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自然部門 第54回キヤノンフォトコンテスト

自然部門

ゴールド賞

『モンキー・キック』大原 紘一(福岡県)

受賞者の声

ゴールド賞の通知を受け取ったときは驚きと感激でいっぱいでした。選んでいただき厚く御礼申し上げます。作品は福岡市動物園に行ったとき、シロテテナガザルが座ったり寝転んだりいろいろなポーズをとってくれて、私の方に向かってキックしたときの一枚です。最近は動物を撮ることが多く、面白い動きがありますが、いつもシャッターチャンスを逃すばかりです。努力が足りないと反省しています。身に余る賞をいただきありがとうございます。

講評:強いインパクトを残した自然部門ゴールド賞作品

  • 瀬戸
    自然部門のゴールド賞は『モンキー・キック』という作品ですが、すごい写真だな、というのが第一印象でした。動物園でしか撮れないとは思うんですけれど、「危なくないのかな」とか「ひょっとしたらペットかも」とか考えてしまいました。
  • 前川
    この作品を見たとき、「この手があったか~」と感心したんですよ。斬新な撮り方で、それでいて、これ見よがしではないんですよね。本当にうまいところをついた作品だと思います。
  • 佐藤
    正直、動物写真についてはあまり詳しくないのですが、今まで見たことのないようなとらえ方ですよね。ありがちなのは、足だけにピントを合わせて、ほかをぼかしてしまう撮り方ですが、これは被写界深度を深くして、しっかりと顔も分かる。非常に完成度の高い一枚だと感じました。
  • 前川
    フレーミングも絶妙ですよ。よくこの瞬間に足の裏にピントを合わせて撮るという決断ができたなって、本当に面白い一枚だと思います。
  • 瀬戸
    このポーズもいいですよね。
  • 長根
    かわいいですよね。なんか、家に帰ったら自分の子どもが「遊んで~」と飛びかかってきて、お父さんが「うわっ」と驚いてしまうような感じがして、このお猿さんと一緒に遊ぶような、そんな楽しい雰囲気があります。
  • 榎並
    子どもが欲しいものを買ってもらえなくて、寝っ転がって駄々をこねているみたいなイメージもできますよ。
  • 長根
    それと構図もよくて、画面の中で手や足の配置がバランスよく、いろいろなポーズをしたと思いますが、よくこの瞬間を切り撮ったと思います。
  • 榎並
    足の裏にピントを合わせたのもよかったです。ジャンル的には動物写真なのかもしれないけれど、もっといろいろな想像を膨らませてくれる、ユニークな一枚だと思います。
  • 前川
    自然部門に限った話ではないですけれど、コンテストでは組写真の方が強い写真が多いと感じることがありますが、その中でこの作品は一枚でも強烈なインパクトを残す作品でした。それほど凝ったシチュエーションではないですし、枚数に頼らなくても、これだけ強い写真が撮れるということを再認識させてもらえた気がします。
  • 長根
    今回、自然部門でも、いわゆる典型的な風景写真が少なかったですよね。審査する前は、もっと風景写真が多い気がしたのですが、自然と動物を組み合わせたり、自然だけでなく人工物も入れたり、単純な風景写真ではなく、プラスαの魅力を加える作品が多くて、そういうのも時代の流れなのかと思いました。

シルバー賞

『動物のからだ』糸山 英二(東京都)
『氷が魅せる色と形』加藤 寛満(東京都)

ブロンズ賞

『神使現る』吉田 雄二(北海道)
『はぐくみの水辺』中神 由美子(北海道)
『クライム』根来 尚(石川県)

佳作

『Lightscape -光景-』福田 圭介/Kei Fukuda(佐賀県)
『水遊び』佐野 勝彦(愛知県)
『美山の輪舞曲(ロンド)』篠原 真弥(高知県)
『白銀の塊』谷口 常雄(神奈川県)
『獲物』藤江 松男(島根県)