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人物部門 第55回キヤノンフォトコンテスト

人物部門

ゴールド賞

『人生 初メイク』藤井 孝美(山口県)

受賞者の声

高校の文化祭に向けて、ファッションショーの準備中。図らずもその実験台に……人生初メイクをすることになってしまった女子高生のうれし恥ずかし憧れと不安……。それでもメイクが進んでいけば、瞳の奥にちょっぴりと女性の華やかさが芽生えていったことに本人は気づけていたでしょうか?そんな瞬間に立ち合えた幸運、撮り続けていたことの幸運。そんな気もしています。やっぱり写真っていいですね。今回は思いがけず栄えある賞をいただきありがとうございました。

講評:構成力のうまさを感じた人物部門ゴールド賞作品

  • 古賀
    人物部門のゴールド賞は「人生 初メイク」という作品ですが、彩度を抑えた色合いがとても印象的でした。また、表情が単にかわいらしいだけではなく、人生で初メイクをしている女の子の感情がしっかりと表れています。後ろの子がマスクをしているのでコロナ禍での学校生活だと思いますが、そうした状況下でも子どもたちは成長していることを感じさせてくれました。
  • 浅田
    僕は1枚目(右上)がすごく好きで、なんとも言えない表情をしていますよね。きっと、この一枚がなければ全体が生きてこないと思いますし、この表情があるからこそ、インパクトの強い作品になっていると思います。彩度を抑えたトーンもよく、人生初のメイクだからポジティブな明るい印象の色にしてしまいがちですが、あえて彩度を抑えたのが面白く感じました。
  • かくた
    確かに1枚目の表情がユニークですね。メイクをする前なのになんで驚いているんだろうと思って面白く感じました。あと、組写真の構成が素晴らしく、メイク道具だけの写真を入れたことで、女の子の表情がとても生きたと思います。そして、最後のメイクをされて喜んでいるのか、いないのかちょっと分からない表情も、すごくリアルでいいと思いました。
  • 豊田
    私も組写真にしたことで成功したパターンだと思いました。もしかしたら、彩度を抑えて肌の色を白く出して、差した紅を強調したかったのかもしれないですね。透明感のある肌に化粧されていく様子をとらえ、初メイクのドキドキ感や仕上がったときの驚きなど、この女の子の心情が垣間見える素晴らしい作品だと思います。
  • 長倉
    確かに、組写真として完成度の高い作品ですよね。一枚も無駄がないというか、すべて違う味を出しつつ、一人の少女の驚きや好奇心がうまく表現されています。きっと10代の女の子だけど、その初々しさが画面から溢れ出ていて、人の体温をすごく感じます。今回の応募作の中で最も体温を感じた作品と言ってもいいと思います。
  • 高橋
    やっぱり写真のトーンに統一感のある組み方が素晴らしいと感じました。どの写真が欠けても成り立たないですし、特に右下の写真は口紅を塗っている人が目の前に被って顔が見えなくなっていますが、その一枚があることで、顔の見える写真と見えない写真の対比が際立ったと思います。

シルバー賞

『僕が獲ったダンゴムシ』稲村 佳澄(鹿児島県)
『真夏の生還』馬場 歩(埼玉県)

ブロンズ賞

『読み聞かせの時間』若林 茂(静岡県)
『双子』千代 美沙子(東京都)
『Sudden fear』松井 大典(新潟県)

佳作

『距離感』HIRA(兵庫県)
『お世話』細田 祐美子(埼玉県)
『職人』井口 絵理香(大分県)
『birth day』鈴木 一彦(大阪府)
『化粧を終えて』西原 博子(愛知県)