このページの本文へ

おいしい料理写真が手に入る、撮影テクニックとライティング術

公開日:2026年7月29日

料理をおいしそうに見せたり、反対に料理本来の魅力を半減させてしまったり、料理写真の仕上がりを大きく左右するのが「光」です。そこで学んでおきたいのが、ライティング。ライティングで光を操れるようになると、いつでも料理をよりおいしそうに撮ることができます。今回は、料理写真を専門に撮影するフォトグラファー・髙田鴻平さんに、自宅でも再現できるライティングの基本を教えてもらいました。使用機材は、フルサイズミラーレスカメラ「EOS R6 Mark III」とRFレンズ。視覚だけで人の食欲に訴えかけるようなおいしい料理写真の撮り方、撮影ノウハウを、ふんだんに紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

髙田 鴻平

フォトグラファー 1994年生まれ、石川県出身、大阪府在住。大阪芸術大学写真学科卒業。在学中より仕事を開始し、卒業とともにフリーランスフォトグラファーに。料理写真を中心に活動している。性格としゃべり方はのんびりしているが、関心がある分野にはクセが強い生粋のオタク気質。今も昔も料理を撮ることに夢中。

少しの手間でおいしい表現が手に入る、ライティングのススメ

「自分にとって夢中になれること、そして誰かの役に立てることが料理を撮ることでした。料理を撮っていて一番楽しいと感じるのが、思い描いていた通りの写真が撮れたとき。おいしそうな料理写真を撮るためのノウハウはさまざまありますが、天候や時間帯を気にせず手に入れたい表現へと導いてくれるのが、ライティングです。僕自身、自宅で夜に撮影することが多いのですが、セッティングさえ覚えてしまえば好みの光をいつでも再現できるようになります。ライティングをするには必要な機材も増えますし、何から手をつけたらいいのかわからないことも多いかもしれません。でも、少しの手間をかけた分だけ選択肢が増え、自分が撮りたかったものを表現できるようになっていきます。まずは、料理写真のライティングは、“半逆光”が基本。写真に立体感が出て、よりおいしそうに写ることを覚えておいてください」。

1.おいしそうな定食写真は、“視線誘導”をどこまでも意識

カメラ:EOS R6 Mark III レンズ:RF24-105mm F4 L IS USM 焦点距離:85mm F値:f/5.6 シャッタースピード:1/200秒 ISO:400

自宅で、自然光のない夜の時間帯に撮影しています。ご飯と汁物、おかずを基本とする定食の撮影では、全体を写すと記録写真のような印象になってしまいがちです。そのためおいしそうに見せるには、メインとなる料理をしっかり引き立てることがポイントになります。この写真ではとくにお肉のしっとり感を見せたかったので、ご飯と味噌汁は過度にならない程度で前ボケにして、見る人の視線を主題へと誘導できるようにしました。また、お肉を箸で持ち上げているのは、業界で「箸上げ」と呼ばれている撮影手法。主題をより引き立てシズル感が増す、オススメの手法です。

撮影のポイント

  • 見せたいポイント=主題を明確にする
  • 箸上げすることで主題をより引き立てシズル感を演出
  • ご飯と味噌汁はF5.6で前ボケにし、視線を主題へと誘導する
  • ご飯と味噌汁はあえて見切れるように配置し、より主題にフォーカス
  • ピントは主題に合わせる

ライティングのポイント

  • LEDライト一灯を、被写体に対して半逆光になるテーブルの真横にセッティング
  • テーブルの上の料理もできるだけライト側に近づけ、影がしっかり伸びるようにする
  • ディフューザー代わりにレースのカーテンを用いて光をやわらげ、自然光を演出

2.印象的なドリンク写真は、“綿密さ”で作り上げる

カメラ:EOS R6 Mark III レンズ:RF50mm F1.8 STM 焦点距離:50mm F値:f/2.8 シャッタースピード:1/200秒 ISO:100 

グラスの中で、抹茶と牛乳が混ざり合う様子にフォーカスした一枚。白い牛乳、注いでいる抹茶、抹茶と牛乳が作り出すグラデーション、グラスについた結露など。見せ場がいろいろある中で、それらを一つの被写体としてどう引き立たせていくのかは、セッティングからライティング、ピント位置、構図、露出まで、それぞれの最適解をどれだけ綿密に組み合わせられるかにかかっています。被写体がより美しく見えるにはどうしたらいいのかを起点に、一つひとつ調整しながら組み立て、撮影していきます。

撮影のポイント

  • 暗い背景紙を用いて全体を暗いトーンでまとめ、主題となる白い牛乳を引き立たせる
  • 水平垂直を意識して構図を整えることで格式高く
  • あえてテーブルの端を入れて、滑らかなグラデーションを引き立てる
  • 抹茶は高い位置から、玉になるよう少しずつ注いで美しく
  • 氷による結露も一つの演出とし、ピントはグラスの表面に合わせる
  • 手前の植物と後ろの椅子をボケさせ、被写体へと視線を誘導

