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操作性・信頼性 EOS-1D X Mark III

光学ファインダー

視野率約100%、倍率約0.76倍。収差の少ない高品位な視野。

写真:ファインダー光学系

光学ファインダーの視野率は約100%、アイポイントは約20mm。高屈折率ペンタプリズムと高屈折率ガラスによるコンデンサレンズ、接眼レンズを使用することで、約0.76倍(50mmレンズ・∞・-1m-1)の広い視野と、覗き方によって見え方が変化しにくい高品位なファインダー像を実現しています。また、ファインダー視野外の情報表示に、コントラストが高く視認しやすい有機ELパネルを採用。低温時の応答性にも優れます。

接眼したまま設定変更できる、インテリジェントビューファインダーII。

写真:インテリジェントビューファインダーII

透過型液晶を採用。被写体から目を離すことなく、カメラの設定状態を把握・変更することが可能です。

ほぼすべての視野内情報の赤色表示を実現。

測距点を赤色に表示。黒い被写体を撮影する際に有効です。また、表示用LCDに分解能の高いドットマトリックス方式を新たに採用し、最大191点の高密度な測距点に対応。さらに、グリッドや水準器、ゾーンAF/ラージゾーンAF設定時のAFフレーム、アスペクト比、各種アイコンなども赤色表示が可能となり、背景が暗いシーンでも視野内情報を的確に把握しながらファインダー撮影が行えます。

操作性

操作性を向上させる新しい部材、スマートコントローラー。

写真:操作性

スマートコントローラーは、AFスタートボタンと兼用の新たな操作部材です。ボタントップに指で触れてスライド操作を行うと、指の動きを光学的に検出して測距点が移動します。そのまま押し込むことでAFがスタート。測距点の選択からピント合わせまでを、ひとつのボタンでシームレスに行うことが可能です。また、画像再生時は拡大表示位置の移動、動画撮影時はカメラブレや音に配慮した設定操作が行えます。

  • 測距点選択状態で測距点移動が可能。メニューにより、測光中/測光タイマー中も使用可能に変更できます。
  • スマートコントローラーを指でスライドしたときの移動量の大きさ(敏感度)を設定することができます。
  • スマートコントローラーは、電子ロック機能で無効に設定することも可能です。

メニューや再生画面の操作にも対応した、タッチパネル。

図:メニューや再生画面の操作にも対応した、タッチパネル。

モニターに静電容量方式のタッチパネルを採用。タッチ操作できる機能を拡充し、より直感的でスムーズな設定と画像確認を実現しました。従来のAFフレーム移動に加え、新たにメニュー機能の操作(指2本のダブルタップで拡大表示も可)、スワイプによる画像送り(再生時)、ピンチイン/ピンチアウトでの拡大率変更(拡大再生時)などが可能です。

  • タッチパネルは、電子ロック機能で無効に設定することも可能です。

約210万ドット、高精細になったクリアビュー液晶II。

液晶モニターは、大型・広視野角の3.2型クリアビュー液晶IIです。強化ガラス製の傷つきにくい保護カバー(汚れ防止コーティングあり)を採用。さらに液晶パネルとの間に光学弾性体を充填することにより内部反射を抑制し、鮮明で見やすい表示を実現しています。また、新たに約210万ドット(EOS-1D X Mark II:約162万ドット)の液晶パネルを搭載し、精細感も向上しています。

クイック設定画面を自在にカスタマイズ。

よく使う機能を選び、クイック設定画面の任意の場所に、見やすいサイズで配置できます(ファインダー撮影時)。通常撮影時はデフォルト画面、特定のテーマではカスタマイズ画面というように、撮影目的に応じて使い分けることも可能です。

  • 選択できるサイズは項目によって異なります。また、一部、サイズを選択できない項目があります。

俊敏な操作を実現する、操作ボタンカスタマイズ。

主要なボタンとダイヤル、マルチコントローラーの機能をカスタマイズできます。EOS-1D X Mark IIIでは、新たにスマートコントローラーのカスタマイズに対応。どの操作部に何を割り当てるか、「操作ボタンカスタマイズ」画面で一元管理でき、設定と変更が容易です。

