このページの本文へ

WEB部門 第58回キヤノンフォトコンテスト

WEB部門

ゴールド賞

『髭』川久保太陽(栃木県)

受賞者の声

この写真は、深夜バイト終わりの友達がいい感じの疲れた顔でタバコを吸っていたので撮りました。初めてのフォトコンテストで素晴らしい方々から評価をいただけたことは大きな自信になりました。このたびはすてきな賞に選んでいただきありがとうございます。

講評:写真の原点を感じるWEB部門ゴールド賞

  • 藤代
    今回、WEB部門を担当させていただき、1万点以上の作品を見たのですが、全体的にポートレートが少ない印象があったんです。しかも、正面から撮ったものはほとんどなかった。その中で、ゴールド賞の「髭」という作品は、すごく目を引きましたし、とても強いと感じました。また、応募コメントに「狙いはありません。強いて言えば、友達の顔が好きなのでアップで取ってやろうと思いました」とあったのですが、その気持ちが素晴らしいと感じたんです。好きなものを正面から撮るって、対象としっかり向き合っていないとできないことですし、狙いがないということも、余計な作為などなくストレートに撮っているということなので、だから、このような強い作品が生まれたのだと思いました。
  • ハービー
    確かに、ストレートに撮っている強さを感じますね。いろいろな策を講じて撮るポートレートもありますが、ストレートだから伝わってくる魅力があると思います。でも、これだけ迫ってストロボを焚いて撮るって、写真の原点のような気もします。
  • 津留崎
    私もそう思いますね、最近は、こういう作品を見なくなりましたが、私たちが学校で写真を学んでいた時代は、一歩前に出て、目線を感じながらシャッターを切れってよく言われていましたし、それが写真の基本だと思うんですよ。それをリアルに見せつけられた感じがしました。
  • 岡本
    モノクロにしたのもよかったですよね。そのためヘアスタイルが強調されて、さらに、シャドウとハイライトの部分があることによって、インパクトも強くなっていると思います。
  • 野村
    WEB部門に限らず、全体的に人物が少ないのは、私も気になりました。その中で、この作品は圧倒的な力があり、作者と被写体の距離感も伝わってきて素晴らしいと感じました。
  • 津留崎
    本当に最近はこういう写真が少ないから、逆に新鮮に感じますよね。
  • 望月
    今はカメラが優秀になって、暗闇でも撮れるようになりましたから、この作品のようにストロボをバンって当てる写真が少なくなったんだと思いますよ。フィルム時代なら、暗闇ではストロボを使うのが当たり前でしたし、そうしないと撮ることもできなかったですけど、今はカメラが進化してストロボの必要がなくなったという理由もきっとありますよね。

シルバー賞

『艶と弾力』落合洸介(兵庫県)
『ランチ』フォトレツ(青森県)

ブロンズ賞

『クリスマスの朝に』小林彩乃(千葉県)
『Fight!』尾花嘉月(千葉県)
『独り占め』miwa(北海道)

佳作

『風』石原太一(広島県)
『鳥取砂丘に架かる虹』西岡千秋(埼玉県)
『裏路地』阿部雄太郎(東京都)
『小さな手、大きな力』阿部裕磨(大分県)
『Ignorance and Boredom』Shuto Muroi(東京都)