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自由部門 第56回キヤノンフォトコンテスト

自由部門

ゴールド賞

『輝きの中で』福田 圭介(佐賀県)

受賞者の声

このたびは、素晴らしい賞に選んでいただきありがとうございます。作品は九州でも名所となっている浜ノ浦の棚田です。陽が落ちる前、黄金に棚田が染まる時間帯の美しい輝きの中、農家さんの営みに心が動いた瞬間を切り撮ったお気に入りの一枚です。私は人の営みや光景をテーマとしているため、このような評価をいただけて本当にうれしいです。

講評:日本風景の美を伝える自由部門ゴールド賞作品

  • 中村
    自由部門ゴールド賞の「輝きの中で」は、見た瞬間に日本の風景は素晴らしいという気分にさせてくれる作品でした。まさに美しい日本の田園風景で、光を反射する田んぼが作り出す曲線美を生かして画面を構成しながら、そこに一人の農夫を入れたことが秀逸です。棚田の写真はたくさんありますが、人が写っているものは意外と少なく、その中で人を入れたことで、インパクトのある作品になったと思います。
  • 小林
    ここに人がいるということがとても重要ですよね。きっと、人がいなくても風景写真として成立していたと思いますが、そこに人がいるだけで、一枚の写真が語りかけてくるものが大きく変わってきます。本当にいい瞬間がとらえられていますね。
  • 田尾
    同じになってしまうのですが、ここに人がいることで写真がより魅力的になっています。しかも、ただ立っているだけではなく、動いている瞬間を写し止めたのもよかったと思います。そのため、田んぼに広がる波紋がすごく印象的になりました。
  • 齋藤
    僕は最初に見たとき、影絵のような印象を受けたんですよ。デザイン性が高く、黒と白のバランスが絶妙です。僕も車を走らせているとき、夕日などで輝いている棚田があると目を止めることがあるのですが、やはり、このような情景を撮ってみたい、見つけてみたいと思いますよね。
  • 岩木
    自由部門に限らず、今回の応募作品から感じたのは、やっぱりパンデミックの影響が出ているということでした。なかなか撮影に出掛けられないから、どうしてもバリエーションが少なくなってしまう。この作品は写真の王道のような作品で、目新しさは少ないものの、非常に質が高く、モノトーン調でありながら、目を引く瞬間が切り撮られています。おそらく、20〜30年前でも高く評価されていたと思いますが、そうした作品がゴールド賞になったのも、ある意味で今の時代を象徴していると感じました。

シルバー賞

『未来に向かって!』堀井 秀和(神奈川県)
『密やかな目覚め』青木 幸子(東京都)

ブロンズ賞

『滑り台』松下 英志(静岡県)
『七夕の日に』日浦 嘉孝(香川県)
『君に贈るペンダント』河田 和子(滋賀県)

佳作

『父と娘』丹羽 祥方(愛知県)
『糺の森』スズキ ヒデヒロ(愛知県)
『雪のお参り』錦織 宏(広島県)
『田植え』宇野 伸一(大阪府)
『雨後』大西 惠美子(大阪府)