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自由部門 第51回キヤノンフォトコンテスト

自由部門

ゴールド賞

『秘密の通路』塩見芳隆(京都府)

受賞者の声

建造物の狭い通路で遊ぶ子どもたちを写す退職後に始めた写真。初めのうちは美しい花や風景を、そのうちお祭りを中心に撮るようになりました。その後都会、街角風景にも興味を持つようになり、今回の写真もそのような中で撮ったものです。ビルの展望屋上にある建造物の狭い通路を子どもたちが楽しげに遊んでいる様子を組写真にしました。今回思い掛けなくもこのような賞をいただけたことに感激するとともに、これを励みに今後も、ジャンルにこだわらず写真ライフを楽しみたいと思っています。

講評:都市の隙間に焦点を当てたユニークな自由部門ゴールド賞

  • 立木
    自由部門のゴールド賞に選んだ「秘密の通路」は、グランプリ作品とは対照的に人工的な街を写した作品です。建物の隙間をとらえていますが、それを並べたことで、どことなく現代の閉塞感も表現されているように感じました。
  • 竹沢
    街中で撮られた作品だと思いますが、独自の視点を持っていることがうかがえます。よく、このような場所ばかり見つけられましたね。
  • 立木
    しかも、演出かどうか分かりませんが、隙間の向こうに子どもがいるのが、さらに面白さを倍増させている。
  • ルーク
    タイトルが「秘密の通路」だから、たぶん誰かに立ってもらったのかと。
  • 立木
    そうだよね。もちろん、隙間の先に人がいるのもすべて偶然なんてことはあり得ないと思うけど、やっぱりその狙いがユニークな発想だと思います。
  • 竹沢
    一見フラットに見えますが、隙間をとらえているためにそれぞれの作品に奥行きがある。そのバランスが非常に興味深い作品だと思いました。
  • 立木
    しっかり計算しながら画面構成していますね。しかも、3枚の並びも十分に練られて、真ん中にこの写真を持ってきたのも成功しています。
  • 竹沢
    個人的には、左の作品だけ線が斜めになっているのが気になりました。
  • ルーク
    その線だけ太いしね。
  • 立木
    確かに左の写真を右の2枚と同じように真っすぐにすれば完璧だよね。ただ、それだと完璧すぎて、つまらなくならないかな。少し不完全さがあるから面白いこともあると思うんです。
  • 竹沢
    そういう考え方もありますが、ふと思ったのが、もし左も真っすぐなら、線を繋げて3枚を縦で組み合わせると一枚の画になって面白いかなと。
  • ルーク
    でも、今のままでも完成度は十分に高く、僕は組写真のお手本のような印象を受けました。縦のラインを強調した構成が面白く、画面がその縦のラインでまとまっているからこそ、ワンポイントで入れた子どもが引き立ったと思います。
  • 立木
    最近はカメラの技術が進歩して画素数が上がり、一枚にたくさんの情報を詰め込めるようになりました。この作品も隙間が少ししかないにもかかわらず、その中にいろんな情報が詰め込まれています。今回、自由部門の全作品を見て、高画素のカメラの特性を生かし、情報量を目一杯詰め込んだ作品が多く見られました。もちろん、情報がたくさんあればよい写真になるとは限らないけど、それを生かした新しい表現も垣間見え、とても頼もしく感じました。

シルバー賞

『内ノ浦から宇宙へ』池田 穰(鹿児島県)
『遭遇』津島裕子(広島県)

ブロンズ賞

『丸山千枚田の虫送り』山際 實(和歌山県)
『水面の宇宙』朝田理恵(東京都)
『冬夏匆々』守屋和彦(東京都)

佳作

『春の日』畑 恵三(広島県)
『夕照』藤原茂夫(兵庫県)
『夏の思い出』久保田すなお(香川県)
『マンボウ』佐藤タイゾウ(愛知県)
『不可思議な夏』橋本久美子(愛知県)