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私の愛すべきもの  #01 時間 写真・鶴巻 育子

私の愛すべきもの #01 時間 写真・鶴巻 育子

大人になると、知らないことより
知っていることのほうが
多くなっていく。
だからこそ、
まだ見たことのない景色や
新しい価値感に出逢えるとうれしい。
私が旅を好きなのは、
旅がたくさんの初めてをくれるから。
それは、私が大きく成長するために
欠かせない〝時間〟だ。

EOS RP IMPRESSION MOVIE VOICE 鶴巻 育子 #クロアチア

1 旅は、濃度。

もちろん
定番の場所も押さえたい。

まだあまり知られていない場所に出かけたい。
人気の場所では物足りない、というわけではない。
よく知らない場所のほうが、
たくさんの初めてに出逢えそうだから。

キレイな景色は
素直にうれしい。

でも、
定番だけでは満足できない。

ガイドブックにない
素敵な景色を
見つけると
もっとうれしい。

自分の目で、耳で、足で。
一つでも多くのものを
〝私アンテナ〟で受けとめたい。

2 郷に入りては、郷を楽しめ。

相手を知ることは、
自分を知ること。

街に少し慣れてきたら、
地元の人と触れ合いたい。
彼らと同じものを見て、
同じものを食べて
この国の人たちが
大切にしているものが
何かを知りたい。

自分と異なる考えを
排除してしまうのは
もったいない。

薦められた品は
躊躇なくオーダー。
口に合わない料理こそ
強烈な記憶となる。

違いを受け入れることで
自分が豊かになるのだから。

4 私だけのおみやげ。

だんだん
自分のスタイルが定まってきた。

旅に出ると、とにかく写真を撮りたくなる。
それは、お店では買うことのできない、
私だけのおみやげだから。
あちこちに潜む宝物を、
たくさん見つけて持って帰ろう。

今の私が撮る写真は
昔とは違っているはずだ。

写真は料理と似ている。
シンプルに仕上げるか。
アレンジを加えるか。

素敵な素材を見つけたら
調理法を考える。
そんな時間も
たまらなく楽しい。

私の想いに
応えてくれるのは
フルサイズ。

撮ってみよう。
今の私に
ふさわしいカメラで。

PROFILE

鶴巻 育子Ikuko Tsurumaki
1972年東京生まれ。広告代理店在職中に写真を学び始め、カメラマンアシスタントを経て独立。現在、広告撮影、写真雑誌の執筆、講師など幅広く活動。世界のさまざまな街や人々を撮影し精力的に発表している。2013~2015年までBS朝日〝ニッポン絶景街道~女流写真家が写す絶世の1枚~〟に出演。主な写真展に、2018年〝THE BUS〟、2017年アルファロメオ企画展 La meccanica della emozioniの他、個展・グループ展多数開催。

EOS RP IMPRESSION MOVIE VOICE

  • #02 暮らし 写真・鈴木 さや香
  • #03 今 写真・小澤 太一
  • #04 空気 写真・榎並 悦子
  • #05 ファンタジー 写真・鵜川 真由子
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#01 時間 写真・鶴巻 育子
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2020-07-09