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Go Beyond with EOS R6 V|大地 康文

コンセプトは、「可能性の枠を、超えていく。One camera, many stories」。「EOS R6 V」はシネマカメラに迫るクオリティを担保しながら、オープンゲート記録にも対応する7Kフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラ。マルチフォーマットに対応する次世代動画クリエイター向けの1台です。

今回は、写真と映像のあいだに新しい表現を見出す撮影体験「Stillmotion」写真×動画の新たな表現「Stillmotion」を、旅先の空気や、その場に残る静けさまで写し取る写真家・大地康文さんに「EOS R6 V」で体験してもらいました。

Stillmotionとは、キヤノンが提唱する「写真が動く」映像表現。本企画では、写真のように固定されたフレームでシャッターを切るように録画ボタンを押すことで、被写体のわずかな揺らぎや時間の経過を重ねて撮影しています。Stillmotionの撮影体験はどのようなものだったのでしょうか。「EOS R6 V」で撮影された作品とともにご覧ください。

静止画の中に時間が入り込む独特の感覚

今回大地さんが選んだのは、霧と雨が立ち込める森の中。写真家として旅先やアウトドアフィールドで出合う景色を切り取ってきた大地さんは、撮影地の空気感まで伝えられるStillmotionの表現力を魅力に感じたと言います。

「Stillmotionだからこそ魅力が伝わる」と感じた瞬間

Stillmotionは風景撮影において、その場の空気感を伝えるのに最適な撮影方法だと感じました。写真の持つ完成された構図のなかに、微かに動く霧や風といった「空気の揺らぎ」が時間として重なった瞬間に、この手法ならではの魅力を感じます。

EOS R6 V + RF35mm F1.4 L VCM、SS1/40sec・F2.2・ISO500

フレームを固定して撮る前提で、構図はどのように決めたのでしょうか?

普段写真を撮るときと同じように、まずは一枚の静止画としての完成度を高めるよう構図を決めました。そのうえで、その切り取ったフレーム内に「心地よい動き」があるかどうかを探しました。
ただ止まっている景色ではなく、霧の動きや木々のざわめきなど、固定された空間の中で息づく要素を意識して、画角をつくっています。

尺(何秒で止めるか)はどう決めましたか。撮り始め・撮り終わりを決める基準はありましたか?

基本の尺は、ワンカット10秒程度を意識しました。
撮り始めのタイミングは、風が木々を揺らした瞬間や、霧がスッと流れてきたとき、人や電車が画角に入ってくるなど、景色の中で「動きが生まれた瞬間」を基準にしています。静止画のような構図の中に、時間の流れがスッと入り込んでくるタイミングを狙って、シャッターを切る感覚で録画ボタンを押していました。

露出やピントの設定で、写真を撮るときとは変えた点はありますか?

ピントや絞りのアプローチは普段の写真と全く同じですが、シャッタースピードの扱い方だけ明確に変えています。
今回は映像として自然な動き(モーションブラー)を表現するために24fpsで撮影しているため、常にそのフレームレートを基準とし、シャッタースピードを固定しました。これは、人工灯のフリッカー現象を防ぐという実用的な役割も兼ねています。

完璧な一枚の写真の構図の中で、映像を回す

Stillmotionでの撮影では、写真撮影とも、普段の動画撮影とも異なる意識をもっていたと、大地さんは語ります。写真と映像のあいだに位置する手法を、どのように活用したのでしょうか。

「シャッターを切る感覚で、録画ボタンを押す」という今回の考え方を、実際の撮影ではどう解釈しましたか?

「完璧な一枚の写真の構図の中で、映像を回す」という解釈です。
普段動画を撮影するときのようにカメラを振ったり画角を変えたりするのではなく、あくまで写真としての美しさが完成された一枚の画のなかで、木々の揺れや霧の流れがどう美しく動くかだけを考えて、録画ボタンを押しました。

写真では「余計なもの」として排除していた要素が、Stillmotionだからこそ価値になった場面はありますか?

スチール撮影では「被写体ブレ」に繋がるため敬遠しがちな、風による木々の葉や草の揺れです。写真では「ピタッと止まって写ってほしい」と感じる要素ですが、Stillmotionではその微細な揺れがあることで、目に見えない風の存在や、その場の空気の冷たさといったリアリティが生まれ、むしろ映像の価値を高める要素に変わりました。

EOS R6 V + RF35mm F1.4 L VCM、SS1/50sec・F2.5・ISO500

撮影して気づいたこと

一枚の写真として構図を決める点は普段のスチール撮影と同様。ただ実際に録画ボタンを押してみると、異なる意識が働いたと、大地さんは振り返ります。

撮影中に「写真では意識していなかった」と気づいた要素はありましたか?

