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アンダー30部門 第56回キヤノンフォトコンテスト

アンダー30部門

ゴールド賞

『相棒と夏』佐々木 優(東京都)

受賞者の声

ふと思い立ってバイクに跨り、静岡まで片道7時間の道のり。汗と砂塵に塗れ、日に焼けて痛痒い体。初めての経験に満身創痍でしたが、3年ぶりに見る打ち上げ花火には思わず感極まりました。これはその感動を写した一枚です。私にとっては大学生活最後の夏休み。この夏はもう二度と戻りません。きっと数十年後、私はこの夏を思い返して、その眩しき若さを懐古するのだと思います。今作は、そのような「若さ」を評価していただいたのだと思いました。ありがとうございました。

講評:独自の視点が光るアンダー30部門ゴールド賞

  • 田尾
    アンダー30部門のゴールド賞は「相棒と夏」という作品ですが、映画のワンシーンを切り撮ったようなステキな雰囲気に惹かれました。花火をメインにするのではなく、それを眺めている人の後ろ姿を主役にした狙いが素晴らしいです。
  • 小林
    最初に見たとき、ありそうで今までにない作品だと感じました。仕事中だったのか、バイクを降りて花火を眺めているという何げないシーンですが、いろいろな物語が想像できます。写真は、見る人が自由に想像を膨らませて物語をつくるのも楽しみ方の一つですが、この人物が何を思いながら花火を眺めているのかなど、さまざまなストーリーが浮かんできます。
  • 中村
    なんとなくよくありそうな情景ですが、そこをあえて切り撮って作品にするのは、意外と難しいものです。それをさりげないタッチで撮っているところが、この作品の最大の魅力ですね。思わずバイクを止めて花火を眺める人物と、その奥にも花火を見ている人たちがたくさんいる。ボケ具合がちょうどよく、花火を見ている人たちだけでなく、バイクまで花火に見入っているような不思議な一体感があります。
  • 齋藤
    この作品に惹かれたのは、広告写真としても通用するようなメッセージ力の強さです。同時に、フィルム時代だったら撮ることのできない、デジタルならではの表現だと思いました。このようなシーンは、きっと街中の至る所で見られると思いますが、普通なら花火を一生懸命に撮ると思うんです。でも、この作者は花火を脇役にして人の後ろ姿を狙っている。たった一枚でも豊かな物語が感じられる優れた作品になっています。
  • 岩木
    必ずしもパンフォーカスが正解ではないということを教えてくれる作品ですよね。「相棒と夏」というタイトルもおしゃれで、作品の雰囲気をより魅力的なものにしています。

シルバー賞

『夕暮れを彩る』塩野 和哉(群馬県)
『49年目の春』岡 優成(千葉県)

ブロンズ賞

『暗闇の道のり』のん(神奈川県)
『午後の差日』永山 航平(東京都)
『神の使い』今野 有紗(福井県)

佳作

『幽玄の桜』坂本 健太(埼玉県)
がんほう』森本 羽音(和歌山県)
『乱舞』山口 大貴(神奈川県)
『想い出』内田 啓貴(東京都)
『家族の光』村松 祐太郎(神奈川県)