動体部門 第56回キヤノンフォトコンテスト
動体部門
ゴールド賞
受賞者の声
このたびは、ゴールド賞をいただき誠にありがとうございます。まさかの二年連続入賞に驚いております。当初、競輪の知識はありませんでしたが興味本位で競輪場へ出掛け、白熱したレースと選手の表情を目の当たりにし、撮影の難しさも相まって競輪の世界に引き込まれました。競輪の奥深さを知り、撮影意欲も止まらず何度か通い、楽しみながら撮影した中の一枚です。このような評価をしてもらい、とても励みになりました。今後も楽しく追求しながら撮影を続けていきたいと思います。
講評:作者の発想が秀逸な動体部門ゴールド賞作品
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小林動体部門ゴールド賞の「夢をかける」は、まず、競輪選手が規則性を持って並んでいる画の面白さが目を引きました。スポーツ写真は、自分が思い描いた画を好きなように撮れるわけではなく、偶然性が多分に含まれるジャンルです。この作品も、選手たちがこのように並んでくれた瞬間をうまく切り撮り、ただ、それには競輪のことをある程度分かっていないと撮れないので、そうした知識も含め、素晴らしい一枚になっていると感じました。
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齋藤この作品を見たとき、「どうやって撮ったのだろう」と、すごく不思議に思ったんです。このように俯瞰で撮れる位置があるのか、でも、写真をひっくり返してみたら、普通に撮ったものを逆さまにしているだけなんですよね。ただ、そのアイデアが素晴らしく、そうした写真の見せ方をしたことによって、審査員の目を惹きつける強さを持ったのだと思います。
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田尾確かに、撮った写真をひっくり返すというアイデアは秀逸だと思います。選手が均等に並んでいるのも面白いですし、こうした見せ方をすることで、影が動いているようにも感じます。
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岩木タイトルもいいですね。「夢をかける」というタイトルに、いろんな意味がかかっているのではないでしょうか。そうした遊び心が感じられる、楽しい一枚になっていると思います。
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中村意表をついたアイデアが本当に面白いですよね。しかも、写真をひっくり返したことで、影の方に選手それぞれの個性が表れているようで、正像で見るより、はるかにユニークな作品になっています。また、弧を描いている黄色のラインも効いていて、これがあることで画面が締まっていますよね。だから、非常に計算され尽くした作品だと思うのですが、最初から逆さまにするつもりだったのでしょうか。
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齋藤プリントしたときに気づいたのではないですか?
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田尾でも、最初から影を主役にしようと考えていたとは思います。
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小林確かに影が上にあるから面白い作品になっているんですよね。
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齋藤どちらにしろ、トリックアートのような面白さがあり、「やられた感」のある作品ですね。