10秒間という、自らで決めた「時間の長さ」です。写真を撮るときにはシャッターを切る一瞬に集中しますが、録画ボタンを押して同じ構図を見つめ続けることで「自然の微細な変化と連続性」を強く意識するようになりました。

EOS R6 V + RF35mm F1.4 L VCM、SS1/40sec・F1.4・ISO400

撮ってみて初めて分かった難しさや失敗

写真なら「ここぞ」という最高の一瞬をシャッターで捉えれば良いのですが、Stillmotionはその美しい状態を持続させなければならない点に難しさを感じました。録画中に突然風が強くなりすぎて木々が暴れたり、逆に霧が晴れてしまったりと、自然の変化を予測しながら尺を収めることは、想像以上に難しかったです。

EOS R6 Vと今回のレンズで、写真的に動画を撮るうえで相性が良かった点・助けられた機能を教えてください。

一番相性が良かったのは強力な手ブレ補正です。今回はこの手ブレ補正機能を活かして手持ちで撮影しました。手持ちでも一枚の写真のように固定された画をキープできたおかげで、雨や霧がつくり出す一瞬の空気感を、普段写真を撮るのと同じ身軽さで切り取ることができました。

いくつもの景色を繋げ、一つの作品を編みあげる

森の中を歩きながら、複数のクリップを撮影した大地さん。それらを一つの作品として編みあげる段階では、どのようなことを意識していたのでしょうか。

複数クリップを繋ぐ順番は、どのように決めたのでしょうか?

繋ぐ順番は完全に時系列にしています。Stillmotionの「時間を切り取る」という特性を活かすため、複雑な構成は避けました。実際にカメラを持って歩きながら、私自身が出合った順番通りに景色を繋いでいくのが、一番自然で心地よい映像の流れになると感じたためです。

撮影の時点で「繋げること」を前提に撮っていましたか?

編集は時系列で行うと決めていたからこそ、撮影時からある程度の繋がりを意識していました。
森の中の霧や雨というテーマは、どうしても似たような風景の連続になりがちです。そのため、時系列順に並べたときに映像が間延びしないよう、シーンの切り替わりを印象付けるフックになるようなカットを、現場で意識的に撮影するようにしました。

Stillmotionは写真と映像をシームレスにする

完成された静止画の構図的な美しさと、映像としての時間の流れのいずれも表現できるStillmotion。まさしくハイブリッドといえるその手法に、大地さんが見出したものとは。

Stillmotionという撮り方は、ご自身の作品づくりにどんな可能性を開いたと感じますか?

「一枚の写真の美しさ」と「映像としての時間の流れ」を両立させる可能性です。私がもともと取り組んできた撮影方法と親和性が高く、スチールの延長線上で動画を撮るという感覚がより明確になりました。写真と映像の境界線がシームレスになり、両方の良さを掛け合わせた作品づくりをさらに深めていけると実感しています。

写真と映像の間にある「余韻」という表現を、ご自身の言葉で言い換えるとしたら、どんな言葉になりますか?

「目に見えない湿度の広がり」です。写真という枠の中に、雨の冷たさや霧の湿り気といった「触覚」に近い情報が込められていて、それが見る人の心の中にじわっと広がっていくような感覚を指していると思います。

今回、撮影機材としてEOS R6 Vを使っていただきましたが、使用感はいかがでしたか?

適度な重さとサイズ感、そして手にスッと馴染むグリップの良さが印象的でした。軽すぎず重すぎない絶妙なバランスのおかげで、雨や霧で足場の悪い森の中でもしっかりとカメラを構えることができ、機材にストレスを感じることなく撮影そのものに集中できました。

3:2オープンゲートで写真と同じ画角で動画が撮れることについて

センサーの能力を最大限に発揮できる非常に実用的な機能だと感じました。写真と同じ画角で広く撮影しておくことで、後からさまざまなアスペクト比にトリミングすることができます。
一つの素材から多様なフォーマットの映像を切り出せるため、表現の幅や制作の効率が大きく広がると思います。

大地康文

フリーランスでのWEB制作、ディレクションを主な仕事としながら、日本の風景・暮らし・人々・街並みや登山・キャンプなどのアウトドアの写真や動画を撮りに日本各地に行ってます。「光の温度、その場にただよう湿度、誰かが通り過ぎた後の静けさ——目には見えないけれど確かにそこにあったものを、一枚の断片として残したくて、シャッターを切っています。」

関連リンク

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Go Beyond with EOS R6 V|大地 康文
https://personal.canon.jp/ja-JP/articles/interview/go-beyond-with-r6v/04
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https://personal.canon.jp/-/media/Project/Canon/CanonJP/Personal/articles/interview/go-beyond-with-r6v/04/image/daichi-720-444.png?sc_lang=ja-JP&hash=FC60CC6FCA128F235B87A0102142E826
2026-10-15