フルサイズ×7Kオープンゲートで、表現の枠を超えていくキヤノン「EOS R6 V」で“写真が動く”映像をつくる
公開日:2026年10月15日
動画撮影に特化したキヤノンのVシリーズに、唯一フルサイズセンサーを搭載する上位モデル「EOS R6 V」が加わった。YouTubeにて映像機材レビューを発信する映像クリエイターのJEMMAさんに、本機で映像を撮影してもらい、7Kオープンゲートをはじめとする動画性能を体験してもらった。
写真を撮るように動画を撮る
自分のスタイルにはまったオープンゲート
EOS R6 Vを使ってみて、第一印象はいかがでしたか?
Vシリーズはこれまでコンパクトなモデルが多かったので、フルサイズで本格寄りというと、もっと重くて大きいのかと思っていました。でも、いざ持ってみると重くて大変という印象はまったくなくて、撮影中もずっと扱いやすかったです。オープンゲートのあるカメラを使うのは、実は今回が初めてだったんですが、縦と横を両方切り出すというのを実際にやってみて、すごく使いやすいなと思いました。あと、撮っていて単純に楽しかったです。
オープンゲートは、どのような撮影や映像表現で真価を発揮すると感じましたか?
私自身、もともとカメラワークを大きく使って撮るタイプではなく、写真を撮るように動画を撮るというやり方をずっとしてきたので、オープンゲートがすごくはまりました。写真の構図を決める感覚で、静かに動くというか。ダイナミックな動きというより、本当に写真が動いているような感覚で撮れるのが、自分の撮影スタイルに合っていて面白かったですね。
暗い場所での撮影はいかがでしたか?
ISOを5000から6400に切り替えたときに、モニター上で見ていてノイズがガクッと減ったのがわかって、「あ、ここで切り替わっているんだな」というのをリアルに実感できました。実際に編集で色を整えていけば、ノイズは全然気にならなくなります。基準となるISOがふたつ用意されていることで、暗い場所で撮影することへの抵抗感は、だいぶ抑えられる気がしますね。
今回の作例は三脚に固定しての撮影。ただし、手持ちで撮った数カットも、手ブレはほとんど気にならなかった。
手ブレ補正が効いているから、手持ちの安定感も抜群!
今回、Canon Log 2で撮影をされましたが、グレーディングでの扱いやすさはいかがでしたか?
Logから色を戻して、そこからさらに色を作っていくという流れでやるんですが、扱いづらいと思うことはまったくなかったです。いつもどおり、自分のカラーグレーディングのやり方で編集していても、しっくりとはまりました。特にシャドウの情報が割と残っていて、階調が豊かというか、色を戻しやすいなと感じました。
1台でステップアップできる「もっとこだわりたい!」という方に
EOS R50 Vを使われていた立場から見て、EOS R6 Vはどんなカメラでしたか?
EOS R50 Vで作品を撮ったときは、どちらかというとエントリー向けとして使っていて、カラープロファイルを当てて、楽しみながら撮るカメラだなと感じていました。EOS R6 Vはそれに加えて、編集でもっとこだわりたいという人のための機能がちゃんと備わっているので、この1台でステップアップができるカメラだと感じました。
どんなクリエイターにオススメしたいですか?
オープンゲートという点では、SNSのいろんなフォーマットにも展開しやすいので、縦動画と横動画、両方のプラットフォームに投稿していきたい方とは特に相性のいいカメラだなと思いました。APS-Cでは物足りない、もう少し本格的に動画を撮りたいという方に、ぜひオススメしたいですね。
JAMMAさんが注目するPOINT1|7Kオープンゲートで撮影できる!
「オープンゲート」って何?
オープンゲートとは、イメージセンサーの全域を使って記録する撮影方式のこと。一般的な動画は16:9で撮影することが多いが、オープンゲートなら写真と同じ3:2のアスペクト比で動画を記録できる。EOS R6 Vは7K30Pのオープンゲート記録に対応している。
◾️16:9(一般的な動画の縦横比)

◾️3:2(センサー全体を使うオープンゲートの縦横比)

ひとつの素材から縦・横動画を切り出そう
3:2で広く記録しておけば、撮影素材からYouTube用に16:9の横型動画や、SNS用に9:16の縦型動画も切り出せる。一方、16:9の素材から9:16を切り出すと、使えるのは映像の3分の1程度。被写体が収まりきらなかったり、画質が落ちてしまう。オープンゲートは、あとから構図を決め直すための余白が広いのが利点のひとつ。


上の比較画像では、3:2から切り出した画像のほうが、余白があり被写体となるふたりも部屋の様子もゆったりと収まった。

アスペクトマーカーで構図を決めよう
オープンゲートで撮影する際に表示しておきたいのが、アスペクトマーカー。EOS R6 Vは2種類のマーカーを同時に表示できるので、16:9と9:16、どちらの画角に今なにが入っているのかを一度に確認しながら構図を決められる。撮ってから切り出し方を考えるのではなく、撮る時点で両方を成立させられるのが強み。
マーカー1に16:9、マーカー2に9:16を設定。横と縦、両方の枠を出しながら撮影できる。

JAMMAさんが注目するPOINT2|ふたつのベースISOで暗所にも強い!
Log素材でのノイズを比較

ベースISOとは?

センサーの性能をいちばん引き出せる、基準となるISO感度のこと。ベースISOの値から離れるほど画質は落ちていく。
EOS R6 VはCanon Log 2/Canon Log 3設定時に、ISO800とISO6400というふたつのベースISOを持ち、設定したISO値に応じて自動的に切り替わる。ISO6400では高感度側のベースISOに切り替わるため、ISO5000よりもISO6400のほうがノイズが乗りにくい。
EOS R50 Vと、どっちを選ぶ?

EOS R6 V
作品として、しっかり作り込みたい人におすすめ。フルサイズセンサーを搭載した上位モデル。オープンゲートでSNSの縦・横どちらにも展開でき、Logで撮って自分で色を作り込むこともできる。いま使っているカメラから一歩進みたい、もう少しきれいに撮りたい、という気持ちが出てきたときの受け皿になる1台。
EOS R50 V
気軽に持ち出して、たくさん撮りたい人におすすめ。APS-Cサイズのセンサーを搭載したコンパクトなモデル。ポーチに入れて持ち歩けるサイズ感で、旅先のVlogや日々の記録を気軽に撮りたい人に向く。カラーフィルター機能を使えば、編集をしなくてもカメラだけで雰囲気のある画が作れる。これから動画を始めてみたい人にぴったり。
さらに表現の幅を広げるPOINT
Log素材を使って、自分の色に仕上げる

Logは、撮った時点で完成させるのではなく、あとから色を作り込むための「素材」として記録する設定。撮影したままの映像(左)は色が浅く見えるが、明るい部分も暗い部分も情報が残っている分、編集で動かせる幅が広い。
4K120Pをクロップなしで記録
4Kの解像度のまま、120フレームでの撮影に対応する。フレームレートを上げると画角が狭くなるカメラも多いなか、クロップを気にせず4K120Pを使えるのは大きい。なお、オープンゲートとの併用はできないため、撮影時はモードの切り替えが必要になる。
JEMMA
大阪府出身。ビデオグラファーとして企業とのタイアップやプロモーション映像の制作、動画制作のセミナー講師としても活動中。YouTubeチャンネル『じぇますた。』では、スマホでできる動画制作のTipsや映像機材レビュー等を発信。著書「スマホ1台で動画制作はじめます!」は半年で1万部を突破。