ライティングのポイント

  • ストロボ一灯を、被写体に対して半逆光になるよう配置
  • レースのカーテン(2枚)をディフューザー代わりに用い、全体を照らす光を柔らかくする
  • ドリンクには光が直接当たるようカーテンとカーテンの間に隙間を開けて、主題は明るく起こす
  • 主題の陰影が強くならないようレフ板を左側に配置し、光を回す
  • 目立ってほしくない手前の植物にはストロボの光があまり届かないようにし、やや暗いトーンにまとめる

3.躍動感のある一枚は、ライティングが影の立役者に

カメラ:EOS R6 Mark III レンズ:RF100mm F2.8 L MACRO IS USM 焦点距離:100mm F値:f/4 シャッタースピード:1/200秒 ISO:200 

グラスに注いだ瞬間の、まるで躍るようなドリンクの一瞬の動きを切り取った一枚。被写体の動きを止めて撮影するには、それだけ明るさが必要になります。そのためLEDライトではなく、シャッターを切った瞬間だけ強く光るストロボが最適。この写真は夜の室内で撮影していますが、ストロボにすることで、シャッタースピード1/200秒でもドリンクがバッチリ止まります。

撮影のポイント

  • グラスは必ずきれいに磨く
  • 「スポット1点AF」でグラスの表面にピントを固定
  • 絞りをF4.0にし、ドリンクだけに視線を誘導
  • 納得のいく一枚が手に入るまで、根気よく撮影を繰り返す。都度、グラスは磨くこと!

ライティングのポイント

  • グラス用と背景用にストロボは二灯使い
  • グラス用のストロボはソフトボックスを用い、柔らかい光を半逆光で当てる
  • 背景用にもう一灯用いることで背景も明るくし、さわやかな日中のイメージに

おいしい料理写真の撮影にも最適な、EOS R6 Mark IIIとRFレンズ

料理写真におけるEOS R6 Mark IIIの魅力「信頼を置ける色」

料理の撮影では、パンや麺、お茶、テーブルの木目など、イエローやオレンジベースの色が多いです。そのためイエローやオレンジベースの表現がとくに大切になってくるのですが、キヤノンのカメラはこれらの色味がとてもきれいで、ほぼ修正しないこともあります。一方で、とくに人物の手を入れこむような写真において、料理写真は繊細な色編集が必要になります。その編集においても、キヤノンの色はとても心強い。普段、ライティングとRAW現像で追い込んでいますが、ベースとなる色がしっかりしているので、調整がとてもしやすいです。RAW現像において、R6 Mark IIIはより繊細に色の補正ができると感じました。驚くくらいハイライト部にしっかり色が残っています。

一人での撮影をサポートする使い勝手の良さ

バリアングル液晶モニター

料理写真の撮影において、シーンを連想するような動きを取り入れたり、人物の手を入れたりすることがよくありますが、一人で行う場合は、ファインダーを覗いて撮ることはできません。その点、EOS R6 Mark IIIに搭載されるバリアングル液晶モニターは、とても便利です。また、EOS R6 Mark IIIは驚くほどAFが速いです。姿勢を維持する時間が短縮されたり、シーンを取り入れた撮影において一瞬を的確に捉えたり、料理写真においてもAF速度は速いに越したことはありません。速いAF速度によって、ストレスなく撮影できます。

料理撮影にオススメのレンズ

RF50mm F1.8 STM

RF50mm F1.8 STMは大口径でありながら、片手で撮影できるほどの軽さ。どんなにいいレンズでも、毎回取り扱いに苦労するようでは撮影自体からも離れてしまいがちです。コンパクトで軽いレンズは、撮影のハードルを下げてくれる本当に貴重なレンズ。たくさんの思い出を、ぜひこのレンズで残してほしいです。

RF100mm F2.8 L MACRO IS USM

食材のディテールや小さなものを撮る際にとても重宝します。また、手ブレ補正が優秀なのもポイントが高い。通常、100mmで寄るとかなり手ブレしやすいのですが、このレンズは手持ちでも気にならず撮影できます。

  • この記事はGENICとのタイアップ記事です。

関連リンク

CC741BE97CC645C581AFA992522EB0D9
おいしい料理写真が手に入る、撮影テクニックとライティング術
https://personal.canon.jp/articles/tips/r6mk3-tablephoto
2
https://personal.canon.jp/-/media/Project/Canon/CanonJP/Personal/articles/tips/r6mk3-tablephoto/image/r6mk3-tablephoto-720x444.jpg?sc_lang=ja-JP&hash=E07932307B56D9CDD08439D8CA682E12
2026-07-29
eos%20r6%20mark%20iii