スポーツ部門 第51回キヤノンフォトコンテスト
スポーツ部門
ゴールド賞
受賞者の声
大柄な力士に無心で挑むその気迫が伝わる一枚をこの度は素晴らしい賞をいただきありがとうございました。写真を応募したきっかけは、フォトコンテストの登竜門であるこのコンテストに挑戦してみたかったから。この作品は、相撲部屋の合宿中、次の横綱を目指して朝早くから目の前の大柄な力士に無心で挑む様子を写した一枚です。小柄な力士が大柄な相手に勝つ姿を見ると、勝負に対する「絶対に勝つんだ」という気持ちが伝わってきます。これからも自分なりの表現ができるように頑張りたいと思います。
講評:今までにないアングルが秀逸スポーツ部門ゴールド賞
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水谷ゴールド賞に選んだ「無心」は、今まで見たことのないアングルに驚きました。おそらく幕下クラスだから巡業で撮られたと思いますが、よくこういったアングルを見つけましたね。
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石橋すごいところから狙ったね。
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水谷確かに。でも、大胆なフレーミングで、こんなローアングルから撮った力士を見たことないですよ。私も、誰も見たことのないアングルから狙いたいといつも思っているけど、なかなか撮れない。この作品は、本当に千載一遇のチャンスを生かして、今までにはない力士写真に仕上げていると思います。
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ルーク白目が際立っていますね。
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水谷そう、これから一発ぶちかましてやろうという気迫が伝わってくる。
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ルークその強い目力だけで、この作品のインパクトが伝わってきます。それでいて、手前に力士のお尻を入れた大胆なアングルで、確かに強い作品ですね。
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水谷スポーツ写真の被写体はやっぱり人間だから、どうしても「強さ」とか「迫力」が求められるんです。この作品は本当に強く、迫力も十分です。
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石橋切り撮り方が大胆ですよね。
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水谷ギリギリのフレーミングですよ。
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石橋もし、力士の手まで入れたら、どんな印象になっていたと思いますか。
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水谷それだと広すぎたでしょうね。背景の余計な部分まで写っていた。
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石橋確かに相手を見る目がいいですね。少し上目遣いの感じで。
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水谷そう、それと大胆なアングル、フレーミングがこの作品の強さです。スポーツ部門全体としては、意外と強い作品が少なかったんです。スポーツ写真の場合、やはり一瞬を写し止める強さが重要です。真剣勝負の中で見られる極限の一瞬というか、アスリートの気迫が画面から滲み出てくるような作品がもっと見たかったというのが正直なところですね。もちろん、極限の一瞬を狙うばかりでなく、アスリートの喜怒哀楽をとらえた、選手の内面を表現するのもスポーツ写真の醍醐味です。それは極限の一瞬とは対極にあるものだから、なかなか一枚で両方を表現するのは難しいですが。
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石橋今回は、強いよりも静かな写真の方が多かった印象ですか。
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水谷そうなんです。最近はどうしてもそういう傾向があるんです。スポーツ写真は撮る場所が限られますし、狙い通りのアングルを見つけ出すのが難しい分野だと思いますが、今回のゴールド賞のように、大胆に迫った作品をもっと狙っていただきたいと思っています。