私の愛すべきもの #01 時間 写真・鶴巻 育子
公開日:2020年7月9日


もちろん
定番の場所も押さえたい。
まだあまり知られていない場所に出かけたい。
人気の場所では物足りない、というわけではない。
よく知らない場所のほうが、
たくさんの初めてに出逢えそうだから。

キレイな景色は
素直にうれしい。

でも、
定番だけでは満足できない。
ガイドブックにない
素敵な景色を
見つけると
もっとうれしい。

自分の目で、耳で、足で。
一つでも多くのものを
〝私アンテナ〟で受けとめたい。


相手を知ることは、
自分を知ること。
街に少し慣れてきたら、
地元の人と触れ合いたい。
彼らと同じものを見て、
同じものを食べて
この国の人たちが
大切にしているものが
何かを知りたい。

自分と異なる考えを
排除してしまうのは
もったいない。
薦められた品は
躊躇なくオーダー。
口に合わない料理こそ
強烈な記憶となる。



違いを受け入れることで
自分が豊かになるのだから。
最近、古いものに惹かれる。
若い頃はなんとも思わなかったのに。
好みが変わっていくのは面白い。
そのきっかけを与えてくれるのも
旅だったりする。

変わっていく強さ。
私が生まれる前も
いなくなった後も
ずっとそこにある。

積み重なった時間が
愛おしい。

時間とか
形のないものは
写真に写るのだろうか。

変わらない強さ。

だんだん
自分のスタイルが定まってきた。
旅に出ると、とにかく写真を撮りたくなる。
それは、お店では買うことのできない、
私だけのおみやげだから。
あちこちに潜む宝物を、
たくさん見つけて持って帰ろう。

今の私が撮る写真は
昔とは違っているはずだ。
写真は料理と似ている。
シンプルに仕上げるか。
アレンジを加えるか。

素敵な素材を見つけたら
調理法を考える。
そんな時間も
たまらなく楽しい。

私の想いに
応えてくれるのは
フルサイズ。

撮ってみよう。
今の私に
ふさわしいカメラで。