野町 和嘉「地球巡礼」
20代半ばにサハラを訪れて以来、"祈りと巡礼"をテーマに、過酷な風土に生きる人々の姿を追い続ける野町和嘉氏。
本展では、30年以上にわたって撮りためた貴重なドキュメンタリー作品の中から、最新作であるアンデスとインドを中心に、サハラ、メッカ、チベットなどを加えた約100点を展示。それらの作品には、厳しい自然と向き合いながら、自らの文化に誇りを持って生きる人々の姿が美しく写し出されている。
会期 |
会場 |
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2005年9月21日~2005年10月29日 | キヤノンギャラリー S |
作品・展示風景
作家メッセージ
20代半ばでサハラを訪れ、過酷な風土を生きる人々の強靭さに圧倒されたことがきっかけとなって、今日までドキュメンタリー写真を撮り続けてきました。
訪れた土地の大半はいわゆる辺境の地で、厳しい自然と向き合いながら、人々は自らの文化に強いこだわりを持って生きていました。あるいは、民族間の軋轢や理不尽な歴史のしがらみを背負いながらも懸命に生き抜く姿に魅せられ撮り続けてきました。ところがそれらの辺境の地にあっても、昨今、人々の意識は劇的に変わりつつあります。
グローバリーゼーションのひとつの局面である、効率、利便性といった共通の価値観にむかって、地球上があたかもアイロン掛けされた一枚のシーツであるかのように急速に、画一化、平準化されつつあるというのが、私の印象です。
一方において、"21世紀は宗教の世紀"でもあります。画一化が進行するなかで、あるいは民族紛争によって呼び覚まされた、自らの文化への強い帰属意識が宗教の復興というかたちで地球規模で高まっており、今日の潮流をなしています。30年余にわたって撮り続けてきました、"祈りと巡礼"の総集編「PILGRIMAGE」(日本版、「地球巡礼」)が、このたび7カ国語版にて同時刊行されることとなりました。本展は、最新作であるアンデスとインドを中心に、サハラ、メッカ、チベットなどを加えた約100点により構成するものです。
作家プロフィール
野町 和嘉(のまち かずよし)
- 1946年
- 高知県生まれ。
- 1971年
- フリーの写真家として活動開始。
- 1972年
- サハラ砂漠に旅したことをきっかけに、ナイル、モロッコ、エチオピア、グレート・リフトバレーといったアフリカの乾燥地帯の取材を続ける。その後、舞台を中東、アジアに移し、チベット、サウジアラビアなどの長期取材を経て、現在アンデスと取り組んでいる。
- 1979年
- 最初の写真集「サハラ」により日本写真協会新人賞受賞。
- 1982年
- 米国報道写真家協会年度賞雑誌部門銀賞受賞。
- 1984年
- 土門拳賞受賞。
- 1990年
- 「長征夢現」「ナイル」により芸術選奨文部大臣新人賞、日本写真協会年度賞受賞。
その後も多くの賞を受賞し、地域に根ざした自然と人間の生きざまを地球規模で精力的に描き続けている。
著作権について
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