津田 直「Storm Last Night/Earth Rain House」
本展では、津田直氏が近年訪れているヨーロッパ最西端の地域で撮影された2つのシリーズ作品を展示。
『Storm Last Night』は、「古代人は何を思想したか」という問いのもと、アイルランドのいくつかの島を巡り、臨場感あふれるパノラマフォーマットで撮影した作品。『Earth Rain House』は、スコットランドの北方にある"アウターアイランズ"と呼ばれる島々を歴訪し、その地で見た光景を切り撮った作品を展示する。
会期 | 会場 |
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2012年8月20日~2012年9月25日 | キヤノンギャラリー S |
作品・展示風景
作家メッセージ
本展では写真家・津田 直が近年訪れているヨーロッパ最西端の地域で撮影された二つのシリーズより作品を発表致します。2009年より風景が信仰の対象だった古代の土地を求め、大西洋に浮かぶ島嶼への旅は始まりました。
「Storm Last Night」シリーズでは、6×17センチというパノラマフォーマットで撮影され、アイルランドを舞台にディングル半島からアラン諸島、実在した女海賊が暮らしていたというクレア島、ドネゴール地方を中心にフィールドワークが続きました。日々、「古代人は何を思想したか」という問いを胸に抱きながら、古代遺跡の中を歩き回り、キリスト教以前の世界の原点を渡り歩きました。
続けて2012 年から制作された新作「Earth Rain House」シリーズでは、スコットランド北方に浮かぶオークニー諸島、シェトランド諸島、アウター・ヘブリディーズ諸島と呼ばれるアウターアイランズを巡りました。そして先住民族の残した聖跡を経て、無文字文化に生きた人々が築いた住居跡や嵐の過ぎ去った後に偶然発見されたという家々、人間がかつて暮らした島々へと辿り着きました。
そこでの光景を津田は、「まるで人類の記憶の深奥を垣間見ているようだった。そして僕らは今でも遙か5000年という時空を超え、旅立つことができるのだ」と語っています。
作家プロフィール
津田 直(つだ なお)
1976年神戸生まれ。
ファインダーを通じて古代より綿々とつづく人と自然との関わりを翻訳しつづけている写真家。
2001年より国内外で多数の展覧会を中心に活動。その静謐な作品への評価は、年を追うごとに国内外で高まり、近年ではニューヨーク、パリ、フランクフルトでも展覧会を開催。
国内では資生堂ギャラリーで開催した個展が話題となった。
2010年、芸術選奨文部科学大臣新人賞(美術部門)受賞。
作品集に『漕』(主水書房 2007年)、『SMOKE LINE』(赤々舎 2008年)、『近づく Coming Closer』(AKAAKA+ hiromiyoshii 2009年)、『Storm Last Night』(赤々舎 2010年)などがある。
著作権について
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