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AF性能 EOS R1

次世代AF

次世代AF、デュアルピクセル Intelligent AF

デュアルピクセルIntelligent AF

デュアルピクセルCMOS AFが、Accelerated Captureとディープラーニング技術の融合により進化。次世代AF、デュアルピクセル Intelligent AFとして新たに搭載。高速連写と高精度AFを両立し、より進化したトラッキング性能を実現。EOS R3を上回るトラッキングで、これまで追いきれなかった被写体の動きを高速解析し高精度にAF。高速移動する被写体でも粘り強く追従するため、カメラまかせで撮影が可能なほか、撮影者のAF操作が追いつかない場面でも、カメラが瞬時に判断してサポートします。

クロスAF

横線検出が可能になったクロスAF

フォトダイオードの配列を見直し、縦線検出と横線検出のフォトダイオードを規則的に配列。トラッキング中でも、最大約100%×100%エリア内すべてにおいてクロスAFを実現しました。被写体捕捉精度が向上し、横線移動が多い被写体やAFフレーム内でピントの距離に違いがある場合などでも、撮りたい被写体を粘り強くトラッキング。被写体の模様や遮蔽物に影響されることなく、安定した測距性能を発揮します。

  • 動画撮影時、プリAF時、フォーカスガイド時、および蛍光灯やLED照明などのフリッカー光源下で映像がちらついている場合、RF100mm F2.8 L MACRO IS USMのSAコントロールリング操作時はクロスAFは機能しません(縦線検出のみ)。

進化したトラッキング

「つかみ」と「追尾」が進化した新次元のトラッキング

ディープラーニング技術をベースに進化したAFアルゴリズムにより、トラッキング性能が向上。電子シャッター時最高約40コマ/秒での高速連写時も、高速に移動する被写体を高い精度で追従しAF。またスポーツやワイルドライフ撮影など、ピント合わせが難しかった領域でも高精度な「つかみ」と「追尾」で撮影者の意思に応えるAFを実現します。

[すばやく容易な「つかみ」]

被写体の近くでAFを始めれば、被写体をつかむようにカメラが適切に被写体とピント位置を検出。すべてのAFエリア設定(1点/スポット/フレキシブルゾーンなど)からトラッキングが可能です。

[粘り強く「つかみ」続ける]

カメラがトラッキングし続けることで、手ブレや画面内の被写体の動きにもAFが対応。スポーツなどで被写体が交錯するシーンでも、元の被写体を追い続けることが可能です。

[より安定した「追尾」を実行]

人物では新たに上半身検知に対応。小さい被写体や動きの大きい被写体でも安定して追尾します。また被写体検出ができない被写体も、ディープラーニング技術の適用範囲拡大によりを安定した追尾を実現しています。

交錯に対応したトラッキング

サッカーやバスケットボール、バイクのロードレースのような、同じような被写体が交錯するシーンにおいて、最初につかんだ被写体を粘り強く追尾。撮りたい選手が隠れた場合や、被写体の姿勢が大きく変わるなど複雑なシーンでも安定してピントを合わせ続けます。

  • 服装や色、形が似ている被写体同士の場合、また、追尾対象が隠れている時間が長い場合は他の被写体にトラッキングが乗り移りやすくなることがあります。

頭部領域推定による障害物回避

人間の頭部とその前に被ってくる障害物を見分ける機能を搭載しました。顔の前に障害物が来た場合でも、障害物にAFが乗り移りにくいアルゴリズムを採用。たとえば、陸上の棒高跳びで人の顔の前面にポールがくるシーンや、新体操で人の顔の前にリボンがくるシーンなど、ポールやリボンにフォーカスが乗り移ることを防ぐようになっており、人の顔にフォーカスを合わせ続ける性能が向上しています。

アクション優先(サッカー/バスケットボール/バレーボール)

