アンダー30部門 第50回キヤノンフォトコンテスト
アンダー30部門
ゴールド賞
受賞者の声
祖母を亡くした祖父の横顔から感じるもの
このたびは、このような素晴らしい賞に選んでいただき、誠に光栄です。ありがとうございます。私の祖母は10年前に亡くなり、残された祖父はほとんどの時間をひとり家の中で過ごしてきました。そんな祖父の横顔は時々、何かを思い出しているかのように見えることがあります。時の流れは人の悲しみを癒してくれますが、同時に、その流れの中で曖昧になっていく記憶や、失われてしまう気持ちもあるのでは、と思い、写しました。
講評:祖父の孤独な姿を力強く撮影したアンダー30のゴールド賞
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古賀「祖父、ひとり」をゴールド賞に選びました。その理由は、想像なんですけれど、この方の奥さんが亡くなられて、そのあとの寂しさとか、心が虚ろであったりとか、残された家で物思いにふけっているというストーリーが、きちんと撮る人の中にあって、それが写真に出ている。左の2点の写真がとくに素晴らしい。
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公文20歳の若さで、とても難しいテーマにチャレンジしたと思います。人生の大きな節目とどう向き合うかだけでも大変なのに、よく撮ったと思います。僕も左端の写真がすごくいいな、と思っています。
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古賀左の2点だけでもいいですね。
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公文田舎の家の強さ、脈々と受け継がれていく意志みたいなものが、この背景にバーンと表れている。座敷にぽつんと一人で座っているおじいさん。非常に強い写真ですよね。
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古賀プリントも丁寧だし、右の2点をもっと精査すれば、グランプリも狙えたかもしれません。
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公文アンダー30は、今回から始まった30歳以下の部門なので、若い作品がもっとあるかと思ったのですが、意外と渋い、すごく頭で考えて撮っている人が多かったですね。
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古賀そうですね。写真って可能性がいっぱいあるので、もっと自由というか、型から外れた作品も見たかった。その中でも、シルバー賞の「とある惑星」は面白かった(笑)。
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公文シルバー賞の「やさしい旅路」は、インドの旅行でしょうか。電車に乗って出会った人たちを、明るくストレートに撮っているのがいい。
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古賀写真って本当に可能性がたくさんあるし、自由だから、今までの写真の常識にとらわれず好きなように撮って、楽しんでいる写真が出てきたらいいなと思いました。