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永坂 嘉光「空海 永坂嘉光の世界」

本展は、写真家 永坂 嘉光氏による写真展です。
弘法大師空海の生誕の地四国から、若き日の修行の地である吉野や大峯、留学僧として渡った中国、1200年の密教の法灯を継ぐ京都の神護寺と東寺、そして今も空海が生きて人々を見守るという高野山の霊場など、空海ゆかりの地を撮影した作品約60点を展示します。
大自然と対話しながら撮影された風景や、特別な許可を得て撮り下ろした光と色に満ちた密教の行事、永く守り伝えられた秘仏など、半世紀にわたって空海のイメージを追い求め、撮影し続けてきた永坂氏ならではの作品の数々です。
作品は、すべてキヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」でプリントし展示します。

会期 会場
2019年4月18日~2019年6月3日 キヤノンギャラリー S

作品・展示風景

作家メッセージ

私は、空海によって開かれた高野山で生まれました。串田 孫一「季節の断章」等に影響を受けて、自然の気配を感じとりながら、見えるものとの対話をテーマに、地元高野山での撮影に日夜を過ごしました。樹々や堂塔など、同じ被写体を時や光の方向を変え、その移り変わりを黙視します。1本の樹木でもその喜怒哀楽を感じて撮影していきます。なかには、2度とチャンスがない素晴らしい一期一会の出会いもありました。
静寂さを求めるなら、人のいないときや、雨上がりを狙って撮影に行きます。時には台風の最中にも。それが私の創作の原点です。たなびく雲海や山深い高野山独自の四季の移ろいなど、この地に住む者ならではの独自の表現と思っています。

中国から密教を伝えた空海は、五大(地・水・火・風・空)からなる森羅万象にはみな響きがあるという言葉を残しています。私も大自然の中に身を置いて、見えるものと対話し、語りかけてくるものを聞いて撮影を続けてきました。作品から、人知を超えるものを感じていただければ幸いです。

作家プロフィール

永坂 嘉光(ながさか よしみつ)

1948年、和歌山県高野山生まれ。大阪芸術大学卒。1970年頃から高野山の撮影を始め、密教の源流を巡ってインド、中国、ブータンなどアジア各国を取材。日本の霊山や秘仏も数多く取材し、宗教と文化をテーマにしたスピリチュアルな映像表現で知られる。2002年、アメリカ・カーメルのウェストン・ギャラリーで個展「Echoes of the Spirit」開催後、同所で作品を常設展示。主な写真集に「弘法大師の足跡」(同朋舎出版)、「高野山千年」(ぎょうせい)、「永遠の宇宙―高野山」「空海の歩いた道」「天界の道-吉野・大峯 山岳の霊場」「空海 千二百年の輝き」(ともに小学館)など。大阪芸術大学教授として、長年写真教育の現場に携わる。日本写真芸術学会芸術賞、日本写真協会作家賞、和歌山県文化功労賞、地域文化功労者文部科学大臣表彰などを受賞。

著作権について

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