特定のアクションをしている被写体を認識し、その被写体にAFフレームを移動させる機能。サッカー、バスケットボール、バレーボールの3種類の競技に対応しています。従来の任意1点や人物検出AFでは撮影の難しかった瞬間的なシーンや、複数の被写体がいる中でどの被写体がシュートやアタックをするか予測できない決定的なシーンに有効。主要なアクションをしている人物を主被写体として撮影できます。

認識する競技とアクション
サッカー シュート/ヘディング/ショートパス/ロングパス/ドリブル/クリア/プレースキック/キーパーセーブ/スローイン/スライディング
バスケットボール シュート/リバウンド/パス/ドリブル/フリースロー/ジャンプボール
バレーボール スパイク/トス/レシーブ/サーブ
  • 静止画、電子シャッター時のみ。画面内で人の大きさが小さい場合や、被写体の一部が隠れている、被写体同士が密集している場合には認識精度が落ちる場合があります。

特定の人物を優先して検出、追尾 [登録人物優先]

あらかじめカメラに人物を登録(最大10名※1登録可能)しておくことにより、AFエリア/フレーム内に複数の人物がいる場合でも、特定の人物を優先して検出が可能です。登録された人物の追尾時は、意図しないAFの乗り移りを抑制。また、複数の人物を登録した場合は優先度を設定できます。顔が斜め(両目、鼻、口が見える範囲)に向いた際でも検出が可能なため、顔の向きが頻繁に変化するスポーツシーンなどユースシーンが拡大しました。

  • ※1
    人物はカメラ内に10名登録が可能で、カードへの保存は10ファイルまで可能なため、最大100名登録が可能です。
  • 登録画像や撮影環境によっては、登録人物を検出しづらい場合があります。
  • 顔の明るさ、大きさ、表情、動き、顔の一部が遮られるなどの要因により性能が低下する場合があります。

組み合わせでより粘り強いトラッキングが可能

新機能の交錯対応したトラキッング、登録人物優先、アクション優先それぞれを、単体の機能ではなく組み合わせて使用することで、より粘り強くトラッキングすることができます。カメラにまかせて適切な被写体に自動でピントを合わせたい場合と、撮影者が撮りたい被写体に狙いを定める場合など、ボタンカスタマイズによりシーンに応じた切り替えが可能です。

強化された[人物]検出

EOS R3の[瞳/顔/頭部/胴体]に加え、新たに[上半身]の検出が可能に。画面に対して小さな領域であっても、頭頂部から肩・腰を囲う上半身の検知ができるようになりました。より遠くの小さな人物も被写体として認識します。さらに上半身の情報を使うことで、交錯など複雑なシーンでも安定したトラッキングを実現。[瞳]の検出も向上し、瞳の左右優先指定を追加しています。

被写体 人物
対象 瞳/顔/頭部/胴体/上半身
主なポイント 瞳検出 横顔、顔の陰影、化粧、マスク装着時といったシーンでも、高精度な検出が可能。新たに瞳の左右優先指定を追加。
頭部検出 顔や瞳が見えないシーンでは頭部を追尾。また、スキーやスノーボードなど、ゴーグルやマスクで顔が検出できない冬季競技に対応。
胴体検出 動きが激しく顔や頭部が検出できない状況でも人物をトラッキングしてピントを維持。
上半身検出 頭頂部から肩・腰を囲う上半身の検出を新たに追加。より遠く小さな人物も被写体として認識可能。さらに上半身の情報を使うことで、交錯など複雑なシーンでも安定したトラッキングを実現。
  • 被写体によっては人物検出できないことがあります。また、人物ではない被写体に対して人物と検出する場合もあります。

予期せぬ動きに応える[動物優先(犬/猫/鳥/馬)]

[犬/猫/鳥]に加え、EOS R3にはなかった[馬]検出にも新たに対応。乗馬や競馬の撮影時に有効です。瞳や顔、全身などパーツごとの検出ができるため、動きが大きい動物でも安定した追尾が可能。被写体を自動的に追尾するため、予期せぬ動きを見せがちな動物撮影でも、高いピント精度を得られます。

