スペック的にそんなに変わってないように見えて、すごく画が良くなってるっていうのが第一印象です。特にCINEMA EOSシリーズに比べてEOS Rシリーズは、シャドー部にかなり気を使うイメージがありましたがEOS R5 Mark IIは、シャドー部がかなりクリアというか、抜け感があると感じました。また細かな設定がしやすくなったり、普通のHDMI端子(Type-A)に対応したり、REC状況の見やすさなど、細かいことが改善されています。今回制作した5シリーズのコンセプトムービーでは8Kオーバーサンプリングによる4K Fineで撮りましたが、かなり線が細いですよね。4Kと8Kの差がここまであるかっていうくらい。
ファインダー性能の強化は 写真家にとってものすごく大きい
EOS R5 Mark IIはファインダーがめちゃくちゃ良くなってるんですよ。被写体のディテールがかなり良く見えるようになってる。写真家にとって、ものすごく大きなことなんですよね。ここを通して世界と接しているわけですから。馬のたてがみの流れが一瞬止まる瞬間というのは、ちゃんと見えないとシャッターを切れないし、気持ちも行かないんです。たった毛一本の流れの説得力には、ファインダーが良くないと気づけない。コンタクトを入れてなかったのがコンタクト入れたようなものなんです。RFレンズのシャープさも、ファインダーの性能が低いと撮っている時に気づけない。家に帰ってやっと「うわー、結構いいじゃん!」って。撮っている時に、気づけるっていうのは大きいですよね。
EOS R5をほぼメインのカメラとして使ってきましたが、「5」にはいろんな思い出があります。僕がまだ駆け出しの時、雑誌の仕事で一番最初にデジタルで使ったカメラが最初のEOS 5Dなんですよ。その後、「5」シリーズはすべて使ってきましたが、EOS 5D Mark IVは、自分の作品を撮る中でデジタルを使う気持ちにさせてくれました。今、僕がメインにしている35mm(単焦点)で撮るスタイルもEOS 5D Mark IVの時にできたかなって思っています。やっぱり日々使って使い倒すカメラですよね。そういう点でも、「5」はCINEMA EOSシリーズともちょっと違って、僕のような写真と動画で表現していくという時には、非常にマッチしてるなと思います。