このページの本文へ

動体部門 第57回キヤノンフォトコンテスト

動体部門

ゴールド賞

『人馬一体』宇仁菅 節子(兵庫県)
スピード感あふれる馬術競技

受賞者の声

ゴールド賞受賞者近影

このたびは、栄えある賞をいただき誠にありがとうございます。初めて撮影する障害馬術、ただ馬の動きに合わせるだけでは思い描いたような画は作れず、どうすればいいか自問自答。そこで、騎手と馬をシンプルに浮かび上がらせるために、モノクロの流し撮りを選択。彼らの技術や信頼心、スピード感、美しさが表現できればと思い、組写真にしました。趣味の写真を始めた折から指導いただいている川村高弘先生はじめ諸先生方、クラブの仲間たち、いつもわがままを許してくれた家族に感謝です。

講評:モノクロとブレのよさを生かした動体部門ゴールド賞作品

  • 大和田
    動体部門ゴールド賞の「人馬一体」は、想像力をかき立てるモノクロの長所をうまく生かした作品です。モノクロにすることで作品が抽象化されますが、その中でいろいろな形やスピード感、トーンなどを想像することができ、面白い作品だと思いました。
  • 広川
    確かにモノクロのよさがありますね。色という余分な情報を削除して白と黒だけの世界にし、さらに、この作品は中間のグレートーンがあまりないのもよかったと思います。それぞれのブレ方もよく、背景の白とのバランスも絶妙でした。
  • 渋谷
    この作品を見たとき、僕はマリオ・ジャコメッリの写真を連想したんです。下の3枚だけでもよかったと思わなくもないですが、それでも写真的にすごくうまくて、見た瞬間に強く惹かれた好きな作品です。
  • 鍵井
    水中写真でも流し撮りをすることがありますが、その場合、被写体の動きをある程度予測してシャッターを切ります。きっと作者も乗馬の知識があり、馬の動きを予測して撮ったのでしょう。だからこそ、スローシャッターの表現が効果的に使われた作品に仕上がったのだと思います。
  • 澤田
    動体部門の作品ですが、少し離れてみると鉛筆画のようにも見えるところが面白いと感じました。また、プリントの用紙にもこだわりが感じられ、被写体とマッチした紙を選べていますね。動体部門だけど、ほかとは違う表現を狙った仕上がりに惹かれました。
  • 水谷
    スポーツ写真においてスピード感を表現するのは大切で、流し撮りという手法は実に有効な方法です。ただ、流し撮りでどのように写るかを完全に計算するのは難しく、偶然が生み出した傑作とも言えるでしょう。かつてのスポーツ写真は一瞬を写し止める作品が多かったのですが、最近はスローシャッターで被写体をぶらす手法が増え、そういう意味では、この作品も今らしい作品と言えます。きっと、今後はこういう表現がもっと増えるでしょう。

シルバー賞

『Silent』堀出 明広(三重県)
逆光のテニスコートでラケットを構える女性

ブロンズ賞

『一瞬の共演』佐々木 英樹(福井県)
湖に映った2両編成の電車
『IMPACT』関根 義寛(東京都)
グランドホッケーのシュートの瞬間
『翼を持つランナー』薄網 弘久(東京都)
競技用車椅子で疾走する人物

佳作

『夕刻のチェッカー目指して。』山下 正芳(東京都)
夕焼けをバックにジャンプしているバイク
『真夏日』安藤 宏幸(愛知県)
水をかぶって頭を冷やしている人物のアップ
『奥の手?』西村 忠員(滋賀県)
バスケットボールのゴール下で3本腕に見える人物
『Night Take off』茂木 孝幸(神奈川県)
夜の飛行場での飛行機の流し撮り
『攻める』松本 直己(奈良県)
スキーで滑走する人物