三輪 薫 写真展「風の香り ~日本のこころの自然風景~」伊勢和紙による
本展は、自然風景写真家 三輪薫氏の写真展です。長年にわたり日本の美しい自然と向き合ってきた氏は、和紙の持つ魅力に惹かれ、撮影した写真を和紙にプリントすることによって日本画のような柔らかい表現が特徴の作品を制作しています。本展では、氏が捉えた四季折々の自然風景を伊勢和紙の手すきの長尺などにプリントすることで、自然が見せる繊細な表情や空気感を再現した作品計35点を展示します。 展示作品は、すべてキヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」でプリントし展示します。
会期 | 会場 |
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2024年4月26日(金)~2024年6月12日(水) | キヤノンギャラリー S |
作品・展示風景
紹介動画・対談動画
作家メッセージ
旅が好きで、二十歳前後の頃、当時幅広のザックを背負った「かに族」と呼ばれていた放浪の旅人のまねごとを時々行っていた。二十日間ちょっとで北海道の主な岬と湖を巡ったこともある。僕の故郷は山間の小さな町岐阜県関ヶ原で、小さな頃の冬には背丈ほども雪が積もっていた。実家の横には小さな川が流れ、近くの林とともに子供達の遊び場だった。二十歳過ぎに写真家を目指して名古屋で学び、上京して9年ほどたった頃にフリーになり、車での放浪の旅を再開した。長期の旅は無理だったが、車で寝泊まりしながらの旅は楽しく、自然を満喫していた。実家にいた頃には感動しなかったさりげない自然の姿や表情になぜか惹かれ、カメラを向けていた。家業の塗師を4年継いでいたこともあってか、「カメラで日本画や墨絵を描く」作風を目指し、最終プリントを和紙プリントに決めた。とは言っても当時は銀塩時代。2000年ころデジタル時代の到来で長年の念願だった和紙プリントによる作品創りが実現できた。「カメラで日本画を描く」作風には和紙プリントが似合う。自然風景の撮影を始めた頃、空気を写し、再現したいと思った。和紙プリントはその願いを叶えてくれたような気がしている。四季の香りに包まれて過ごし、風が運んでくれた香りを楽しみながら撮影している。
作家プロフィール
三輪 薫|Kaoru Miwa
1948年岐阜県関ヶ原町生れ。1973年日本デザイナー学院名古屋校写真科卒後上京。ヨシダスタジオ・日本写真専門学院教務課勤務の後フリー。4年間家業の塗師を継いていたこともあり、日本的な作品表現や創作を模索し、「カメラで日本画や水墨画を描く」作風や「侘寂の世界」を探求し続けている。プリントに拘った個展主体の創作活動をし、『風光-I~V』『樹奏』『風色』『Rock』『仏蘭西・巴里』等35回開催。近年は主に国内の自然風景に取り組んでいる。
1992年アトリエ・暗室を建築し、8×10inch用デベア5108をはじめ多くの引伸機を導入。35mm~8×10inchカメラによるファインアート・オリジナルプリントの制作も始め、1994~2009年に個展5回開催。2000年以降は和紙とインクジェットプリンタを組み合わせたデジタルプリントによる作品創りも行い、2003年にフィルムをデジタルデータ化した「風香」、2004年よりデジタルカメラで撮影の「風色-II」「花逍遙-II」「こころの和いろI〜II」などの個展を16回開催。
著作権について
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