MY PARTNER 飛行機|100mmで情景を写し撮り 500mmでヒコーキを引き寄せる
公開日:2026年5月28日

羽田空港の南風運用時、15時から18時に離陸する国際線の燃料を積んだ重いヒコーキを狙いました。重い機体は離陸のタイミングが遅くなるため、500mmにすることでアップにしてエンジンブラスト(排気熱)がかげろうのように揺らぐ迫力あるシーンが撮影できます。
ルーク・オザワのレンズ選びの条件
ヒコーキの撮影にRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMが欠かせない理由とは?
ルーク・オザワの使用開始日:2020年8月
空港というフィールドは広大である一方、私たち写真家が撮影できる場所は限られています。そうした制限の中で、100mmから500mmという幅広いズーム域は、機体に思い切り寄ったカットから、情景を取り入れた引きのカットまで自在に対応してくれます。地方空港などでヒコーキとの距離が離れてしまうケースでも、500mmの望遠域があれば、思い描いたとおりの画をしっかりと狙えます。これが本レンズを手放せない最大の理由です。
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
画角(水平・垂直・対角線):20°~4°・14°~2°45′・24°~5°
レンズ構成:14群20枚
絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)
最小絞り:32(100mm時)、51(500mm時)
最短撮影距離:0.9m(100mm時)
最大撮影倍率:0.33倍(500mm時)
フィルター径:77mm
最大径×長さ:φ93.8×207.6mm
質量:約1370g(三脚座含まず/三脚座質量 約160g)
100mmから500mmの幅広いズーム域を1本でカバーする、超望遠ズームレンズ。LレンズならではのスーパーUDレンズ1枚、UDレンズ6枚を含む光学設計により、ズーム全域で色にじみを抑えた高画質を実現しています。ナノUSMによる滑らかで高速なAFに加え、強力な手ブレ補正が手持ち撮影をしっかりサポート。防塵・防滴性能も備え、飛行機撮影のあらゆる現場で頼れる1本です。
Photographers’ File 01 ルーク・オザワ
LUKE H. OZAWA
航空写真家。1959年、東京都生まれ。1973年、初めて乗った全日空B727に感動して以来、カメラ片手に羽田空港通いが始まる。ヒコーキと向き合い52年、航空写真の第一人者。風景とヒコーキをシンクロさせた情景的写真を確立し、カメラ写真業界にヒコーキジャンルを根付かせた。時に神がかり的な、絵は見る者に感動を与えている。2018年キヤノンギャラリー S で個展を開催。写真集「PHOTOGRAPHERS’ ETERNAL COLLECTION」(キヤノン)がある。
500mmが未知の画を生む、現場で完結する圧倒的なズーム域

那覇空港の南側に位置するホテルのバルコニーからの撮影です。太陽がまだ低いうちに青く澄んだ海と手前の沖縄らしい屋根、午前中の順光でPLフィルターを使用し、色鮮やかな緑を入れ込んで沖縄の夏を伝えています。
1999年に発売されたEF100-400mm F4.5-5.6L IS USMが当時からヒコーキ撮影に導入し、良き相棒として国内外の過酷な現場を共にしてきました。やがてII型のEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMへと進化し、満を持してRFレンズとして世に現れた際、望遠端が100mmも延長されてRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMとなったことに大いに心が躍りました。かつては500mmの単焦点レンズも同時に携行していましたが、その必要は完全になくなりました。
ヒコーキという被写体は、ボーイング737のような小型機から777のような大型機まで、機種によって大きさが異なります。このレンズの最大のメリットは、大きさの異なるヒコーキをレンズ交換せずに1本で最適な画角に収められる点です。僕の画作りは、月や太陽に絡むシビアなシーンを除き、ズーム域を生かして現場で四隅を確認して仕上げる現場完結型を基本としています。例えば、1日に1便しか来ないような外国系のエアライン機を狙う場合、100mmから500mmまでの幅広いズーム域があれば、1回のテイクオフの間に、機首アップと機体全体、さらには雲などを入れた情景的シーンまで、ズームリングを回しながら連続して切り取っていきます。このレンズならヒコーキ撮影における歩留まりが圧倒的に向上するのです。

