紀伊半島 燃編
公開日:2020年7月9日
長い年月にわたる人の営みが
日本の「地」をつくってきた。
その一方で、「地」が
日本人の暮らしに
与えてきた影響も大きい。
島国、日本。
複雑に曲折するその海岸線は、
半島同士のつながり
そのものだ。
「半島」を巡る旅を通し
日本を見つめ直す。


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RF28-70mm F2 L USM 1/500sec F6.3 ISO400 日本列島最大の半島、紀伊半島。
面積の大半を奥深い森が占める。
空海が日本に伝えたとされる
炭焼き技術を、「備長炭」に
昇華させたのもこの森だ。
昔の職人たちは、材料となる
ウバメガシが群生する岩場の
近くに簡易的な窯と小屋を造り、
一週間ほど炭を焼いては
次の岩場に移動していたという。
当時の窯が、森のあちこちに
そのままの形で残されている。 -
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左:RF24-105mm F4 L IS USM 1sec F18 ISO400
右:RF35mm F1.8 MACRO IS STM 1/60sec F1.8 ISO400 -
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RF28-70mm F2 L USM 1/4000sec F2.5 ISO400 「炭焼きの半分は森で決まる。
もう半分は窯で決まる」。
口を揃えて職人たちは言う。
やみくもに木を伐っていては、
次の世代につなぐことができない。
質の良い炭を作り続けるためには、
若い木を残して択伐したり、
良い木を育てることが重要なのだ。
備長炭は燃料であり、芸術品ではない。
それでも職人たちは、一本一本
丁ねいに木を伐り揃えていた。 -
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左:RF28-70mm F2 L USM 1/13sec F3.5 ISO800
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RF28-70mm F2 L USM 2.5sec F2.0 ISO1000 -
RF24-105mm F4 L IS USM 1/15sec F4.0 ISO1600 赤い炎の上を、紫の炎がゆっくり
たゆたう。見続けていると、
炎が浮いているような錯覚に陥る。
焼きの間、窯の温度は
千二百度にもなるという。
窯から離れていても、
むせかえるような熱気が押し寄せる。
職人たちは、炭が焼き上がると
すぐに取り出して灰で冷やす。
そして数時間後には、新たな木を
窯に入れる。休む暇はない。 -
RF28-70mm F2 L USM 1/800sec F2.0 ISO400 -
上左:RF28-70mm F2 L USM 1/50sec F2.0 ISO800
上右:RF35mm F1.8 MACRO IS STM 1/800sec F2.2 ISO800
下左:RF35mm F1.8 MACRO IS STM 1/400sec F2.2 ISO800
下右:RF28-70mm F2 L USM 1/60sec F4.5 ISO800 -
RF28-70mm F2 L USM 1/80sec F3.5 ISO400 -
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