アンダー30部門 第54回キヤノンフォトコンテスト
アンダー30部門
ゴールド賞
受賞者の声
たぶん、小さい頃から写真を撮るのが好きだったんだと思います。ただ、始めは自分が満足するためでした。学校で写真同好会を立ち上げてからは、写真を通して、いろんな人と関わるのが楽しくなりました。そして、写真について学ぶために、さらに人脈を広げ、教えていただき、今年2回の個展を開催できました。続けていく中で多くの失敗をし、周りに迷惑をかけてきました。それでも、受賞の報告をするとすごく喜んでくれました。本当に受賞できてよかったです。ありがとうございました。
講評:微妙な距離感が魅力 アンダー30部門ゴールド賞作品
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長根アンダー30部門のゴールド賞は『後悔』という作品でしたが、かなりストーリーを考えて組まれた作品だと思いました。その中で一枚目の車の写真がとても印象的で、物語の入り口としては、スッと入り込みやすいものをよく選んだなと思ったんです。
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榎並確かに、この一枚目で見る人を引きつける構成が上手ですね。窓の向こうに見える人を撮りつつ、2枚目ではグッと寄って、顔を写さないで足と手元だけを写す。そうして写真に強弱をつけながら物語を展開していくところにうまさを感じました。
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前川アンダー30部門にもたくさんの作品が寄せられましたが、この作品は独特なトーンを放っていましたよね。非常に気になる、目に留まる作品で、一枚一枚をよく見ると、作者と被写体の距離感が如実に表れていて、だからこそ独特な雰囲気のある作品になったと思います。
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榎並ただ、アンダー30って結構幅広いですよね。普段から高校生の作品とかを多くを見ているのですが、30歳だと結構大人な感じがします。
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瀬戸10代かもしれないし、20歳かも30歳かもしれない。でも、僕はとても新鮮に感じましたね。
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佐藤確かに、この作品も友達が撮っているようにも見えるし、30歳間近の人がセットアップして撮っているようにも見えます。ただ、僕は、この作品がアンダー30の中でも最も好きな作品でした。タイトルの『後悔』を「航海」の意味としても感じ取ることができ、面白さを感じました。一枚一枚もしっかりと撮られていますし、もし、一枚でも変なのが混じってしまったらすべてが崩れてしまうような、被写体との距離感も含めて、そんな緊張感のある作品だと思いました。
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瀬戸アンダー30部門に限って言うと、不完全なものもありましたよね。でも、僕は、その不完全さが自由に感じられて、とても面白かったんです。写真は決してうまくなることが重要ではないんです。うまさが逆に写真のよさを消してしまうこともあるので、むしろ自由ではない大人の方がダメなんじゃないかと考えさせる写真がこの部門には多かったような気がします。
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佐藤中には今回は良くも悪くもまとまっている作品もありましたが、アンダー30部門は、一見分かりづらい、自由な写真を撮って欲しいですよね。