羽田空港からの1枚。主役は沖縄のような巨大な積乱雲。雲のメリハリをPLフィルターで強調し、機体を小さく配置して自然の脅威や大きさを表現しました。寄り引き自在なRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMの利点が生きています。
ルーク・オザワの焦点距離別使用率

各焦点距離の使用率は100mmから400mmまでほぼ均等でまんべんなく活用し、400mmオーバーの使用率が少し多くなります。特定の焦点距離に偏ることなく、刻一刻と変化する状況に合わせてズームリングを回し、最適なフレーミングを決定しています。
最新のEOSシステムと組み合わせてこそ、真の価値が引き出せる

昼間の月とヒコーキを手持ち撮影。約1370gと軽量な本レンズの機動力が生きます。一瞬を逃さぬようにあえて引き気味の500mmで狙い、カメラ内アップスケーリングを使って、トリミングして仕上げています。
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那覇空港で太陽が半逆光になり海が輝くタイミングを狙いました。海に露出を合わせてヒコーキをシルエットにし、進行方向を広く空けるため機体は左側に配置し、PLフィルターで波のしま模様や海に落ちる影を美しく表現しました。
カメラのクロップ機能(1.6倍)との相性も抜群です。このレンズと一緒に使うEOS R5 Mark IIは有効画素数が約4,500万画素もあるため、クロップしても約1730万画素をキープできるので、よく活用しています。EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMでのクロップは640mm相当ですが、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMならば一気に800mm相当まで寄ることができます。つまり、500mm、600mm、800mmという3本の超望遠レンズをこの1本でカバーできる、夢のようなシステムです。
またフィルター径が77mmに抑えられている点もうれしいポイントです。昼間の撮影でほぼ確実にPLフィルターを装着しますが、500mmや800mm相当の画角にPL効果をもたらすことは、かつての巨大な超望遠レンズでは事実上不可能でした。RF24-105mm F4 L IS USMなどの標準ズームとフィルターを共有でき、手軽なサイズを維持して機動力を高く保てる点は大きなアドバンテージです。
望遠端の開放値F7.1ですが、今のカメラは高感度性能が優れているため、ISO感度を上げることで的確に対処しています。夕刻など露出が落ちてきた際、ヒコーキをぴたりと止めるシャッター速度を稼ぐためなら、ISO10000まで上げることもあります。最新のEOS Rシステムの高感度耐性を信頼すれば、ピントの迷いやブレを恐れる必要はありません。現代のセンサー性能があってこそ、このレンズの真価は最大限に引き出されると実感しています。
かつては500mmといえば単焦点レンズという概念がありましたが、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMの登場によって新たな時代がやってきたと感じています。この1本で寄りも引きも自在に画を作れることは本当にうれしく、昼間のヒコーキ撮影において絶対的な信頼を置く愛用レンズです。

羽田空港の展望デッキから早朝に撮影しました。ターミナルの陰から突然ヒコーキが現れるため、最初はワイド側に広げておき、ヒコーキが見えた瞬間にピントを合わせ、トラッキングで追従しながらズーミングして撮影しています。
このレンズを買う前に知っておきたいこと。
望遠端の開放F値がF7.1というスペックを目にして、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMに比べて1段暗いことでピントが甘くなるのではと懸念されるかもしれません。しかし、その点は一切心配にはおよびません。現在のキヤノンのAF性能は極めて優秀であり、ピントが迷うようなことはありません。シャッター速度が落ちるという懸念も、カメラ側のISO感度を少し上げるだけで完全に払拭できます。ISO感度を上げることを恐れず、レンズの性能を信じて存分に使いこなしてください。
