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ポートレート部門 第52回キヤノンフォトコンテスト

ポートレート部門

ゴールド賞

『少女』平山 弘(和歌山県)

受賞者の声

一升瓶を抱えて立つ少女の自然な表情を狙う
テングサの歌の岩代駅の前の海。砂浜では恒例の秋祭りが行われていました。少女は、祭りのお酒持ちを頼まれたのか、一升瓶を抱えて少し離れた所にいました。そんな少女の自然な表情を、海をバックに望遠レンズで狙った一枚です。今年、ほかのコンテストで90枚応募したら妻に「あんたも終わりやね。自分で選べんようになったんか」ときついお言葉を頂戴しました。今回の受賞で「あんたも、もう少しやれるね」と言ってもらえたことがとても嬉しかったです。

講評:シンプルな構成が魅力のポートレート部門ゴールド賞

  • 沼田
    ポートレート部門のゴールド賞に選んだのは「少女」という作品です。少女という割には少しお姉さんのような雰囲気もしますけど(笑)
  • 中西
    シンプルな画面構成で、これも見ているうちにじわじわとよさが伝わってくる作品ですよね。
  • 沼田
    ポートレートは人物を撮るので写真に変化を出すのが難しいと思うんです。それでも写真にはしっかりと時代が写り、この作品の場合も少しダボっとしたパンツが今風のファッションという印象があります。あと、この作品の魅力は、何と言っても2本の一升瓶。女の子には不釣り合いですが、海の家を手伝っているのか、浜辺でお祭りの支度でもするのか、いろいろな想像をさせてくれるのが面白いですね。
  • 中西
    あまり小細工せずにストレートに撮っているところがいいですよね。余分なものを一切入れていないため、作者がこの女の子に引かれたものがダイレクトに伝わってきます。
  • 野町
    そうですね。背景の処理もうまいですよ。海と砂浜だけというシンプルな背景だからこそ、少女と一升瓶のアンバランスさが浮き上がってきます。
  • 田口
    見ていて面白くなる一枚ですね。
  • 中西
    本当に直感で、瞬時に切り撮った印象を抱く作品だと思います。
  • 野町
    でも、彼女を照らしている光もとてもきれいですよ。その光の使い方も作品の魅力になっている。
  • 沼田
    そうですね。その光によって浮かび上がる女の子の表情も魅力的です。一升瓶を持って恥ずかしそうな、照れくさそうな。シンプルでオーソドックスな一枚ですが、彼女の存在感が見事に浮き立ち、今風の女の子が写し出されたポートレートになっています。

シルバー賞

『オレの機関車』松浦昭宏(静岡県)

ブロンズ賞

『祭りの子』牛場寿子(三重県)
『菜穫りばあちゃん』シュガー(東京都)

佳作

『特訓』
『お待ちどうさま』片山智士(京都府)
『平成最後の夏』ニシ ヨシユキ(千葉県)