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動画性能 EOS R5 Mark II

動画性能の進化

CINEMA EOSとの融合

さまざまな仕様をCINEMA EOS SYSTEMと共通化。ファイルサイズの軽いProxy動画のスロット2への同時記録※1など撮影をサポートする機能のほか、CINEMA EOS風のクイック設定画面を追加。EOSシリーズ初※2となるカスタムピクチャーも採用しました。EOSとCINEMA EOS SYSTEMが混在した映像制作において、編集作業の効率化を図れるよう、記録したデータを共通のワークフローで処理することも可能に。また、8K/60P RAW、4K/60P SRAWをカメラ本体だけで収録。フルHD/30P動画を記録しながら、約3320万画素の静止画を同時に記録できる動画撮影中静止画記録※3や、Canon Log 3に加えCanon Log 2を搭載するなど、機能も拡充。静止画と動画。映像表現に双璧の力をもたらすカメラへと進化を遂げました。

  • ※1
    スロット1 記録設定が100fps以上の場合、Proxy記録はできません。
  • ※2
    CINEMA EOSシリーズを除く。
  • ※3
    バッテリーパック LP-E6P/DCカプラー DR-E6P使用時のみ可能です。[動画撮影中静止画記録:入]設定時、動画はXF-AVC S YCC420 8bit、フルHD、29.97/25.00 fps、Long GOPで記録、静止画は7680×4320(8K)、アスペクト比16:9、JPEGで記録。カード1に動画、カード2に静止画が記録されます。

8K 60P RAW内部記録

8K/60P RAW、4K/60P SRAW内部記録に対応

5種のメイン記録形式を選択可能。8K/60P RAWをはじめ、EOS初搭載となる4K DCI SRAW/2K DCI Fine、2K DCI/フルHD Fineの記録形式を選択可能でカメラ本体に収録できます。4K DCI Fine、4K UHD Fine、2K DCI Fine、フルHD Fine選択時は、オーバーサンプリングによる高画質なMP4動画が撮影可能。より低ビットレートでファイルサイズが小さいRAW(軽量)も選択できるため、編集時間やファイルの扱いやすさを重視するときに便利です。

  • 60P/50P時は軽量RAWになります。
XF-HEVC S/XF-AVC S(MP4) SRAW RAW
8K DCI(8192×4320)

29.97/25.00fps
23.98/24.00fps
4K DCI(4096×2160)

119.88/100.00fps
59.94/50.00fps
29.97/25.00fps
23.98/24.00fps
2K DCI(2048×1080)

239.76/200.0fps
119.88/100.00fps
59.94/50.00fps
29.97/25.00fps
23.98/24.00fps
4K DCI(4096×2160)

59.94/50.00fps
29.97/25.00fps
23.98/24.00fps
8K DCI(8192×4320)

59.94/50.00fps
29.97/25.00fps
23.98/24.00fps
8K UHD(7680×4320)

29.97/25.00fps
23.98fps
4K UHD(3840×2160)

119.88/100.00fps
59.94/50.00fps
29.97/25.00fps
23.98fps
フルHD(1920×1080)

239.76/200.0fps
119.88/100.00fps
59.94/50.00fps
29.97/25.00fps
23.98fps
- -
- 4K UHD クロップ(3840×2160)

59.94/50.00fps
29.97/25.00fps
23.98fps
フルHD クロップ(1920×1080)

119.88/100.00fps
59.94/50.00fps
29.97/25.00fps
23.98fps
- -
- 4K DCI クロップ(4096×2160)

59.94/50.00fps
29.97/25.00fps
23.98/24.00fps
2K DCI クロップ(2048×1080)

119.88/100.00fps
59.94/50.00fps
29.97/25.00fps
23.98/24.00fps
- -

EOS初、2K DCIの内部記録に対応

EOS R5よりさらに記録フォーマットの種類を増やし、4K-DCI SRAW、2K-DCI Fine、2K-DCI、フルHD Fineにも新たに対応。2K DCIは、CINEMA EOS以外ではEOS初搭載で、4Kオーバーサンプリングによる高画質MP4動画に対応しています。

  • CINEMA EOSシリーズを除く。

プロ仕様に耐えるXF-HEVC S/XF-AVC Sを新採用

従来のDCF準拠MP4ではできないワークフロー対応を可能にする新ファイルシステム、XF-AVC S/XF-HEVC Sフォーマットを採用。CINEMA EOSと仕様を共通化することで、EOSとCINEMA EOSが混在した撮影でも共通したワークフローで処理が可能となり、編集作業を効率化します。

