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自然部門 第58回キヤノンフォトコンテスト

自然部門

ゴールド賞

『なかよし』安藤宏幸(愛知県)

受賞者の声

このたびはゴールド賞という大きな賞をいただき感激しています。ありがとうございました。名古屋市の東山動植物園です。動物を撮り始めて10年になりますが、今回の作品はこの間撮りためた中からセレクトしたものです。二匹の絡みを切り撮ったもので三枚組写真としてタイトルを「なかよし」としました。動物は季節や時間帯によってさまざまな表情を見せてくれます。今後も動物たちとの出会いを大切に撮影したいと思っています。

講評:生きものたちの愛情が伝わる自然部門ゴールド賞

  • 津留崎
    自然部門のゴールド賞は「仲良し」というタイトルですが、2匹がスキンシップをとっている瞬間をとらえ、仲良くしている雰囲気がよく伝わってきますね。あと、象の鼻の形とか、カンガルーが抱いている姿勢、チンパンジーが口を開けている表情など造形的にも面白く、それも作品の魅力です。
  • 藤代
    背景が整理されていて、とても端正に撮っているというのが第一印象でした。その分、それぞれの表情などに目が行きやすくなっていますね。
  • 岡本
    私もスタジオで撮ったのかと思うぐらい整理されていると感じました。背景が無地で光もフラットに当たっていて、おそらく作者は動物が大好きで、パッと撮ったわけではなく、フラットに光が当たる時間帯や動物が動き回る時間などを知った上で、きちんと計算されて撮影しているのだと思いました。
  • ハービー
    この作品を見て感じたのは、動物も人間と同じようにスキンシップが大切なんだということでした。仲間意識とか親子の愛情のようなものが、画面から滲み出ていますよね。愛情が溢れる瞬間が撮りたいという狙いを持って動物園に行ったから、このようなシーンが撮れたのか、いろいろ撮っている中で、自分は愛情が通っているシーンに惹かれることに気づいたのか。例えば、モデルさんやタレントさんを撮るとき、あらかじめ狙いを決めて撮影することってありますか?
  • 藤代
    私の場合は仕事の内容によりますね。クライアントがいて、こういうイメージに撮ってほしいというものがあれば、それを狙うこともありますし、写真集などフリーの場合は、いろいろな面を撮りたいって思っています。
  • 野村
    私はこの作品を見たとき、このようにストレートに撮れるのが羨ましいと感じたんです。細かいところを見れば、フレーミングをもっときっちり撮れるとかありますけど、そんなことは関係なく、本当にまっすぐ動物たちと向き合い、仲良しの瞬間が切り撮れているのがいいと思いました。
  • 望月
    この作品を見て、リチャード・アヴェドンの作品のような、ポートレートだけどオブジェのように見えるといった感覚を思い出しました。やっぱり背景の処理が上手で、よく見るとチンパンジーは同じ方向を向いていたり、カンガルーはシンメトリーで象はS字だったり、それぞれのポーズもすごく魅力的で、動物園で撮れる最大級の面白さが表現できていると思います。

シルバー賞

『秋の空旅』加藤寛満(東京都)
『タワーマンション』安田豊治(岡山県)

ブロンズ賞

『石積みの唄』赤松昌哉(兵庫県)
『残春』牛場和美(三重県)
『横取りカワウ、ミサゴの逆襲』原田 晋(福岡県)

佳作

『白い環』黒瀬博恭(熊本県)
『夕刻の四国カルスト』森川貴典(愛媛県)
『変装』小杉 要(埼玉県)
『うちのやんちゃっ子 3歳』梅原秀宣(静岡県)
『彩雲おばけ』岩本義清(神奈川県)