能登半島 -網- 後編
公開日:2020年7月9日
長い年月にわたる人の営みが
日本の「地」をつくってきた。
その一方で、「地」が
日本人の暮らしに
与えてきた影響も大きい。
島国、日本。
複雑に曲折するその海岸線は、
半島同士のつながり
そのものだ。
「半島」を巡る旅を通し
日本を見つめ直す。
WEBコンテンツムービー写真家 公文健太郎「半島」~能登半島 -網- 後編~
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日本海側に入ると、
背の高い垣根が
集落をぐるりと囲う
光景があった。
細い竹でつくられた
「間垣(まがき)」だ。
冬は、日本海から
吹きつける風を遮り
海鳴りや風音を和らげる。
夏は、強い西日を遮り
家の中に涼しさを呼び込む。 -
能登半島の外浦には、
岩海苔を採取しやすいよう
コンクリートで固めた
人工の岩場がある。
表面には一定間隔で
杭が打たれている。
日本海の荒波に
流されないよう、
しがみつきながら海苔を採る。
採れた海苔と道具も
この杭に結びつけていく。 -
半島には明確な定義が
ないという。
そんな曖昧さも魅力の一つ。
能登の輪郭をなぞると、
その大きさを
肌で感じることができた。
そして、日本列島は
半島の集合体であるという
考えがさらに強くなった。
半島を知ることは、
日本を知ることなのだ。
できる限り
たくさんの点を打ち、
その一つひとつを結んで
線にしていく。
そして、この地で
暮らしを営む人に話を聞き、
写っているものの意味や
周辺を理解することで、
線を面にしていく。
たくさんの出逢いを通して
半島を、日本を感じたい。