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Lights of 5 公文 健太郎

写真家としての本能。 写真家 公文 健太郎

写真家・公文健太郎が感じた
5の現在地

撮影協力:函館どつく株式会社 
※撮影時は特別な許可を得て安全に十分配慮した上で行っております。

5シリーズコンセプトムービー|
撮影・公文健太郎

一瞬の写真にも前後のタイムラインが写り込む。動画の時間表現より長いスパンで。

8Kオーバーサンプリングの
4K画質の線が違う

スペック的にそんなに変わってないように見えて、すごく画が良くなってるっていうのが第一印象です。特にCINEMA EOSシリーズに比べてEOS Rシリーズは、シャドー部にかなり気を使うイメージがありましたがEOS R5 Mark IIは、シャドー部がかなりクリアというか、抜け感があると感じました。また細かな設定がしやすくなったり、普通のHDMI端子(Type-A)に対応したり、REC状況の見やすさなど、細かいことが改善されています。今回制作した5シリーズのコンセプトムービーでは8Kオーバーサンプリングによる4K Fineで撮りましたが、かなり線が細いですよね。4Kと8Kの差がここまであるかっていうくらい。

ファインダー性能の強化は
写真家にとってものすごく大きい

EOS R5 Mark IIはファインダーがめちゃくちゃ良くなってるんですよ。被写体のディテールがかなり良く見えるようになってる。写真家にとって、ものすごく大きなことなんですよね。ここを通して世界と接しているわけですから。馬のたてがみの流れが一瞬止まる瞬間というのは、ちゃんと見えないとシャッターを切れないし、気持ちも行かないんです。たった毛一本の流れの説得力には、ファインダーが良くないと気づけない。コンタクトを入れてなかったのがコンタクト入れたようなものなんです。RFレンズのシャープさも、ファインダーの性能が低いと撮っている時に気づけない。家に帰ってやっと「うわー、結構いいじゃん!」って。撮っている時に、気づけるっていうのは大きいですよね。

写真と動画両方やるようになって
ここは写真という瞬間が
増えている

この瞬間、“写真的”だねっていう瞬間がやっぱりあって、それを探さないと写真やってる意味がないかなって思うようになりました。一枚の写真の中で動画にはない時間経過とか、見る人の心のどこかに引っかかる部分を作らないといけないんですよね。僕が写真と動画の両方をやるようになって、ここは写真じゃなきゃいけないっていう撮り方をすごく考えるようになったからだと思う。それは動画が教えてくれたことですね。今回の「函館どつく」の撮影では、時間が大事だと思っていて。動画ってタイムラインがあるので当然時間が表現できます。写真は、一瞬を切り取るっていうけど、実はその前後のタイムラインをそこに入れ込むんですよね。動画の「今」流れてる時間より、もうちょっと長いスパンになることが多いような気がしています。

デジタル作品撮る気持ち
してくれたのが5

EOS R5をほぼメインのカメラとして使ってきましたが、「5」にはいろんな思い出があります。僕がまだ駆け出しの時、雑誌の仕事で一番最初にデジタルで使ったカメラが最初のEOS 5Dなんですよ。その後、「5」シリーズはすべて使ってきましたが、EOS 5D Mark IVは、自分の作品を撮る中でデジタルを使う気持ちにさせてくれました。今、僕がメインにしている35mm(単焦点)で撮るスタイルもEOS 5D Mark IVの時にできたかなって思っています。やっぱり日々使って使い倒すカメラですよね。そういう点でも、「5」はCINEMA EOSシリーズともちょっと違って、僕のような写真と動画で表現していくという時には、非常にマッチしてるなと思います。

日本の製造業の中で
続いていることが
写真に写ってくるといい

写真には、一枚で過去とか未来を想像させる力がある。だからこそ「函館どつく」はまさに写真で撮らなきゃいけない。そういう撮り方を意識しました。造船所って、フォトジェニックなんですよね。「函館どつく」を回ると、すごい職人さんたちがいるから、それだけでカッコイイ写真は撮れるし、古い建物も同じようにフォトジェニックなんです。でもここで撮る写真は、そのどっちでもないような気がしていて。もちろんそれを写すんだけど、バランスがすごく大事だと思うんですよね。自分も探しながら納得しながら撮るっていうのかな。見れば見るほど、写真にすべきことがたくさんあるなと思いました。この函館に続いていること。日本の製造業の中で続いていること。歴史の話が詰まっている空間みたいなものを、ずっと見てられるっていう。それができるのが写真だと思うんです。

公文 健太郎写真家

1981年生まれ。ルポルタージュ、ポートレートを中心に雑誌、書籍、広告で幅広く活動。同時に国内外で「人の営みがつくる風景」をテーマに作品を制作。近年は日本全国の農風景を撮影した『耕す人』、川と人のつながりを考える『暦 川』、半島を旅し日本の風土と暮らしを撮った『光の地形』などを発表。最新作は瀬戸内の島に起こる過疎化をテーマに写真集『眠る島』としてドイツのKehrer社から出版。『ゴマの洋品店』で日本写真協会新人賞。2024年日本写真協会作家賞。

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Lights of 5|004:公文 健太郎
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2024-08-30