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WEB部門 第57回キヤノンフォトコンテスト

WEB部門

ゴールド賞

『化粧』hira(兵庫県)
鏡に向かって化粧をしている女性とそれを見ている子供

受賞者の声

ゴールド賞受賞者近影

旅行先でじっと母を見る娘の姿に心が動き、シャッターを切りました。見返してみると普遍的な尊さを感じました。双子の娘が生まれ、妻の勧めで始めたカメラ。気づけば沼にハマり、今では日常をより豊かにしてくれるかけがえのないものとなっています。いろいろなことがあるけれど目の前の日常には変わらず美しい瞬間があり続ける。そう思わせてくれる写真と家族に感謝の気持ちが絶えません。励みになる受賞の機会を本当にありがとうございました。

講評:日常のひとときを写し止めたWEB部門ゴールド賞作品

  • 大和田
    今回WEB部門は、人をとらえたスナップや家族など身近な人を写した作品がたくさんありました。その中でゴールド賞の「化粧」は、いわゆる決定的瞬間をとらえたものでも笑顔を写したものでもなく、家族にしか見えない狭間の時間が写っているのがすごく印象的でした。淡い光の中で化粧をしている母親と、それを見つめる子どもの表情、そして、まだサイズの合っていない少し大きな子どもの浴衣。それらがすごくリアルで、淡いトーンが描き出す空気感も魅力的です。
  • 広川
    すごく美しいですよね。光もきれいだし、肌もきれい。いろいろな物語が想像できる写真だと思いました。
  • 渋谷
    フィルムライクな独特な色みがいいですよね。少し生々しさがある感じで。それに、親密性もあって、何も特別なことが起こっていないけど、とても美しい瞬間が切り撮られています。浴衣の青とピンクと少し黄色がかった壁のコンビネーションも美しいですね。
  • 広川
    余分な色がないですよね。
  • 渋谷
    はい、それで全部がいいバランスで調和しています。
  • 鍵井
    今回、全体を通してノスタルジックな作品が多かった印象なのですが、その中にはノスタルジックにしすぎという作品も少なくありませんでした。でも、この作品は、もしかしたら僕らの日常の延長線上にある時間のように思えて、嫌味がないですよね。
  • 澤田
    私が思ったのは、このように化粧しているところを撮るとき、普通は後ろから撮りたくなると思うんですよ。でも、これは横からというのがよかったですね。そうしたことで、全体の雰囲気というか、この独特な世界観が出来上がったのだと思います。
  • 水谷
    私は今、一つのテーマにしているのが、人のつながりや親子の情愛なんです。それが希薄になっている世の中だからこそ、絆や情愛が感じられるシーンを写したいと思っているんです。そういう意味で、この作品は、化粧している母親を見ている子どもの姿から親子の情愛が感じられます。少し青みがかった色合いもよく、とても美しい作品だと感じました。

シルバー賞

『だんだんと近づいていく。』熊谷 彩香(長野県)
窓際で向かい合って遊んでいる2人の子供
『邪気を食らう』平島 久嗣(徳島県)
獅子舞に向かってお祈りしている老人

ブロンズ賞

『生命いのちの質量』熊内 依志子(大阪府)
大きな葉の合間から見える女性
『うつら、うつら』平林 由記(兵庫県)
暖かそうなリビングでくつろぐ老人と猫
『オリオンと桜と雪山と』daichi.t(新潟県)
夜空と湖面に映って輝くオリオン座

佳作

『既視感のない街角』小林 達人(東京都)
鮮やかな赤い傘を差す女性と信号機
『早朝の海津大崎』Hasan Jakaria(大阪府)
朝焼けの海津大崎の桜
『後部座席パーティー』藤原 亮一(福井県)
車の後部座席でアイスを食べている子供たち
『線をひく』井浪 信太郎(埼玉県)
グラウンドで白線を引く人物
『S』佐藤 弘之(東京都)
S字カーブを疾走するスポーツカー