私の愛すべきもの #02 暮らし 写真・鈴木 さや香
公開日:2020年7月9日
〝暮らし〟は、私のまんなか。
そこからすべてが始まり、
また戻っていく。
ていねいに暮らすことは、
自分を大切にすること。
もう多くはいらない。
大切なものに囲まれて、
心地よく暮らしたい。
自分が満たされていなければ、
誰かを大切にすることもできないから。
おしゃれなカフェに行きたい。
新作コスメを試したい。
あれもこれも、求めていた日々。
膨らんでいくのは、私の外側ばかり。
まんなかが定まらないうちは、
大切なものにも気づけない。
新しいものに
飛びつくのではなく。
そこに
ずっとあったものを
見直してみる。
自分にとって
大切なものがじわり
浮かび上がってくる。
大切なものを大切にすること。
忙しい日々の中、
カンタンなようで難しい。
そんなときは、
カメラを手にしてみるといい。
ファインダーをのぞく時間は、
相手と一対一で
じっくり向き合う時間だ。
なぜ大切なのか。
どこが好きなのか。
自分の心と
会話してみる。
好きではなかった
デザインも、
使っているうちに
愛着が湧いていたり。
フルサイズが
教えてくれたのは、
いつもの景色の
新しい魅力。
大切なものに囲まれて
過ごす日々は幸せだ。
〝自分の大切〟だけじゃなく、
〝誰かの大切〟も、
同じように大切に思えたら
もっと素敵だ。
誰かを愛すると
いうことは
その人が
愛するものまで
愛するということ。
そうやって
私の〝大切〟は
深く大きく
なっていく。
- 鈴木 さや香Sayaka Suzuki
- 東京造形大学建築造形学部デザイン学科卒業。映像制作会社で映像制作、編集を学び、その後写真家山岸伸に師事。被写体の持つ温度を表現しながら、日常から広告まで幅広く被写体と向き合う。子どもを起用した広告写真、フォトエッセイなどを撮影執筆し活動中。大手写真館や、企業、自治体からの講演依頼も多い。著作、写真展多数。鎌倉観光協会×EOS M100 町フォトエッセイ「かまくらかたおもい」公開中。写真と暮らし研究所代表。