暗いシーンでの撮影をアシストする、ボタン照明

図:暗いシーンでの撮影をアシストする、ボタン照明

三脚へのカメラ固定時や撮影前後の設定・確認時など、ファインダーから眼を離して操作する頻度が高いボタンにバックライトを搭載。表示パネル照明ボタンを押したとき、またはメニュー画面、再生画面、クイック設定画面、ライブビュークイック設定画面を表示しているときに点灯します。

信頼性

シャッター作動試験50万回をクリア。

高速駆動を支える新ミラー駆動システムは、シャッターユニットを組み込んだ状態で50万回の作動試験を実施。従来機(40万回)より厳しい目標をクリアしています。優れた耐久性を実現した背景が、合理的なメカ機構です。サブミラーバウンドを抑制する新機構の採用により、これまで必要だったストッパー機構を廃止。高トルクモーターの駆動力を、よりシンプルな仕組みで効率よく伝達する、リンク機構を新規開発。従来機よりスペックを高めつつも部品点数は少なくなり、機械的な信頼性の向上に貢献しています。また、シャッターユニットには、カーボン繊維の表面に摩擦低減処理を施した複合材料をシャッター羽根に採用。EOS-1シリーズの開発で培った技術を投入し、シャッター時間制御の精度と安定性、信頼性と耐久性を追求しました。

写真:ミラー機構

高い剛性と軽量化を両立した、マグネシウム合金製ボディー。

写真:高い剛性と軽量化を両立した、マグネシウム合金製ボディー。

前・後、上部・底部カバーに、高剛性かつ軽量なマグネシウム合金を採用。耐衝撃性、電磁シールド性、放熱性をあわせ持つ、機能的にも優れたボディーを実現しています。さらに、内部構造においてもミラーボックス、本体、電池室にマグネシウム合金を用いるほか、一つひとつのパーツの形状を最適化することにより、EOS-1D X Mark II比で軽量化を実現しました。

さまざまな撮影環境に配慮した防塵・防滴構造。

外装カバーの合わせ部にシーリング材を組み込んでいます。また、ボタンの多くにはシリコーンゴムブーツ、ダイヤルやレバーなどの可動部にOリングなどを配置。不用意に降りかかる水滴やほこりなどの侵入を抑制します※1。さらに、EFレンズ※2、EXスピードライト※2、専用ワイヤレスファイルトランスミッターWFT-E9にも同様の構造を採用。これらを組み合せることにより、撮影機材全体として防塵・防滴に配慮したシステムとすることができます。

  • ※1
    防塵・防滴性能を発揮させるため、カメラの端子カバー、バッテリー着脱つまみ、カードスロットカバーなどの開閉部をしっかり閉じてください。
  • ※1
    カメラは防塵性、防滴性に配慮した設計を行っていますが、ゴミやほこり、水、塩分などのカメラ内部への侵入を、完全に防ぐことはできません。
  • ※2
    一部機種において。
写真:さまざまな撮影環境に配慮した防塵・防滴構造。

非接触式のメイン/サブ電子ダイヤル。

電子ダイヤルの回転ステップを非接触で検出。機械的な接片がないため、磨耗や異物の挟み込みなどによる検出不良を減少でき、かつ高耐久です。これまでサブ電子ダイヤルに採用してきたこの仕組みを、新たにメイン電子ダイヤルにも展開。信頼性のさらなる向上に結びつけています。

ゴミ除去能力をさらに高めた、新セルフクリーニング機構。

写真:ゴミ除去能力をさらに高めた、新セルフクリーニング機構。

CMOSセンサー部の前面に超音波振動を与え、ゴミを除去するセルフクリーニングセンサーユニットを搭載。EOS-1D X Mark IIIでは、従来の強化ガラスではなく、水晶板でゴミ除去を行う新しい構成を採用しています。強度が高く、これまでより大きな振幅を与えることが可能。高い異物除去能力を実現しています。また、付着したゴミの座標を検出し、撮影データに付加。「Digital Photo Professional」で現像時に一括消去することも可能です。