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生きもの部門 第51回キヤノンフォトコンテスト

生きもの部門

ゴールド賞

『Back of Bugs』前田拓哉(長野県)

受賞者の声

信州・安曇野の大地の自然の奥深さに魅了され信州には今年移り住んだばかりですが、自然の奥深い魅力に取り憑かれ、時間の許す限り夢中でシャッターを切っています。実は、本作品は途中段階のものでした。しかし、昼夜を問わず息を殺して野山を徘徊する撮影者の姿を連想し、それを評価していただけたと思うと嬉しさが込み上げてきます。好奇心を頼りにせっせと歩き回る働きアリを摘み上げていただき、ありがとうございました。山々に囲まれた安曇野の大地は、語ることなく人を育ててくれます。

講評:昆虫の多様な柄に着目した生きもの部門ゴールド賞

  • 前川
    今回の生きもの部門は、組写真のレベルが高かったですね。その中でゴールド賞に選んだ「 Back of Bugs」は、とにかく強いという印象でした。
  • 水谷
    インパクトがありますね。
  • 前川
    虫そのものの面白さもあるのですが、本当に色とりどりで、もう少し一枚一枚を丁寧に撮ってもよかったと思いながらも、あまり細かいことにこだわらず、ストレートに撮っていることでより強さが増したとも思います。
  • 石橋
    5枚で組んだ発想が面白いですね。きっと1枚ではつまらなかった。いろいろな虫の柄が5枚によって表現されたことで、自然の多様性が感じられます。虫とカメラの距離感が同じなのもいいですね。一見、平凡になりがちだけど、虫の柄の違いもあり、ありきたりではない面白さを持った作品だと思いました。
  • 前川
    本当に自然は多様で、こんな虫がいるのかと、見た瞬間に驚きました。
  • 水谷
    大きく伸ばしたら、もっと迫力が出るんじゃないですか。それだけ1枚1枚が強いということだと思います。
  • 石橋
    普段は虫をこんなに大きく見ませんからね。もっと大きくしても、確かに面白いかもしれません。おそらく、それぞれ写っている虫のサイズはまちまちだと思いますが、それを揃えていて、しかもこの5枚の並べ方もいいですね。
  • 立木
    丸いテントウムシを真ん中に置いたのが成功しています。丸い虫を中央に置いて、両サイドには細面の虫を置き、しっかり考えて構成を練っているのが伝わってきます。ところで、あのテントウムシは珍しいの?
  • 前川
    ちょっと分からないですけど、珍しいと思います。見たことないですから。
  • 石橋
    この模様は見たことないね。ずっと昆虫を追いかけているのでしょう。
  • ルーク
    でも、虫が好きだったら、もっと全体を入れると思うんですよ。触覚が切れてしまっているのもあるじゃないですか。だけど、そこがこの作品の面白さにつながっているんですけどね。
  • 石橋
    そうか。虫の研究家だったら、もっと丁寧に全体を入れるかもしれませんね。
  • 前川
    今回の生きもの部門では、本当に組写真が面白いと思ったんですよ。その中で一番がゴールド賞の作品だったのですが、それ以外でも、ほかのコンテストで見てきた生きものの作品とはひと味違った狙いのものが多く、非常に楽しめました。もちろん、中には、一枚で勝負するにはパワーが足りないから組んで形にしたようなものもありましたけど、それよりも、組写真にすることで相乗効果を狙った作品が多かった印象でしたね。

シルバー賞

『羽』徐 源(千葉県)

ブロンズ賞

『追憶』柳瀬 真(新潟県)
『私はベジタリアン!?』齋藤 誠(神奈川県)

佳作

『過ぎゆく夏』忽那博史(埼玉県)
『コブダイ』谷口常雄(神奈川県)
『みずたまりのタコ』今井寛治(岐阜県)