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表現力 EOS R5 Mark II

HDRディスプレイ環境

HDR PQ(HEIF)撮影

有効画素数約4500万画素のCMOSセンサーが捉えた豊富な情報を活かし、肉眼で見たようにリアルな画像を生成できるHDR PQ※1撮影。SDRより幅広い明るさを表現できるHDRディスプレイ環境では、今までは表現できていなかった光の強弱をよりリアルに感じることができます。また、オートライディングオプティマイザ※2や高輝度側・階調優先も同時に設定可能。コントラストを適切に調整し、暗部から明部まで、よりいっそう階調豊かな画像を得ることができます。

  • ※1
    Perceptual Quantization。緻密な階調、広い色域で人間の視覚に沿った画作りを行うガンマカーブのことを指します。HDR PQ撮影は、ITU-R BT.2100が定義するPQ規格に準拠したHDR画像を記録します。
  • ※2
    顔ライティング補正は設定できません。

[10bit HEIF記録]

HDR PQで撮影した画像は、JPEGの最大4倍(理論値)の階調を持つ10bitのHEIF形式で保存されます。また、sRGB/AdobeRGBよりもさらに色域が広いBT.2020、人間の視覚に近いHDR PQガンマで記録されるため、ダイナミックかつリアルな表現を楽しむことができます。

[HEIF→JPEG変換]

HEIF画像は、カメラ内でJPEGに変換することができます。最大999枚の画像を一括で変換することが可能です。

  • カメラ内アップスケーリング画像・リサイズ画像・トリミング画像およびHDR PQ動画からフレーム切り出しされたHEIF画像は変換できません。

[RAW→HEIF変換]

RAW画像をHEIF画像に現像する際、オートライティングオプティマイザの設定が可能。また高感度撮影時のノイズ低減選択時には、新たにニューラルネットワークノイズ低減の選択ができるようになりました。

深度合成

フォーカスブラケット撮影/深度合成

従来は撮影後にDigital Photo Professionalでの合成処理が必要だった深度合成が、カメラ内で可能に。PCがない環境でも絞りを絞らずに手前から奥までピントの合った高精細な画像を手軽に生成できます。

  • JPEG/HEIF/RAW/C-RAW画像が撮影可能です。AFフレームは、ピント合わせを行った1枚目の位置で2枚目以降も表示されます。AFでピントが合っていないときは撮影を開始できません。ワンショットAF合焦後、MFによるフォーカス移動に対応しています。フォーカスブラケット撮影時は、シャッター方式が電子シャッターに固定されます。また、ピクチャースタイルが[オート]のときは[スタンダード]で撮影されます。シャッタースピード、絞り数値、ISO感度、ピクチャースタイル、ホワイトバランスは撮影1枚目の設定で固定されます。シャッタースピードは最高約1/8000秒となります。対応するレンズについては、こちらをご参照ください。

[フォーカスブラケット撮影]

1回のレリーズで、カメラが自動的にピント位置を変えながら連続撮影。深度合成を行うことで手前から奥までくっきりとした画像が生成できます。被写界深度が浅くなりやすいマクロ撮影や、絞り込みすぎて画質の低下が気になるシーンなどで有効です。連続撮影枚数は2~999枚、ステップ幅は10段階で設定可能。リモコンの使用、EOS UtilityおよびCamera Connectからの撮影も可能です。

[カメラ内で深度合成が可能]

フォーカスブラケット撮影の設定時、深度合成を[する]に設定することで、カメラが自動的に合成処理を行います。合成処理の画像位置合わせ時に画角が不足していた場合、不足した画角をカットするように画像をクロップする深度合成トリミングの設定も可能です。

ホワイトバランス

オートホワイトバランス精度が向上

測光ブロックの細分化やディープラーニング技術による検出性能の向上、アルゴリズムの改善により、各シーンでのオートホワイトバランス精度が向上。露出やホワイトバランスをカメラまかせにできるシーンがさらに拡大しました。