  • 被写体によっては動物検出できないことがあります。また、犬・猫・鳥、馬ではない被写体に対して動物と検出する場合もあります。

モータースポーツ(車/バイク)、鉄道※1、飛行機※2を追尾する[乗り物優先※3

新たに検出可能な被写体として[鉄道※1/飛行機※2]を追加。鉄道で画角を固定してAFを追尾させて撮影する場合や、飛行機で背景の空にピントが抜けてほしくないようなシーンでも有効です。また「モータースポーツ(車/バイク)」は、フォーミュラカー/GTカー/ラリーカー/オンロードバイク・オフロードバイクなどのモータースポーツに対応。車やバイクではオープンタイプのレーシングドライバーやライダーのヘルメット、さらには高速鉄道・飛行機のコックピットなど、重要部位を検出する「スポット検出※2」も設定可能です。

  • ※1
    高速鉄道、特急、在来線、蒸気機関車。
  • ※2
    ジェット機、ヘリコプター。
  • ※3
    被写体によっては乗り物検出できない場合があります。また、車、バイク、鉄道、飛行機ではない被写体に対して乗り物と検出する場合もあります。

サーボAF

サーボAF特性(静止画撮影時)

EOS R1ではサーボAF特性をシンプル化。従来の[Case 1/Case 2/Case 3/Case 4/CaseA]を[Caseオート]に集約しました。[サーボ特性:Caseオート][Caseオート特性:0]を使用すれば、幅広いシーンに対応できるようになっています。また、[Caseオート特性]のパラメーターを選択することにより、[Case1/Case2/Case3/Case4]に準じた特性に設定が可能。さらには撮影したいシーンに応じたサーボAF特性が設定できるように、[被写体追従特性][速度変化に対する追従性]が設定できる[Caseマニュアル]も搭載しました。

サーボAF中の全域トラッキング

1点、スポット、フレキシブルゾーンなどのAFモードから画面全域トラッキングが可能。サーボAF中の全域トラッキング[する]に設定すると、設定したAFエリアからAFをスタートし、全域で追尾を続けます。[しない]設定時は、設定したAFエリアの近くでのみAFを続行。AFエリアとトラッキングの組み合わせで、被写体の動きや撮影者の好みに合わせた柔軟な設定ができます。

[サーボAF中の全域トラッキング:する]

設定したAFエリアからAFスタートし、被写体がどこに移動しても画面全域で被写体をトラッキングし続けます。

[サーボAF中の全域トラッキング:しない]

設定したAFエリア内とその近くでのみ、被写体をトラッキングします。被写体検出がONになっている場合は、エリア付近で検出した被写体をトラッキングし続けます。

[全域トラッキングOFF]

設定したAFエリアと位置のままAFを続け、トラッキングは行わず設定されたAFエリア内だけでピントを合わせ続けます。被写体検出も行われません。

12種類のAFエリア

AFエリアの選択項目に、[検出する被写体:なし][サーボAF中の全域トラッキング:しない]の特性を備えた、[スポット1点AF/1点AF/領域拡大AF(上下左右)/領域拡大AF(周囲)]を追加。簡単に被写体検出とトラッキングをオフにして撮影することができます。検出する被写体やトラッキングの設定を切り替えることができるため、あえて顔以外にピントを合わせたいシーンや、複数の被写体が交錯するシーンなどの撮影に有効です。なお、待機中、AF中、連続撮影中でも、カメラが検出した被写体(AFフレーム)を変更したり、移動したりすることが可能です。

高速/低輝度対応

約120fpsのAFフレーム更新

最大約120fpsでAFフレームを表示。AFフレームがより滑らかに表示されるため、動きの速い被写体を追尾するシーンなどで視認性の高い撮影が可能です。

  • 静止画撮影時、画面の表示先:ファインダー、[表示フレームレート設定:なめらかさ優先]、サーボAFで被写体を追尾しているとき、シャッターボタン/AF-ONボタン半押し・全押し中。
  • 視線入力のポインター表示時は遅延時間が増えます。

