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アンダー30部門 第53回キヤノンフォトコンテスト

アンダー30部門

ゴールド賞

『天』佐藤 崇明(兵庫県)

受賞者の声

長野の美しい星空を試行錯誤を重ねて撮影 流星群の極大日。ときどき星が流れるものの、月明りがじゃまをして、狙った写真が撮れずにいました。それでも長野の美しい星空を生かして表現したい! その一心で撮影を続けました。星を意図的に流したり、屋根を足したり、ワンショットにするなど、試行錯誤を重ねました。歴史あるキヤノンフォトコンに、星を流すのは安直ではと不安もありましたが、ようやく自信が持てました。今後も自分なりの一枚が撮れるようにがんばりたいです。素敵な賞をいただき、ありがとうございます。

講評:裏庭とつながる宇宙を表現 アンダー30部門ゴールド賞

  • 野口
    アンダー30部門のゴールド賞は「天」という作品です。今回、アンダー30部門の作品は、撮ったときの楽しさやうれしかった気持ちなど、写真の原初的な喜びが伝わってくるものがたくさんありました。その中でこの作品は、特別な場所ではなく裏庭のような場所で、でも、その裏庭が宇宙と直接つながっているようにも思え、とても魅力的に見えました。
  • GOTO
    自分のいる場所も宇宙の一部のような生々しさがありますよね。ジャンル分けが難しい作品ですが、スナップ的な魅力もあり、空にレンズを向け、ファインダーの四隅を気にすることなく、何が入ってもよしとするといった荒さに不思議と惹かれました。
  • 米屋
    確かにお二人がおっしゃったような魅力がありますね。打算的ではないというか、写真をものすごく楽しんでいる気持ちが画面から溢れています。アンダー30部門なので当たり前なのかもしれませんが、とてもフレッシュな印象を抱きました。
  • 中西
    カメラを持ち始めたばかりのときの楽しさというか、何かを撮れたとき、何かを残せたときの喜びが伝わってくるんですよね。今でもその気持ちをなくさないように心掛けているものの、この作品を見て、だんだんと薄まってきていることを感じてしまいました。やっぱり、カメラを初めて持ち、好きなものにレンズを向けていたときの楽しさを忘れてはいけないと、改めてこの作品に教えられた気分です。
  • 野口
    アンダー30部門は本当に面白くて、タイトルなどもストレートすぎるものがあったり、でも、それが作品の魅力を引き出していたりするんです。
  • 米屋
    みんな楽しんで撮っていることが真っすぐに伝わってくるから、見る方も本当に楽しめました。
  • GOTO
    そうですね。ただ、この作品をよく見ると、家の上に星がかかっていて、加工のように見える部分もあるんですよ。それでも、アンダー30というと、きっとデジタルネイティブの人も多く、ひょっとしたら加工の有無を問うなどナンセンスな世代なのかもしれません。加工など気にせず、好きなものを写真にするためにカメラを向ける。そういうシンプルな表現欲求が作品の力になっているのでしょう。
  • 大石
    写真を撮るとき、何かを撮ろうとしますよね。まだ慣れていないころは、木を撮るとか、家を撮るとか。この作品は、空を撮りながら、中途半端に木や家も入っています。少し穿った見方かもしれませんが、これまでの写真に対する挑戦のように感じたんです。古い考えでは失敗に思える写真でも作品として成立する。そのようなことを考えさせられる一枚です。

シルバー賞

『青』七尾 恵(東京都)
『遠い』劉 家瑜(東京都)

ブロンズ賞

『酸素』長尾 裕奈(香川県)
『まるで飛行機!』Anazawa Shoko(福島県)
『Layout of the North』永島 顕子(神奈川県)

佳作

『虚無』山本 未央(香川県)
『良き年へ』星野 雄飛(神奈川県)
『お茶目な部長をリスペクト!』田中 碧(滋賀県)
『里山を駆ける』小野寺 聖也(岩手県)
『亜空間水族館』三木 章央(香川県)