Vlog入門|EOS R50 Vで透明感のある風景動画を撮る6つのポイント
公開日:2026年4月30日
身近な風景を透明感ある作品として表現する、写真家/フォトグラファーの櫻子さんが、透明感のある風景動画の描き方を紹介します。使用機材は、色づくりの楽しさが広がる「EOS R50 V」。コンパクトなボディーのEOS R50 Vと一緒に、日常の何気ない風景を少しドラマチックに切り取って、一つの物語のように残してみませんか。ぜひ参考にしてください。
PROFILE
日常の風景を一つの物語のように
日常の風景動画を撮るときは、「特別なものを撮らなければ」と思わなくて大丈夫です。何気ないシーンの中にも、動画にすると魅力的に見える瞬間がたくさんあります。ちょっとした動きにも目を向けるのがポイントです。写真は一瞬を切り取る表現ですが、動画は被写体のもつ動きそのものが魅力になります。
私は編集のときは、1カットの長さを2秒以内に短くすること、再生速度を0.5〜0.75倍のスローにすることを意識しています。リズムを出しながら、動きをゆっくり見せることで、雰囲気や空気感をより伝えやすくなるからです。
複数のカットを撮ってつなげ、さらに音楽を合わせることで、日常の風景も一つの物語のように仕上がります。動画ならではの楽しみ方として、取り入れてみてください。
1.カラーフィルターで思い描く色に近づける
EOS R50 Vには、カメラ内で理想の色味に近づける「カラーフィルター」機能があります。全14種類のフィルターが用意されており、写真だけでなく動画用のLUTとしても使えるのが特長です。
今回選んだのは、コントラストを抑えつつ暗部を明るくし、全体に淡い青みを加えてくれる「ClearLightBlue」。適用することで、柔らかく透明感のある画になり、春のパステルカラーの景色とも好相性です。カラーフィルターは、適用した状態を見ながら撮影できるので、仕上がりイメージを想像しやすいのも嬉しいポイント。
LUT(ルックアップテーブル)とは
映像の色やコントラストを変換し、最終の見た目/仕上げ状態に近いスタイルを再現できるプリセットのこと。カメラ内でLUTを適用して記録することで、編集工程でのカラーグレーディング作業を省くことができ、公開までのスピードが求められるSNS動画の撮影時などに有効です。
2.主人公を決める
写真でも動画でも、まずは主人公を決めることから始めます。どこを見せたいのかがはっきりすると、映像全体がまとまりやすくなります。風景撮影の場合は、実際に現場に行ってから、形や色が印象的でパッと目を引くものを探すことが多いです。動画では、さらに「動き」にも注目。風に揺れる草花や、光のきらめきなど、少しでも綺麗だと感じた瞬間を逃さないようにします。動きがない場合は、カメラ自体をゆっくり動かし、意図的に動きをつくることもあります。
今回の主人公は、人物。旅先で静かに心が反応するような“旅情”も表現したかったので、モデルに景色の中を歩いてもらいながら撮影しました。白いワンピースにトランクと傘を合わせ、印象派の絵画のような雰囲気を演出しています。
3.近づいて大きな前ボケをつくる
春らしい柔らかな空気感を表現するために、前ボケをつくります。ぼかしたいものに近づけば近づくほど、大きくボケるため、近くまで寄ることのできる(=最短撮影距離が短い)レンズを選びます。RF35mm F1.8 MACRO IS STMは、最短約17cmまで近づいて撮影でき、手ブレ補正も搭載されているため、手持ちでも安定して撮影できる、風景撮影におすすめの1本です。
前ボケの奥に咲く花の中から、主役となる1本を決めピントを合わせます。ピントはマニュアルフォーカス(MF)で調整すると、狙った位置に、より正確に合わせられます。
撮影手順
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最短焦点距離の短いレンズを選ぶ
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前ボケさせるものにレンズをぐっと近づける
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マニュアルフォーカスに設定し、主役となる被写体にピントを合わせる
4.背景ボケを取り入れ、被写体を際立たせる
美しく咲く桜の魅力を引き出すために、F値の小さいレンズを使い、最も小さい数値(=開放F値)に設定し、背景にボケをつくります。背景をぼかすことで、主役においた花の存在感が際立ち、奥行きのある映像になります。花の状態が良い部分を選ぶように意識して。さらに、カメラをやさしく動かすことで、映像に自然な動きをつけました。
撮影手順
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F値の小さいレンズを選ぶ
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開放F値に設定して背景にボケをつくる
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カメラをやさしく動かし、自然な動きを加える
5.動く人物を、安定した画で捉える
人物が歩いているシーンは、カメラのブレによる動きが出ないよう、一脚や三脚を使ってカメラをしっかり固定して撮影を。人物だけでなく周囲の風景も程よく入るよう、焦点距離を調整します。状況に応じて画角を変えられるズームレンズが便利です。RF-S55-210mm F5-7.1 IS STMは、88mm~336mm(35mm判換算)の望遠域をカバーする望遠ズームレンズ。小型軽量で、旅先にも持っていきやすいサイズです。
画角を決めたら、モデルに画面の端から端までゆっくりと歩いてもらいます。少し長めに撮影しておくと、編集の自由度が高まります。
撮影手順
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カメラを一脚または三脚で固定する
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人物と風景のバランスを見ながら、焦点距離を調整する
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モデルにゆっくりと歩いてもらう
6.画面タッチでピントの変化をつける
ピントの変化を取り入れて、映像にバリエーションを加えます。フォーカスはオートフォーカス(AF)に設定。最初はあえて、映したい被写体(鉄塔)にピントが合っていない状態からスタートし、途中で画面タッチで、鉄塔にピントを合わせます。手前と奥でピントを切り替えることで、空間の広がりを表現しました。ひと手間加えるだけで、映像の見え方がぐっと変わります。
撮影手順
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オートフォーカスに設定
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あえてピントを外した状態から撮影を始める
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途中で画面をタッチして被写体にピントを合わせる
EOS R50 Vで風景動画を撮る魅力

カラーフィルターやピクチャースタイル、ホワイトバランスなど複数のカラーモードが用意されているEOS R50 Vは、動画撮影において大きな魅力を感じました。カラーモードは単体でも十分に好みの色味に仕上げることができますが、組み合わせることで、より理想の色を追求することができます。
今回使用したのは、カラーフィルターの「ClearLightBlue」。色味を抑えながらフィルムライクでエモーショナルな色味に仕上げられるところがお気に入りです。すっきりとした青空と、彩度を抑えた黄色やピンクの花の組み合わせで、自分好みの柔らかなトーンに仕上がりました。
日常の中で見つけた瞬間に、ボケやピント変化といった少しの工夫を加えることで、よりストーリー性のある映像になります。まずは身近な風景の中で「動き」を見つけながら、お散歩を楽しむような感覚で気軽に撮ってみてください。
モデル:Rira
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