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MOTHER

12 中村征夫

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中村征夫(なかむら いくお)

中村征夫 (なかむら いくお)

1945年、秋田県潟上市出身。19歳のとき水中写真を独学で始める。1977年、東京湾にはじめて潜り、ヘドロの海でたくましく生きる生きものに感動。以来、東京湾定点観測をライフワークとして取り組む。数々の報道の現場の経験を生かし、新聞、テレビ、ラジオ、講演会とさまざまなメディアを通して海の魅力や海を巡る人々の営みを伝えている。
強烈な夏の日差しが差し込む逆光の中、
小さなフナが泳ぎ去っていく。
これが幼い頃に初めて見た水中の世界だった。
その原体験が今も僕を海へと誘い続けてくれる。

『MOTHER』

あらゆるものを包み込む
優しさや厳しさを携え、万物を育む。
その偉大な母なる海へ抱き続けてきた、
憧憬にも似た思いをこの一冊に込めた。
そして、僕をここまで導いてくれた
「MOTHER」に捧げたいと思う。
  • タマンとダイバー 沖縄の方言でタマンと呼ばれる高級魚、
    ハマフエフキがダイバーと見つめ合っている。
    タマンは警戒心の強い魚だ。
    ダイバーも熟知しており
    3メートルほどの距離を保ち、微動だにしない。
    海の浮遊感と気持ちよさを表現した一枚。
  • ウミギクガイモドキ 塊状の硬いハマサンゴの中に生息する二枚貝。
    貝が開くと実に艶やかな外套膜が顔をのぞかせる。
    オレンジ色の丸い点の列は眼点といい、
    光を感じる器官である。
  • オオカミウオ アイヌの人々にとって、海の神と崇める魚。
    強靭な牙を持ち、
    オホーツク海に生息する魚類の頂点に君臨する。
  • ザトウクジラの母子 水深10メートル。
    ザトウクジラがホバリングの状態で休んでいた。
    しばらく水面から眺めていると、
    母クジラのお腹付近からチラリと顔を覗かせる
    子クジラがいることに気づいた。
    やがて安心したのか、母クジラの胸元に寄り添う。
    親子が醸し出す温かな雰囲気に
    僕も包み込まれた気がした。
  • イクオハダカカメガイ 知床の水中ガイドさんが見つけてくれた流氷の天使。
    クリオネに似ているが、
    日本では初お目見えということで、
    撮影者である僕の名が命名された。
    全体にふっくらとした体形がとても愛らしい。
    この時は交接中のようだった。
  • 荒れる海 サイパンの有名なダイビングポイント、「グロット」。
    神秘的な洞穴を外洋側に抜けると、
    そこには荒れ狂う海の姿があった。
    写欲をそそられる景観に
    畏怖の念を抱きながらシャッターを切った。

information

500部限定販売

タイトル
MOTHER
発行年
2024年
仕様
240mm×240mm ラスター(ハードカバー)
80ページ 68点収録 豪華化粧箱付
サイン入りオリジナルプリント付
(240mm×240mm)
印刷
DreamLabo 5000
価格
29,150円(税込・送料込)
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