4K/120P、フルHD/240Pハイフレームレート動画

4K DCI/UHDで119.88fps、2K DCI/FHDで239.76fpsのハイフレームレート動画が記録できます。スポーツや動物など動きの速い被写体や、一瞬の動きを滑らかに表現。撮影意図に応じた印象的なスローモーション効果が得られます。

  • 「ハイフレームレート:入」時(119.88/100.00fpsおよび239.76/200.00fps)は、音声は記録されず、29.97fps(NTSC)/25.00fps(PAL)のスローモーション映像が記録されます。HDMI出力映像信号は59.94/50.00fpsになります。
  • 「ハイフレームレート:切」時(119.88/100.00fpsおよび239.76/200.00fps)は、音声が記録され、高フレームレートのデータとして記録されます。カメラ再生時およびHDMI出力映像信号は59.94/50.00fpsになります。
  • 1回の撮影上限時間「ハイフレームレート:入」119.88fps/100.00fps設定時:最大約1時間30分、239.76fps/200.00fps設定時:最大約45分、「ハイフレームレート:切」100.00fps以上設定時:最大約2時間、59.94fps以下設定時:最大約6時間。

Canon Log 2/Canon Log 3に対応

Canon Logとはグレーディングを前提としたガンマのこと。EOS R5 Mark IIでは、Canon Log 3に加え、暗部の階調性が高く最大16+stopsの広いダイナミックレンジを実現するCanon Log 2を新搭載。ワークフローやポスプロでの画づくりに合わせた選択が可能です。

  • 4K DCI Fine / 4K UHD Fine 29.97fps、25.00fps撮影時

[Canon Log 2]暗部の階調性を優先

フィルムの特性に近いCanon Log 2。Canon Log 3と比べ中間から暗部の階調性が高く、さらに広い領域でリニアな出力を得られます。そのため、輝度を変えたときの色の変化を抑え、階調を保ったまま編集が可能。映画制作など、Cineon Logをベースに考えられた制作環境との親和性が高いLogです。

[Canon Log 3]暗部のノイズを抑制

階調を整える程度の簡易なグレーディングでも画づくりができる、扱いやすさが特徴。暗部を締めることによりCanon Log 2と比べてノイズが出にくく、広いダイナミックレンジを確保できます。

動画撮影中に静止画の同時記録が可能

フルHD/30Pの動画を記録中に、高画質な8K画素の静止画(16:9、JPEG、約3320万画素)を同時に記録できる「動画撮影中静止画記録」を新搭載。動画撮影中にシャッターボタンを全押しすることで、動画撮影を停止せずに静止画を記録できます。機材やカメラマンを別々に手配することなく撮影を完結できるため、業務効率が向上します。

  • バッテリーパック LP-E6P/DCカプラー DR-E6P使用時のみ可能です。[動画撮影中静止画記録:入]設定時、動画はXF-AVC S YCC420 8bit、フルHD、29.97/25.00 fps、Long GOPで記録、静止画は7680×4320(8K)、アスペクト比16:9、JPEGで記録。カード1に動画、カード2に静止画が記録されます。 
動画撮影中に静止画の同時記録

シャッターボタンを押す前まで遡って動画を記録するプレ記録

CINEMA EOSシリーズに搭載している「プレ記録」を新搭載。記録開始の3秒/5秒前まで遡って動画を記録することが可能。不意に訪れるシーンの撮り逃しを防ぐほか、シーンの変化を待つ間記録を停止しておくことも可能に。不要な映像が減り、ファイルサイズや編集作業の負荷を軽減できます。

  • RAW動画撮影、ハイフレームレート動画撮影、タイムラプス動画撮影、HDMI RAW出力時はプレ記録ができません。
  • プレ記録使用時は温度が上昇しやすくなりますので、長時間撮影する場合にはフレームレートを下げるか、フルHDでの撮影をお勧めします。
プレ記録

