技術解説④|キヤノンのビデオフォーマット
公開日:2025年7月31日
新フォーマット、XF-HEVC S/XF-AVC S
XF-HEVC S/XF-AVC Sは、それぞれH.265/HEVCとMPEG-4 AVC/H.264を拡張したキヤノン独自の収録フォーマットです。画質を維持しながら、高いデータ圧縮率を実現しています。
EOS R5 Mark IIから新たに採用された収録用のフォーマットで、これまで放送・業務向けに使用されてきたビデオフォーマットであるXF-HEVC/XF-AVCの良さであるメタデータを踏襲し、かつ、どんなデバイスでも表示が容易なMP4ファイル形式を採用した、キヤノン独自の新フォーマットです。
従来のMP4フォーマットは、DCF準拠である数字4桁のファイル名であったのに対し、XF-HEVC S/XF-AVC Sでは新たにファイル名を変更し、カメラインデックス、リール番号、撮影日時等が表示可能になりました。
これにより、クリップ番号のほかにカメラ番号やリール番号を独立して管理することが可能となり、カメラを多数使用する大規模撮影現場や長編テレビシリーズのような大量に撮影クリップを運用する撮影現場にも対応可能です。
管理しやすいフォルダ構成の XF-HEVC S/XF-AVC Sでは、従来のMP4フォーマットからフォルダ構成を変更し、Cinema RAW Light、XF-AVCと同一構成のフォルダに動画ファイルを保存することが可能で、これによりどのビデオフォーマットを用いても同一フォルダ構成となり、撮影・編集における動画ファイル管理の効率化を実現しています。