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RF100-300mm F2.8 L IS USM 開発者インタビュー08

RF100-300mm F2.8 L IS USM 開発者インタビュー

RF100-300mm F2.8 L IS USM 開発者インタビュー

08|信頼性・操作性

プロフォトグラファーの要求を満たす
耐久性と
快適な操作性へのこだわり

強度と軽量化の両立を図る

プロユースに向けた耐久性については
どうでしょうか。

早川防じん・防滴試験、防砂試験、さらにはズーム回転の耐久試験などはプロフォトグラファーの撮影条件を想定したLレンズ独自の要件を満たす品質を確保しています。強度についてはシミュレーションにより軽量化との両立を図り、結果的には本体も軽くなって堅牢性も向上する良いバランスがとれたと思います。
小型軽量化を徹底し、レンズ群をマウント近くまで配置する光学設計にともない、ドロップインフィルターは省略しました。強度上の懸念となる鏡筒の開口部がなくなり、外装筒を薄肉化できたことで、さらなる軽量化に寄与しました。

五十嵐表面の白い遮熱塗装は、色調や質感を慎重に検討し、RF400mm F2.8 L IS USMなどと同じ、キズに強い凹凸のあるレザートーン塗装を採用しています。高い遮熱性能と耐久性を実現しています。※防じん・防滴に配慮した構造になっていますが、水滴やほこりの浸入を完全に防ぐものではありません。

レンズ内部部品は素材を複合的に組み合わせて、軽量化と耐震動衝撃構造の両立を図りました。
鏡筒手前位置にレンズファンクション/フォーカスプリセットボタンを配置しました。
ズームリングは傾斜面を設けて、自然にフィットしたホールド感が得られるように造形しました。

自然にフィットする操作性を実現

操作性のこだわりについてもお話し願います。

長岡メカ設計では、ズームリングのなめらかな動きを実現できるように、ぎりぎりまで調整を重ねました。本商品は動画撮影との親和性も高いと思います。さらに各部門と討議しながら各操作スイッチの位置を検討していきました。新しくレンズファンクション/フォーカスプリセットボタンをカメラグリップ側に配置し、グリップを握ったままで素早く操作できるようにしました。このプリセットボタンは操作のカスタマイズも可能です。ボタンのクリック感も慎重に調整しました。ボタン押下時の感触1つにもこだわって、慎重に寸法調整を重ねました。

五十嵐デザインの視点からも操作性を検討し、右手の指先が自然に届く最適な位置にレンズファンクション/フォーカスプリセットボタンを配置しました。また、持ち疲れすることなく手に自然にフィットして心地よいホールド感が得られるように、ズームリングのテーパー形状やコントロールリング前後の造形にもこだわっています。

従来にはないスペックの商品です。
開発で特にご苦労された点は何でしょうか。

早川世の中にはないものを設計していくと必ずどこかで壁に当たり、「なるほど、だから実現されていないんだ」と実感させられます。本商品は少しずつ技術進化を積み重ね、壁を1つずつ乗り越えていった結果、新たなスペックを実現できました。

浅見プロフォトグラファーからハイアマチュアの皆さままでご満足いただける商品に仕上がったと感じています。ぜひ実際に手に取って細部に至る進化を実感いただき、撮影領域をさらに広げていただければ幸いです。

※本インタビューの実施においては、
COVID-19感染防止対策を徹底して行いました。

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RF100-300mm F2.8 L IS USM 開発者インタビュー08
https://personal.canon.jp/ja-JP/articles/interview/interview08
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https://personal.canon.jp/-/media/Project/Canon/CanonJP/Personal/articles/interview/interview08/08.jpg?la=ja-JP&hash=B2C95308BAEC677DD2845870132D8C36
2023-05-18
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