Proxy動画をスロット2に同時記録可能

高画質で大容量のオンライン編集用データと、ファイルサイズの軽いオフライン編集用Proxyデータを同時記録可能。 FTP送信やimage.canon送信、image.canon経由でFrame.ioへ、編集チームにデータを送信する際、軽量のProxy動画を先行して送信することでリードタイムが削減でき、編集作業の効率化に貢献します。また、RAWとLookファイルを併用することでProxyのみLUTを適用することも。オリジナルファイルを変更することなく、Lookのプレビューや調整が可能です。

  • スロット1の記録設定が100fps以上の場合、Proxy記録はできません。
Proxy動画

8Kタイムラプス動画

一定間隔で撮影した静止画をつなげて記録するタイムラプス動画も、8K記録に対応。4K・フルHDでの記録も可能です。撮影間隔は2秒から99時間59分59秒まで、撮影回数は2回から3600回まで設定可能で、被写体に合わせた撮影を行うことができます。

  • 動画サーボAF・動画電子IS・音声記録は動作しません。

8Kオーバーサンプリング

8Kオーバーサンプリングによる、4K DCI Fine/4K UHD Fineを選択可能。8Kセンサーの豊富なデータから生成される4Kは、モアレや偽色、ジャギー、ノイズが少なく、より繊細な映像表現を可能にします。

  • 60Pが必要な場合は、4K(Normal)、または4K動画クロップ撮影となります。
  • 4K Fineは撮影時間が制限される場合があります。

8Kフレーム切り出し

撮影した8K/4K動画の1フレームを、静止画(JPEG/HEIF)として保存可能です。

8K DCI 約3540万画素(8192×4320)
UHD 約3320万画素(7680×4320)
4K DCI 約880万画素(4096×2160)
UHD 約830万画素(3840×2160)
  • 通常動画はJPEG画像、HDR PQ動画はHEIF画像として保存されます。
  • RAW動画からの切り出しはできません。
  • 切り出した静止画は、カメラ内でリサイズ、トリミング、アップスケーリングできません。
  • [CP機能:入]で撮影した動画から静止画のフレームを切り出すことはできません。

動画縦位置情報の付加

動画に撮影時のカメラの縦横情報を追加することができます。

  • RAW動画撮影時は、メイン動画(RAW)・Proxy動画(MP4)ともに縦位置情報は付加されません。

ウィンドカット/アッテネーター機能

風によって発生する音を低減するウィンドカットや、大きな音が入力されたときの音割れを自動で抑制するアッテネーターが搭載されています。

動画クロップできる記録サイズが拡大

4K/60Pのほか、2K/120P※1、フルHD/120P※1でもクロップ撮影が可能。被写体や表現意図に合わせて、任意の設定が可能です。

  • [ハイフレームレート:切]時は、音声が記録され、動画再生時は等倍速で再生されます。[ハイフレームレート:入]時は、音声は記録されず、29.97fps(NTSC)/25.00fps(PAL)で再生されます(スロー再生されます)。exFATでフォーマットされたカードのみ記録可能です(FAT32カードへの記録不可)。
  • RF/EFレンズ使用時は、[動画クロップ:する/しない]を選択可能です。
  • RF-S/EF-Sレンズ使用時は、動画クロップ撮影となります。
  • 解像度8K-DCI/8K-UHDでは動画クロップ撮影はできません。
  • RAW動画撮影時は、クロップ撮影はできません。

LPCM/24bit/4chで臨場感あふれる音声入力が可能

音声入力では、24bitでの記録が可能に。さらに4chの音声入力に対応。外付けマイクや内蔵マイクなどを複数組み合わせて、インタビュー撮影、環境音の同時収録、楽器とボーカルでマイクを分けたライブ撮影、カメラマンの音声メモなどさまざまなシーンで活用できます。

動画でも多彩なAF性能

新次元のトラッキング性能を動画でも

新エンジンシステム「Accelerated Capture」とディープラーニング技術により進化したAF機能は、動画撮影時にも効力を発揮。複数人物のうち一人を追いかけたいシーンでも、被写体がフレームアウトするシーンでも、強力で高精度なAFがカメラまかせの撮影を実現。ワンマンオペレーションをサポートします。

[被写体検出]

静止画同様に、人物・動物・乗り物を検知しトラッキングします。

動画でもトラッキング交錯対応、上半身検知、頭部領域推定による障害物回避に対応。複数の被写体が入り交じるシーンでも、AFが主被写体以外に乗り移りにくくなっています。

[登録人物優先]

