Go Beyond with EOS R6 V|土居 夏実
公開日:2026年10月15日
コンセプトは、「可能性の枠を、超えていく。One camera, many stories」。 「EOS R6 V」はシネマカメラに迫るクオリティを担保しながら、オープンゲート記録にも対応する7Kフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラ。マルチフォーマットに対応する次世代動画クリエイター向けの1台です。
今回は、写真×動画の新たな表現「Stillmotion」を、自然の中にある美しい瞬間を切り取る写真家・土居夏実さんに、「EOS R6 V」で体験してもらいました。
Stillmotionとは、キヤノンが提唱する「写真が動く」映像表現。本企画では、写真のように固定されたフレームでシャッターを切るように録画ボタンを押すことで、被写体のわずかな揺らぎや時間の経過を重ねて撮影しています。
Stillmotionの撮影体験はどのようなものだったのでしょうか。「EOS R6 V」で撮影された作品とともにご覧ください。
自然の動きそのものに意識を向けながら撮影できる
今回土居さんが撮影地に選んだのは、ご自身の地元であり、活動拠点でもある香川県内のとある海辺。寄せては返す波や、太陽の光で輝く水面、風で葉を揺らす草木など、普段から土居さんを惹きつける自然のモチーフは、Stillmotionという初めての撮り方によって、どのように形を変えたのでしょう。
「Stillmotionだからこそ魅力が伝わる」と感じた瞬間
海や空、木々など自然の美しさを撮影したときに、より魅力が伝わるように感じました。
カメラワークについて考える必要がないので、波の揺れや木々のざわめきなど、自然の動きそのものに目を向けることで、その場の美しさや雰囲気を表現できると感じました。
フレームを固定して撮る前提で、構図はどのように決めたのでしょうか?
普段写真を撮るときと同じように構図づくりをしました。

尺(何秒で止めるか)はどう決めましたか。撮り始め・撮り終わりを決める基準はありましたか?
つなぎ用の素材や手元の映像は短めに撮り、被写体がしっかり写っているメインカットは長めに撮るようにしています。
波のきらめきや木漏れ日など、美しい瞬間を狙って撮影を始め、狙った瞬間が撮れるまで回し続けています。
露出やピントの設定で、写真を撮るときとは変えた点はありますか?
どのような違いがあるか試してみたかったので、今回は普段とまったく一緒の設定で撮影しています。
「音や動きを取り入れた写真」ができあがる
写真家として自然風景を多く撮影する土居さん。今回はあえて「映像を撮る」とは意識せず、普段と同様の意識で撮影に臨んだといいます。
それぞれのカットの撮影や構図のポイントを教えてください。

自然の中に人物がポツンと映り込むような構図となるよう、歩きながらフレームインさせることで、自然の広がりや美しさを引き立たせた点がポイントです。
自然風景を撮影する際には、波や風に揺れる木々など、自然そのものの動きを捉えることを意識しています。また、船が通り過ぎる瞬間など、風景の中に動きが生まれるタイミングを取り入れることで、より印象的な映像に仕上がります。
「シャッターを切る感覚で、録画ボタンを押す」という今回の考え方を、実際の撮影ではどう解釈しましたか。
音や動きを表現する写真ができあがると解釈し、撮影しました。まさしく写真を撮るような感覚で、動画を撮ることができました。
写真では「余計なもの」として排除していた要素が、Stillmotionだからこそ価値になった場面はありますか?

写真撮影においては、波や葉っぱを揺らす風は、ピントを合わせずらく、ブレを引き起こしやすいため余計なものに感じていましたが、「Stillmotion」では良い雰囲気づくりにとても役立ってくれました。
撮影して気づいたこと
写真を撮る際と同様の意識で臨んだという土居さん。一方で、構図選びの部分では、難しさを感じた部分もあったそうです。
撮影中に「写真では意識していなかった」と気づいた要素はありましたか?

普段写真を撮る際には周囲の音は意識していませんが、Stillmotionでは波の音や蝉の声が取り込まれたことで、撮影した日の夏特有の暑さがより表現できたと思います。
撮ってみて初めて分かった難しさや失敗
セルフポートレート動画を撮影した際は、カメラを三脚に固定していたため、写真を撮るときと同じように、ひとつの構図のままで撮影できました。
一方で手持ち撮影の際には、撮影中に「こっちのほうが綺麗だな」と思ったほうへカメラを向けたくなってしまい、景色が変わりゆくなか、どの構図を選んで撮影するかという部分に、やや難しさを感じました。
EOS R6 Vと今回のレンズで、写真的に動画を撮るうえで相性が良かった点・助けられた機能を教えてください。
オートフォーカスの速さにとても助けられました。写真のように、うつろう自然の一瞬を切り取る際に相性の良さを感じました。
複数のクリップをつないで、短い物語をつくる
短いカットを撮り終えたあと、それぞれを繋げて一つの作品として仕上げる際、土居さんはどのようなことを意識したのでしょう。
複数クリップを繋ぐ順番は、どのように決めたのでしょうか?
感覚的に「綺麗だ」と思う順番で繋いでいます。自分の中で短い物語のようなものを思い浮かべながら、それを軸にして繋げていきました。
撮影の時点で「繋げること」を前提に撮っていましたか?
すべて撮り終えた後に動画を並べて構成しましたが、写真を組む感覚と似ているように感じました。
写真の構図のまま動画も撮れるという、Stillmotionの可能性
普段から「写真と動画のどちらも撮りたい」と感じることが多いという土居さん。写真を撮る感覚で映像ならではの時間の流れをとらえることのできるStillmotionは「革命的」だったそう。
Stillmotionという撮り方は、ご自身の作品づくりにどんな可能性を開いたと感じますか?
写真だけでは表現できない美しさを、写真を撮るときと同様の感覚で映し出せると感じました。
今回、撮影機材としてEOS R6 Vを使っていただきましたが、使用感はいかがでしたか?
まず、画質の美しさに驚きました。どんなに拡大してクロップしても画質がきれいで、動画も写真も後からレタッチしやすかったです。
とくにお気に入りだったのが「カラーフィルター」。とても好みの色味で、手軽にノスタルジックな雰囲気に仕上げられるのが便利でした。撮影するだけで印象的な色味になる点が魅力的で、おすすめです。
そして、手ぶれ補正の性能にも驚きました。私は普段から手持ちで動画を撮影することが多いのですが、歩きながらの撮影でも安定感があり、まるで写真を撮るような感覚で気軽に動画を撮影できました。
3:2オープンゲートで写真と同じ画角で動画が撮れることについて
写真と同じ画角で撮影できるので、写真と動画のどちらも撮りたい私には革命的だと感じました。写真を撮った後、動画用に構図を変えるべきか悩むこともあったので、写真の構図のまま動画も簡単に撮れる点がありがたかったです。
私のように、写真・動画もどちらも撮りたいという人に、ぜひおすすめしたい1台です。
土居 夏実
写真家。香川県出身。高校時代は写真部に所属し、写真甲子園に出場。スタジオカメラマンを経て、地元である香川を拠点に活動中。星空や、海、植物が好きで、自然に溶け込んだような写真を撮影している。