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RF100-300mm F2.8 L IS USM 開発者インタビュー06

RF100-300mm F2.8 L IS USM 開発者インタビュー

RF100-300mm F2.8 L IS USM 開発者インタビュー

06|AF・駆動系

2つのナノUSMによるフォーカス制御を
進化させ、
AFをさらに高性能化

2つのナノUSMを高精度に制御

AF制御はどのように進化をしたのですか。

長岡本商品はRF望遠Lズームレンズで実績のある、2つのナノUSMによる電子式フローティングフォーカス制御を採用しています。ナノUSMは制御性と静粛性に優れていて、静止画だけでなく動画撮影も快適になります。

豊田フォーカスレンズの軽量化によって、従来のリングUSMからナノUSMを採用できるようになった背景もあり、フォーカス制御の高速化も実現しました。

長岡 信幸 [メカ設計]
豊田 由美 [電気・ファームウェア設計]

長岡今回、光学設計の自由度を増し、レンズの高性能化を実現するため、フォーカスレンズとフローティングレンズの駆動領域がオーバーラップする光学設計を導入しました。従来にはない設計で、実現可能なのかというところからのスタートだったのですが、光学性能を極限まで追求したいとの光学設計の方針を受け、メカ設計と電気・ファームウェア設計が連携して課題に取り組みました。

豊田電気・ファームウェア設計としては、フォーカスレンズとフローティングレンズの衝突を避ける制御が求められました。2つのナノUSMをより高精度に駆動させるために、制御アルゴリズムを改良し、複雑なレンズ群の制御を実現しています。

長岡通電オフ時に外部からの衝撃で、フォーカスレンズとフローティングレンズが衝突するリスクを回避するため、メカ設計では徹底的に衝撃対策を行い、安心してお使いいただける構造にしています。

図はイメージです。
フォーカスレンズとフローティングレンズの駆動域をオーバーラップする設計を採用し、軽量化・高画質化に貢献しました。

ズーム全域でのAF性能

エクステンダーを装着時のAFの精度は
どうでしょうか。

長岡エクステンダー装着時はRF100-500mm F4.5-7.1 L IS USMで実績のある、ズーム全域でフローティングレンズがフォーカスレンズをアシストしてピント誤差を追い込む制御によって、高精度なAFを実現しています。

カメラ側は高速連写や被写体検出による
トラッキング性能等が進化しています。
レンズ側のピントの追従性能は
いかがでしょうか。

豊田ズーム時のピント追従の高精度化にも取り組みました。ピント位置のずれを自動的に修正し、ピントが合い続けるようトラッキング制御の調整方法を改善し、ズーム全域での高いピント追従性能を達成できました。

ほかにも強化・改良した点はありますか。

豊田被写体検出性能が急速に進化し、ワンショットAFよりもサーボAFを常用する方が増えたと認識しています。カメラから要求される被写体追従性能を最大限に高められるようにアルゴリズムを改良して、サーボAFの精度向上に貢献しています。さらに連続撮影時のコマ速も上がっているので、ナノUSMの駆動制御アルゴリズムも改良しています。また本商品は、カメラボディーに搭載されたフォーカスブリージング補正機能に対応しており、動画撮影時のフォーカス移動における画角の変化を軽減できます。

※本インタビューの実施においては、
COVID-19感染防止対策を徹底して行いました。

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RF100-300mm F2.8 L IS USM 開発者インタビュー06
https://personal.canon.jp/ja-JP/articles/interview/interview06
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https://personal.canon.jp/-/media/Project/Canon/CanonJP/Personal/articles/interview/interview06/06.jpg?la=ja-JP&hash=0776631C236089ED2062B85A5BAD0D6A
2023-05-18
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