静止画測距低輝度範囲:EV-7.5

EV-7.5※1の低輝度でAFが可能(静止画撮影時)。動画撮影においても4K/30PでEV-5.5※2を実現しました。AF演算周期の向上や予測追従アルゴリズムの改善により、低輝度時においてもサーボAF性能が向上しています。

  • ※1
     F1.2レンズ使用時・中央測距点・縦線検出・ワンショットAF・常温・ISO 100、Defocus Smoothingコーティングを採用したRFレンズを除く。
  • ※2
    F1.2レンズ使用時・中央測距点・ワンショットAF・常温・ISO 100・29.97/25.00fps、Defocus Smoothingコーティングを採用したRFレンズを除く。

視線入力

瞳の動きでAFフレームを移動する視線入力

ファインダーを覗く瞳の動きでAF操作が行える、視線入力を搭載。ピントを合わせたい被写体に、すばやくAFフレームを移動することができます。EOS R1ではEOS R3と比較してセンサーの高画素化および配置を改善し、光源LEDを増加。視線検出可能範囲を拡大し、目の位置がずれた場合や眼鏡装着時の検出安定性を高めています。さらに検出フレームレートがEOS R3の最高約30fpsに対し、約2倍の最高約60fpsに向上。視線の変化に対して高精度・高追従を両立し、より安定した検出や視線の動きへのすばやい追従を実現しています。

  • 静止画撮影時のみ。動画撮影時は使用できません。ご使用の前にキャリブレーションをお勧めします。サングラスやミラーサングラス、ハードコンタクト、遠近両用メガネを使用した場合や、目の状態(目が細い/まつ毛が長い/まぶたが厚い)などの個人差、使用環境などにより、視線入力機能が使用できないことがあります。

[視線検出光学系]

視線検出の基本原理は、キヤノンがフィルムカメラの時代から採用してきた角膜反射法です。ファインダー内に組み込んだ赤外線LEDから撮影者の眼球に赤外光を投射し、角膜からの反射光を約30.7万画素の視線センサーでキャッチ。高速演算することにより注視点を算出します。応答性に優れており、高速連続撮影中の視線の移動も検出、AFに反映できます。

トラッキングと組み合わせて複数の被写体を瞬時に切り替え

フレキシブルゾーンやAFトラッキングと組み合わせることで、すばやく動く複数の被写体を瞬時に切り替えることが可能。撮影者の意図をより正確に反映したAFフレームの移動や被写体の選択ができます。また、待機中/AF中/連続撮影中でも、視線位置でAFフレームの移動や被写体の捕捉ができます。

操作性

フォーカスプリセット

背景や手前の障害物に邪魔をされずに、狙った場所へすばやくピント合わせが可能なフォーカスプリセット機能。被写体検出がうまくいかない場合でも、あらかじめ決まった位置にピント位置を登録することで、手前や背景の障害物にフォーカスが移ることを防ぎます。これまで超望遠レンズのみに搭載されていたフォーカスプリセット機能が、EOS R1では[撮影時ボタンカスタマイズ]で、カメラの任意のボタンに登録、呼び出しを割り当てることが可能です。すべてのAF対応RFレンズで使用できます。

AF-ONボタンを2段化

EOSで初めて、AF-ONボタンを2段化。半押しと全押しで別の操作を割り当て、AFをしたまま動作を変えることができます。静止画と動画で別の設定を割り当てることもでき、撮影目的に応じてカスタマイズ可能です。

AF関連設定の登録と呼出

撮影する競技やシチュエーションによって異なるAF関連設定を、最大6件登録して簡単に呼び出せる機能。現状のAF設定を自分で登録したり、呼び出したりすることが可能なほか、AF設定ガイドを参考に、スポーツの種目などに合わせたAF設定にすることも可能。AF設定ガイドには液晶モニター上に表示されるQRコードを読み取って、スマートフォンやタブレット、PCなどから簡単にアクセスすることができます。

  • 2024年7月現在。日本語/英語のみ。