静止画と同様、撮影したい人物を登録しておくことで、複数の人物がいる場合でも特定の人物を優先して追尾します。

[検出限定AF]

画面内に被写体が検出されなくなるとフォーカシングを待機。被写体が構図から外れたときにピント位置を固定することで自然な映像表現効果を得られます。

こだわりのフォーカス表現をサポート

AF、MFを駆使したこだわりのフォーカス表現を、多彩な機能でサポート。ドキュメンタリーからシネマ、動物撮影など幅広いケースに応用できます。

[フォーカスブリージング補正]

フォーカシングによる画角の変化を、光学設計値に基づいてカメラが自動的に補正。フォーカスを動かした表現の際、フォーカスブリージングを抑えた高品位な映像が記録できます。RAW動画※1でも使用可能。

  • ※1
    補正にはCinema Raw Development、もしくはDigital Photo Professionalが必要となります。

[動画サーボAF時のAF速度]

動画サーボAF

動画サーボAF時のピント送りの速度を10段階で設定可能。撮影意図に合わせた細かな設定が行えます。

  • 動画撮影時の低速ピント送りに対応しているレンズ使用時に設定が可能です。

[フォーカスガイド]

MF時、現在のフォーカス位置から合焦位置への調整方向(合焦/前ピン/後ピン)と調整量をガイド枠で視覚的に表示。スムーズで厳密なピント合わせが行えます。

高感度・高画質

常用最高ISO感度25600

動画撮影時の常用ISO感度は100〜25600。Accelerated Captureシステムにより、暗いシーンでも、よりノイズを抑えた美しい映像を記録できます。

最高シャッタースピード1/8000秒

動画撮影時の最高シャッタースピードは、1/8000秒。屋外で大口径レンズを開放で使いたい時などに役立ちます。

  • タイムラプス動画撮影時は、上限が1/4000秒となります。

ローリングシャッター歪みを大幅に低減

Accelerated Captureシステムによりデータ読み出し速度が高速化。動画撮影時のローリングシャッター歪みも大幅に低減しています。

EOSシリーズ初、カスタムピクチャー搭載

カスタムピクチャー搭載

従来のピクチャースタイルに加えて、CINEMA EOSシリーズと共通のカラープリセット「カスタムピクチャー」を新搭載。色味やコントラストなどの細かな設定や、CINEMA EOSとの親和性の高い画づくりが可能となりました。

  • CINEMA EOSシリーズを除く。同時発表のEOS R1にも搭載。

[ユースケースに合わせて2つの画づくり設定を使い分け可能]

静止画をベースとし、発色の良い肌色再現や記憶色に基づいた色再現を行う「ピクチャースタイル」と、CINEMA EOSから継承し、なめらかなスキントーンと自然な色再現を行う「カスタムピクチャー」。2つのカラーサイエンスを、ユースケースに合わせて使い分けることができます。

ピクチャースタイル カスタムピクチャー
・デジタル一眼レフEOS 5Dから継承されている静止画と同じ画づくり
・プリセット変更でさまざまな画づくりが簡単に可能
・コントラストや色などを簡単に調整、Picture Style Editorでより広い調整が可能
・従来のピクチャースタイル同様に、発色の良い肌色再現や記憶色に基づいた色再現
・CINEMA EOS シリーズから継承した設定、CINEMA EOS以外のEOSシリーズにて初搭載
・SDR撮って出し設定として、シネマ・フィルムライクな画づくりができるCanon 709や放送向けの画づくりを提供する709 Std
・カラーグレーディングを前提として広いダイナミックレンジを持つCanon Log 2/Log 3
・HDR環境視聴用にHDR撮って出し前提のPQ/HLG等を搭載
・いずれの設定もCINEMA EOSで培われたカラーサイエンスをそのまま踏襲した、なめらかなスキントーンと自然な色再現
・3D LUTをカメラ内に登録し、LUTを適用した収録が可能になるLook file機能を使用可能

[使用目的に合わせたガンマ/色空間を選択可能]

肌のトーンを最重要視しつつフィルムライクな画づくりを実現するCanon709や、静止画でなじみある画づくりが可能なピクチャースタイル、BT.709規格に準拠したBT.709 Stdなど、ガンマ/色空間の選択肢が増加。撮って出しの撮影でも最適な設定を選択できます。

