹿が立って、まるで背中に乗っているように見える不思議なカットです。これは引いてしまうと面白さが半減してしまうので、500mmの圧縮効果を最大限に生かし、印象的な部分だけを切り取りました。

福田 幸広の焦点距離別使用率

撮影時に焦点距離の数値を意識することはありません。切り取り方は、被写体に合わせてファインダーをのぞいたときの感覚で決めています。そのシーンに最適な画角を探った結果が、たまたま300mmや500mmだったということです。撮影した写真を見返しても使っている焦点距離はさまざまです。

過酷な現場を乗り切る「軽さ」と「重量バランス」

EOS R5 Mark II、324mm、1/800秒、F8、ISO1600

子鹿たちが集まっているところへ、強い雨が降ってきた瞬間です。みんな一斉に立ち上がり、奥の木陰へ避難し始めました。警戒心が強いので不用意に近づけませんが、このレンズなら離れた場所からでも、狙い通りにフレーミングできます。

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EOS R5 Mark II、135mm、1/80秒、F14、ISO800

鹿を小さく配置した風景的なアプローチです。135mmでの撮影ですが、絞れば奥までシャープに写ります。フットワーク重視でカメラを1台しか持っていけないときでも、このワイド側のおかげで風景まで撮りきれるのは本当に大きいです。

僕らのフィールドワークは、日の出前から日の入り後まで、1日中現場に立ち続けることが日常です。そうした長丁場の撮影では、少しでも機材が軽い方が体へのダメージが少ないのは間違いありません。以前はレンズを手持ちで1日中振り回していると、次の日には指が「ばね指」のようになってしまい、シャッターを切ることすらつらくなることもありました。その点、このレンズの軽量かつコンパクトな設計には本当に助けられています。僕は基本的に三脚を使用するスタイルですが、動物の予測不能な動きに合わせてどうしても手持ちで追わなければならない瞬間は必ずやってきます。現在メインで使っているEOS R5 Mark IIとの組み合わせはバランスが抜群に良く、手ブレ補正の効きも十分強力です。1日中構え続けてもストレスを感じさせない設計は、プロの実用機として高く評価しています。
ズームレンズということで、導入当初は単焦点に比べて画質に少し不安もありました。しかし、実際に使ってみると嫌なボケや不自然な色にじみなどもなく、非常に素直でクリアな描写が得られます。開放F値はテレ端の500mm時でF7.1ですが、F8を基準としてセットし、シャッター速度とのバランスを見ながら必要に応じて絞り込んで撮影しています。絞り込み過ぎなければ、画質の劣化を感じることはありません。AFに関しても、カメラ側の進化と相まって被写体を素早く的確に捉えてくれます。高い性能を備えながら100mmから500mmの焦点距離を1本でカバーできるという利点は大きく、携行機材を極力絞りたい過酷な環境下において、非常に頼りになる存在です。

EOS R5 Mark II、400mm、1/500秒、F8、ISO2000

土砂降りの日にしか撮れない「ブルブル」の瞬間です。毛にたっぷり水がたまったタイミングを見計らって待ち構え、飛散する白い水しぶきを400mmでドラマチックに捉えました。手前の前ボケも生かしつつ、被写体を引き寄せています。

このレンズを買う前に知っておきたいこと

RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMは、これ1本あれば現場のシチュエーションのほとんどをカバーできてしまうほど、汎用性と機動力に優れたレンズです。これからこのレンズを使う方に1つだけアドバイスをするなら、「軽量コンパクトだからといって、安易に手持ち撮影ばかりに頼らないこと」です。いくら軽快に使えるとはいえ、テレ端は500mmという超望遠の世界です。適当に手持ちで構えると、どうしても微細なブレが生じたり、ピントが甘く見えたりする「もったいないカット」が出てしまいます。三脚が使える現場では、面倒くさがらずにしっかりと三脚を据える。機材が進化して軽快になったからこそ、基本に忠実な「丁寧な撮影」を心がけることが、このレンズの素晴らしいポテンシャルを100%引き出し、最高の作品を生み出す秘訣だと思っています。

関連リンク

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MY PARTNER 写真家たちの愛すべきRFレンズ 動物|福田 幸広
https://personal.canon.jp/ja-JP/articles/interview/mypartner/animal-rf100-500-f45-71l-01
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https://personal.canon.jp/-/media/Project/Canon/CanonJP/Personal/articles/interview/mypartner/animal-rf100-500-f45-71l-01/image/animal-rf100-500-f45-71l-01-720x444.jpg?sc_lang=ja-JP&hash=DB2CC7EAB2025DC8F91CAE8A2457CBC3
2026-08-06