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表現力 EOS R1

HDR

HDR PQ(HEIF)

CMOSセンサーが捉えた豊富な情報を活かし、肉眼で見たようにリアルな画像を生成できるHDR PQ※1撮影。オートライティングオプティマイザ※2との同時設定が可能で、暗部の階調を自動的に補正。特に逆光時で被写体が暗く見えるような場面でも、自然な明るさに近づけます。また、高輝度側・階調優先の同時設定も可能。これらの機能を組み合せることで、いっそう階調豊かな画像を得ることができます。

  • ※1
    Perceptual Quantization。緻密な階調、広い色域で人間の視覚に沿った画作りを行うガンマカーブのことを指します。HDR PQ撮影は、ITU-R BT.2100が定義するPQ規格に準拠したHDR画像を記録します。
  • ※2
    顔ライティング補正は設定できません。

[10bit HEIF記録]

HDR PQで撮影した画像は、10bitのHEIF形式で保存されます。HEIF画像は、HDR対応ディスプレイにHDMI出力することにより、本来の階調で再生・鑑賞できます。

  • 現像後の画像を格納するファイルコンテナ。JPEGのYCbCr 4:2:2 8bitに対して、YCbCr 4:2:2 10bitでHEVC圧縮されます。

[RAW→HEIF現像/HEIF→JPEG変換]

RAW/C-RAWで記録した画像を、カメラ内でHEIF画像に現像することが可能。このときもオートライティングオプティマイザ※1が設定できるほか、ニューラルネットワークノイズ低減※2も設定できます。またHEIF→JPEG変換※3にも対応。HDR対応ディスプレイで表示した時と、印象が近いJPEG画像が得られます※4

  • ※1
    顔ライティング補正は設定できません。
  • ※2
    高感度撮影時のノイズ低減が[しない]以外の時に設定可能。
  • ※3
    カメラ内アップスケーリング画像、リサイズ画像、トリミング画像、およびHDR PQ動画からフレーム切り出しされたHEIF画像は変換できません。
  • ※4
    シーンによっては、元画像と変換した画像を比べた時に、印象が異なることがあります。

深度合成

深度合成/フォーカスブラケット撮影

フォーカスブラケット撮影後にDigital Photo Professionalでの合成処理が必要だった深度合成。EOS R1では、カメラ内で深度合成画像の生成が可能。風景写真などフィールドで、PCがない環境でも、絞りを絞らずに手前から奥までピントの合った高精細な画像を手軽に生成できます。

[フォーカスブラケット撮影]

1回のレリーズで、カメラが自動的にピント位置を変えながら連続撮影します。設定可能枚数は2〜999枚。ステップ幅は10段階から選択可能。深度合成を行うことで、手前から奥までくっきりした画像が生成できます。被写界深度が浅くなりやすいマクロ撮影や、絞り込みすぎて画質の低下が気になるシーンなどで有効です。

  • 設定可能枚数は2〜999枚、ステップ幅は10段階。

[カメラ内で深度合成が可能]

フォーカスブラケット撮影の設定時、深度合成を[する]に設定することでカメラが自動的に合成処理を行います。さらに、合成処理の画像位置合わせ時に画角が不足していたときに、不足した画角をカットするように画像をクロップできる深度合成トリミングの設定が可能です。また、素材として撮影した画像も保存されるため、Digital Photo Professionalで合成し直すこともできます。

  • フォーカスブラケット撮影時は、シャッター方式が電子シャッターに固定されます。また、ピクチャースタイルが[オート]のときは[スタンダード]で撮影されます。シャッタースピード、絞り数値、ISO感度、ピクチャースタイル、ホワイトバランスは撮影1枚目の設定で固定されます。シャッタースピードは最高約1/8000秒となります。詳しくは「【ミラーレスカメラ】フォーカスブラケット撮影に対応したレンズ(EOS Rシリーズ)」をご確認ください。

ホワイトバランス

進化した高精度オートホワイトバランス

AEの細分化やディープラーニング技術による検出性能、新アルゴリズムによりオートホワイトバランスの精度が向上。露出やホワイトバランスをカメラまかせにできるシーンが拡大しました。画面内に人肌/空/緑色の植物(草葉芝)が含まれるシーンを撮影した際に、適正な色味になるように調整。さまざまな被写体と条件で、高い精度を発揮します。