SDR
  ガンマ ダイナミックレンジ ベースISO感度 特徴
ピクチャースタイル(PS) 通常(SDR) 200%(D+時 400%) 100(D+時 200) 従来のEOSと同様の画づくり、静止画と同じ画づくりで撮影。ピクチャースタイル設定で簡単に調整が可能。
カスタムピクチャー(CP) Canon 709 800% 400 BT.709 Standardよりも広いダイナミックレンジを確保しつつフィルムライクかつコントラストのある、撮って出し向け・作品向けの設定。
BT.709 Std 約300% (317%) 160 撮って出しを想定した709準拠設定。報道等709規格のガンマがワークフロー上必要な場合に有効。HDMI出力も可能であるため、HDMIからBT.709 Standard記録が必要なケースにも対応。
HDR
  ガンマ ダイナミックレンジ ベースISO感度 特徴
ピクチャースタイル(PS) HDR PQ 200%(D+時 400%) 100(D+時 200) ピクチャースタイルの画づくりをベースにHDR PQ規格に則った撮影、静止画と同様の画づくり。ピクチャースタイル設定で簡単に調整が可能。1000nit以上のモニターでの閲覧を想定。
カスタムピクチャー(CP) PQ 800% 400 従来のCINEMA EOSのPQ設定と同様に放送向けの画づくりをベースとし、1000nit以上のモニターでの閲覧を想定した設定。
HLG 約300% (317%) 400 広いダイナミックレンジを確保しつつコントラストのある、撮って出し向け・作品向けの設定。1000nitに満たないモニターでの閲覧も想定したHDR用設定。

撮影フォーマットの設定自由度が向上

EOS R5やEOS R3よりもカラーサンプリング・bit深度・コーデックの設定自由度が向上。MP4設定時に、H.264でのCanon Log撮影や4:2:2 10bit撮影、H.265での4:2:0 10bit撮影など、ファイルサイズを気にする撮影や、高画質にしつつNLEで動作が重いためHEVCを避けたい場合など、ワークフローに応じた設定を可能にします。

Logの階調を確認しやすい「CMT 709」LUT

Log撮影時のモニタリングLUTやグレーディングの出発点としてのBT.709変換LUTとして適している「CMT 709」。カメラではビューアシストを入れることで自動的に「CMT 709」が適用されます。Canon Logの階調を維持してBT.709のカーブに収めているため、モニタリング時にハイライト側の階調の残り具合を確認しやすく、撮影現場での画づくりもスムーズに行えます。また、ポストプロダクションにおいて、Logの映像にBT.709変換LUTとして適用することで、グレーディングのベースになるトーンを作ります。

操作性

カメラの正面からREC状況がわかるタリーランプ

タリーランプ

赤色点灯により動画撮影中であることを知らせるタリ―ランプをEOS初搭載。リモコン操作中などカメラから離れているときでもカメラのステータスを確認できます。

  • CINEMA EOSシリーズを除く。タイムラプス動画撮影時は点灯しません。

撮影者が視認しやすい動画記録中の赤枠強調表示

赤枠強調表示

動画撮影中、画面の外周に赤枠を点灯表示。動画撮影中であることが一目でわかることで、撮影ミスを減らします。

RFレンズの操作カスタマイズ

対象RFレンズ使用時、ボタン・リングの機能割り当てを変更することで、動画撮影時の操作を快適にすることができます。

[パワーズーム機能をカメラ側のボタンに割り当て可能]

パワーズーム機能

RF24-105mm F2.8 L IS USM ZとパワーズームアダプターPZ-E2/E2Bを装着時、パワーズームの機能をカメラ側の任意のボタンに割り当てることが可能。手持ち撮影などで、レンズ側からの操作が難しい場合に便利です。また、EOS Utility/Camera Connect/ワイヤレスリモートコントローラー BR-E1を使い、無線でズーム操作することも。リグ装着時やクレーン使用時など直接操作が難しい場合にも柔軟に対応します。

[フォーカスリングをコントロールリングとして設定可能]

コントロールリング

RF24-105mm F2.8 L IS USM Zを使用時、フォーカスリングをコントロールリングとして設定可能。絞り設定やISO設定を割り当てることで、動画記録中でも操作音と振動を抑えて設定を変更できます。

