#10 写真家 吉田亮人
公開日:2023年5月9日
蓄積されていく膨大な記憶。数え切れない写真が記憶を断片的につないでいく。
画面で見る写真はまだ、浮遊する記憶のカケラ。
今の時代、その中で写真を完成させることはできる。だが「完成品」ではない。
記憶のカケラを丹念に蘇らせ、プリントという物質へと導く。
これにより記憶は定着する。写真は初めて完成品になる。
PROFILE
1980年宮崎県生まれ。京都市在住。滋賀大学教育学部卒業後、タイで日本語教師として1年間勤務。帰国後小学校教員として6年間勤務。2010年より写真家として活動開始。広告や雑誌を中心に活動しながら作品制作を行い、国内外で高く評価される。写真集に「Brick Yard」「Tannery」(以上、私家版)、「THE ABSENCE OF TWO」(青幻舎・Editions Xavier Barral)、「しゃにむに写真家」(亜紀書房)、「The Dialogue of Two」(Three Books/RPS)、「The Screw」(Three Books)がある。「The Dialogue of Two」は第47回木村伊兵衛写真賞およびスイスのImages Vevey Book Awardにノミネートされる。日経ナショナルジオグラフィック 写真賞2015・ピープル部門最優秀賞など受賞多数。