ピクチャースタイル

ピクチャースタイル

さまざまな画作りを手軽に実現するピクチャースタイル。静止画、動画ともに適用でき、イメージに合った仕上がりが後処理なしで得られます。各ピクチャースタイルはシャープネス(強さ/細かさ/しきい値)※1、コントラスト、色の濃さや色あいなどのパラメーター※2を調整でき、意図に合わせた設定が可能です。

  • ※1
    シャープネスの[細かさ][しきい値]は動画撮影には反映されません。
  • ※2
    調整可能な項目はピクチャースタイルによって異なります。

[搭載ピクチャースタイル]

オート、スタンダード、ポートレート、風景、ディテール重視、ニュートラル、忠実設定、モノクロ、ユーザー設定1〜3から選択できます。

明瞭度

エッジ周辺のコントラスト調整ができる明瞭度

画像全体の白トビや黒つぶれを抑制したまま、画像エッジ部のコントラストが調整可能です。たとえば、遠景をくっきりさせる、人物をソフトに表現するなど、繊細な画像仕上げができます。白トビや黒つぶれが気になるシーンでもメリハリ感を調整できます。

多重露出

多重露出撮影

EOS R1は、すべてのレンズで多重露出撮影が可能です。また、レンズ光学補正、オートライティングオプティマイザ、明瞭度、高輝度側・階調優先、1枚撮影後のピクチャースタイル変更やISO感度変更にも対応。重ね合わせる素材としての画像にも高画質を追求できます。重ね合わせが可能な枚数は2~9枚。[機能・操作優先][連続撮影優先]の2モードを搭載しています。

[機能・操作優先]

撮影途中にメニューやAFモード、ドライブモードなど、撮影機能の切り替えが可能です。画像を重ねるたびに結果を液晶モニターで確認できるほか、思い通りの結果になるまで撮影をやり直すこともできます。また、重ね合わせ用に撮影した全画像を保存できます。

[連続撮影優先

高速連続撮影した被写体を1枚の画像に重ね合わせます。スポーツや動物などの撮影に効果的です。

  • 撮影途中に「メニュー画面の表示」「撮影直後の画像確認」「画像再生」「撮影のやり直し」はできません。
  • 連続撮影時は、設定枚数撮影後、自動停止します。
  • 撮影画像は多重露出画像のみ保存されます。

多重露出制御

重ね合わせ方を4種類から選べます。さまざまな被写体やテーマに対応することが可能です。

[加算]

設定した露光量をそのまま加算。各画像の明るさが多重画像に反映できます。

[加算平均]

各画像の明るさを平均化して重ね合わせ。さらに、仕上がりが標準露出になるよう自動調整を行います。

[比較(明)]

画像を比較し、より明るい部分を優先して合成します。背景と被写体の明暗差を利用し、切り抜き合成のような効果を得ることも可能です。

[比較(暗)]

画像を比較し、より暗い部分を優先して合成します。黒い被写体やシルエットに明るい画像が重ならず、引き締まったシャドーが得られます。

その他の機能

輝度モアレや偽色を抑制するGDローパスフィルター

光を正確にサンプリングするために重要な働きをするのがローパスフィルターです。EOS R1では16点分離を行う新開発のGDローパスフィルターを搭載。輝度モアレや偽色を抑制しつつ、高い解像感のバランスをハイレベルで実現しています。

  • Gaussian Distribution

[GDローパスフィルター]

イメージセンサーには、画素ピッチより細かい高周波数の成分のデータを得られないという、サンプリング上の基本原理があります。それを超える高周波数の成分がノイズとなって、本来のデータをひずませた結果が偽解像です。このノイズは本来のデータと区別ができないため、デジタル処理での除去が困難です。そこでサンプリング前での対策=ローパスフィルターが不可欠となります。画像処理や電気信号処理の分野において、広く用いられるローパスフィルターがガウスフィルターです。GDローパスフィルターは、その特性を光学的に再現したもの。MTF形状において光の中心に重みのあるガウスカーブを再現することで、解像感の高さとモアレの低減を最適なバランスで実現します。