波形モニター/ゼブラ表示/フォルスカラー

CINEMA EOSシリーズの3つの標準表示機能を搭載。波形モニターは、入力信号の輝度レベルをリアルタイムに表示。映像全体の輝度レベルを常に把握しながら撮影できます。ゼブラ表示は、あらかじめ設定した輝度レベルを超えた領域にゼブラパターンを表示。白トビの抑制に有効です。フォルスカラーは、輝度信号レベルに応じた6つの色を重ね、映像の露出状態を可視化。波形モニターやゼブラ表示より、さらに細かく露出レベルを確認できます。

波形モニター
波形モニター
ゼブラ表示
ゼブラ表示
フォルスカラー
フォルスカラー

HDMI Type-Aを採用し、HDMI RAWの出力に対応

出力端子は汎用性が高く、接続時の安定性も高いHDMI Type-Aを採用。EOS R5 Mark IIに対応するATOMOS製品とHDMI接続することで、最大8K/30PのProRes RAWを外部記録可能。Canon Log 2より豊富なデータを持つRAW記録ができることで、後工程のワークフローとの親和性を確保でき、制作系の用途で活用しやすくなります。同時に、CFexpressカードに2K-DCI MP4のProxyデータを内部記録することもでき、効率的なポストプロダクション運用を提供します。

  • 2024年7月現在。NINJA V+/Ninja ULTRA/Shogun ULTRAとの接続にはHDMIケーブルが必要です。
  • [動画クロップ:する]選択時はHDMI RAWの出力はできません。
  • HDMI RAW出力される映像にはCP設定が適用されます。
  • HDMI RAW出力されるオーディオ形式はLPCM/16bit/2CHに固定されます。出力される2CHの信号は[音声モニター]で選択可能です。
  • バッテリーパック LP-E6P/DCカプラー DR-E6P以外の電源を使用時しているときはHDMI RAWの出力はできません。

動画セルフタイマー

動画撮影時のセルフタイマーは、[切/10秒/2秒]から選択可能です。

手ブレ補正

動画撮影時も手ブレを強力に抑制

ボディー内5軸手ブレ補正

ボディー内5軸手ブレ補正は動画撮影時も有効。手ブレ補正機構を搭載しないRF/EFレンズ※1使用時も、レンズに応じて広角側から望遠側まで適切に手ブレを補正。動画電子IS※2をオンにすることで、カメラ内・レンズ内・電子ISの、3つのISで協調制御し、より大きな補正効果を発揮します。手持ち撮影や歩き撮りでも安定した映像を記録できます。

  • ※1
    CINEMAレンズ、EOS VRシステム用レンズを除く。
  • ※2
    動画電子IS使用時は、撮影範囲が狭くなります。

[IS性能が進化]

アルゴリズムの改善により、Yaw/Pitch/Roll方向のブレをEOS R3よりも抑制。シャッタースピードが速い(1/焦点距離近辺)ときでも生じうる微小なブレを抑制することで、室内ポートレートのようなシーンにおいて、レンズの高い解像力を活かした高精細な静止画撮影が可能となります。

[周辺協調制御に対応]

対応レンズ使用時は、中心だけでなく広角特有の画面周辺の手持ち時のブレを抑制。画面全体でよりブレを抑えて高画質かつ幅広いシャッタースピードで撮影できます。

  • 対応するレンズについては、EOS R5 Mark IIの「補足情報」をご参照ください。

ワークフロー

ワークフローの効率化

ソフト・ファイルシステムをCINEMA EOS SYSTEMと共通化することにより、より効率的な編集作業が可能となりました。カメラ内RAW動画は、キヤノン製デジタルシネマカメラで撮影したRAW形式の映像素材に対応したソフトウエア「Cinema RAW Development」や「Digital Photo Professional」、プラグインで現像対応が可能です。また、MP4動画はビデオフォーマットXF-HEVCおよび XF-AVC に対応した動画データの取込み・再生・管理と、静止画データへの切り出しを行うためのソフトウエア「Canon XF Utility」で再生が可能です。

  • Apple Final Cut Pro Plugin/Avid Media Composer Plugin/Plugin Prores RAW for Final Cut Proにより、RAW動画にてレンズ収差補正を使用することができます。
ワークフローの効率化

[新ファイルシステム、XF-HEVC S/XF-AVC S]