改善シーン オートホワイトバランス改善 AE改善
草芝検知 緑を鮮やかに再現
画面内に緑色の植物(草、葉、芝)などが多いシーンではやや青みがかった撮影結果になることがありましたが、緑をより鮮やかに再現できるようにしています。
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青空検知 薄曇りの空が赤みがかるのを解消
青空ほどではない、薄曇りの色の空でも「空」を検知し、従来、全体が赤く転びがちだった色味を適正なホワイトバランスに調整します。
空の色味に影響を受けない動画AEの改善
動画時のAEを改善。空の色味に引っ張られずに被写体の明るさを適正な露出に調整します。
肌検知 肌の色を検知して適切な色味に
顔検知なし、色温度が低い光源などにより、肌の色が正確に出なかったシーンも、「肌」を検知することにより適正な色味に調整します。
サングラスやマスクをしていても適正露出
サングラスやマスク、横から光を受けるシーンでも顔の中の肌の領域を判別し適正露出で撮影。オートライティングオプティマイザとも連携し、適正なコントラストに調整します。
日陰(検知非対象) 日陰で色が青みがかる現象を解消
アルゴリズムの改善で、日陰で被写体の色味が青に転ぶ現象を解消し、適正な色味に調整します。
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ピクチャースタイル

8つのピクチャースタイルを搭載

プリセットされているピクチャースタイルは8つ。静止画・動画ともに適用でき、イメージに合った仕上がりが、後処理なしで得られます。各ピクチャースタイルは、シャープネス、コントラストなどの項目を自由に設定することも可能です。

[搭載ピクチャースタイル]

オート/スタンダード/ポートレート/風景/ディテール重視/ニュートラル/忠実設定/モノクロ/ユーザー設定1〜3から選択が可能です。

明瞭度

エッジ部分のコントラストを調整する明瞭度

静止画・動画撮影時、画像全体の白トビや黒つぶれを抑制したまま、エッジ部のコントラストを調整可能。遠景をくっきりさせたいとき、人物をソフトに表現したいときなどに有効です。±4段階の7段階で設定することができます。

多重露出

自由度が増した多重露出撮影

撮影画像をカメラ内で合成し、ひと味違う作品に仕上げる多重露出撮影が、すべてのRF/EFレンズでできるようになりました。また、レンズ光学補正/オートライティングオプティマイザ/明瞭度/高輝度側・階調優先や、1枚目撮影後のピクチャースタイル・ISO感度の変更にも対応し、より自由な表現が可能となりました。重ね合わせが可能な枚数は2~9枚。[機能・操作優先][連続撮影優先]の2モードを搭載しています。

  • 合成画像のRAW画像を記録することはできません。

[機能・操作優先]

撮影途中にメニュー画面の表示やAFモード・ドライブモードなど撮影機能の切り替えが可能な設定です。画像を重ねるたびに結果を液晶モニターで確認できるほか、思い通りの結果になるまで撮影をやり直すこともできます。重ね合わせ用に撮影した全画像を保存できます。

[連続撮影優先]

高速連続撮影した被写体を1枚の画像に重ね合わせます。撮影途中にメニュー画面の表示、撮影直後の画像確認、画像再生、撮影のやり直しができない設定です。スポーツや動物などの撮影に効果的です。

  • 連続撮影時は、設定枚数撮影後、自動停止します。
  • 影画像は多重露出画像のみ保存されます。

4つの多重露出制御

画像の重ね合わせ方は、以下の4種類から選択可能です。

[加算]

設定した露光量をそのまま加算。画像ごとに露出を変えると、明るさの変化を多重画像に反映できます。

[加算平均]

各画像の明るさを平均化して重ね合わせ。さらに、仕上がりが標準露出になるよう自動調整します。 

[比較(明)]

画像を比較し、より明るい部分を優先して合成します。背景と被写体の明暗差を利用し、切り抜き合成のような効果を得ることもできます。

[比較(暗)]

画像を比較し、より暗い部分を優先して合成します。黒い被写体やシルエットに明るい画像が重ならず、引き締まったシャドーを得ることができます。

その他の機能

赤外カット・ローパスフィルター

輝度モアレや偽色を抑制する赤外カット・ローパスフィルターを搭載。撮像用フィルターは、超音波振動する複屈折水晶(水平分離、赤外光/紫外光カットコーティング)と、赤外吸収ガラスの独立した2枚の板材で構成しています。