CINEMA EOSシリーズと仕様を共通化したファイルシステムXF-HEVC S/XF-AVC Sを採用。EOSとCINEMA EOSが混在した撮影でも共通したワークフローが可能に。ロングファイルネームへの対応、フォルダ構造を静止画と分離、XMLにNews Metadata記録(News ML-G2規格に対応)、フレームごとのメタデータ記録に対応、LPCM/24bit/4CHに対応、CINEMA EOSシリーズと共通ビットレートに統一、設定用XMLを他カメラに読み込ませることで動画メタデータ設定のコピーが可能など、プロユースに耐える仕様を実現しています。

XF-HEVC S/XF-AVC S

News Metadata(NewsML-G2規格)に対応

News Metadataは、ニュースのコンテンツ、メタデータ、構造、関係性を統合的に表現できる、XMLベースの標準フォーマットです。NewsML-G2規格に対応したメタデータを動画ファイルに付与することで、報道テレビ局向けのワークフローに対応しました。News Metadataの編集・書き込みは、撮影前だけでなく、Content Transfer Professionalを使用することで撮影後でも行えます。

  • METADATA EXCHANGE FOR NEWS RECOMMENDATION DPP002 Ver1.1.1に準拠。
  • XMLTAGフォルダに最大100件のXMLファイルが保存可能です。

有線配信/無線配信機能

UVC※1/UAC(有線配信)に対応※2。EOS R5 Mark IIをUSBケーブルでパソコンにつなぐだけで、ビデオ通話やライブ配信用カメラとして活用可能。高画質や高感度、大きなボケ表現を活かした映像配信を実現します。また、RTMP/RTMPS(無線配信)にも対応。Camera Connectがインストールされたスマートフォンに、ルーターまたはテザリングにより無線接続することで、屋外でも屋内でも、PCレスでより自由度の高いライブ配信が行えます。どちらの接続方法も、カスタムピクチャーやLook機能が使用でき、シネマ寄りの画づくりでも配信可能です。豊富な交換レンズやアクセサリーを組み合わせることで、さらに多彩な配信を楽しむことができます。

  • ※1
    フルHD/30Pのみの対応です。
  • ※2
    ライブ配信された動画はカメラ内には保存されません。

より快適な動画撮影のために

温度上昇にともなう撮影時の制限

動画撮影中の安全を確保するため、カメラ内部の温度上昇を抑える機能や、温度が上昇した際に知らせる/自動で電源をオフにする機能が搭載されています。

動画記録画質 連続撮影可能時間(最大・約)
自動電源オフ温度
標準
カメラ単体 ファンの回転速度
(CF-R 20EP装着時)
カメラ単体 ファンの回転速度
(CF-R 20EP装着時)
低速 中速 高速 低速 中速 高速
8K 60p 軽量(RAW)+2K 60P LGOP RAW+MP4 18分 - - 21分 18分 - - 21分
8K 30p LGOP MP4 26分 42分 50分 106分 37分 75分 103分 120分以上
4K 120p LGOP MP4 22分 - - 26分 22分 - - 26分
4K 60p LGOP MP4 45分 - - 熱による制限なし 120分以上 - - 熱による制限なし
4K 30p(Normal) LGOP MP4 120分以上 - - - 熱による制限なし - - -
フルHD 240p LGOP MP4 25分 - - 33分 25分 - - 33分

温度上昇緩和/温度上昇警告表示

撮影準備状態においてライブビュー表示の解像度と映像フレームレートを自動的に変更することでカメラ内部の温度上昇を抑制する機能が搭載されています。また、動画撮影中にカメラ内部の温度が所定の温度に達すると、アイコンとインジケーターが表示される仕様となっています。

温度上昇緩和/温度上昇警告表示

温度上昇時の自動電源オフ

動画撮影中にカメラ内部の温度が高くなった場合に、内部デバイスの損傷防止などの観点から自動的に電源がオフとなる仕様が搭載されています。[自動電源オフ温度:標準/高]の2種類から選択でき、[高]設定時は、発熱したカードに触れた際のやけど防止、発熱した外装に触れ続けた際の低温やけど防止などの撮影制限が行われず、内部デバイス温度による撮影制限のみとなります。そのため、一部の動画記録サイズで、撮影環境や使用するカードによっては、連続撮影可能時間を延長できることがあります。ただし、手持ち撮影を避けて、三脚などを使用して撮影を行ってください。また、カードが高温になる場合があるため、カードを取り出す際はやけどに注意してください。