秦 達夫「山岳島 屋久島」
九州最高峰の宮之浦岳を代表とした1900m級の山々からなる屋久島。
洋上にそびえる山々は、黒潮が運ぶ湿った風を空高く持ち上げ、雲を造り、雨を降らせる。この雨こそが、樹齢数千年の屋久杉を育み、深い森を造り上げる。その環境は、多雨のために湿度が高く、山間部は北海道に準じた気候で、冬になると多量の雪をまとう。本展では、そうした屋久島の厳しい環境に着目した秦達夫氏が、屋久島のありのままを切り撮った作品約60点を展示。
会期 | 会場 |
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2011年12月22日~2012年2月7日 | キヤノンギャラリー S |
作品・展示風景
作家メッセージ
独りでの山行はとても自由で、風の吹くまま気の向くまま屋久島の山を歩いて来ました。時には雪の中、道を見失いもう帰れないのではと肝を冷やしたり、想定外の天候や急変によって目的を達成することなく下山をした事もありました。その時は、「ちょっと無理をすればやれる!」と鼻息を荒くしたのですが、
僕の本当の目的は「無事に帰ること」と言い聞かせ、奥歯が割れるのではないかと思くらい歯を食い縛った事も多々ありました。
山行自体は独りでしたが、多くの方にサポートしていただきここまで来ました。
この「山岳島 屋久島」は沢山の雨と沢山の汗と沢山の笑顔で紡がれた作品です。
作家プロフィール
秦 達夫(はた たつお)
1970年長野県生まれ。自動車販売会社退職後、バイクショップに勤務。後に家業を継ぐ為に写真の勉強をはじめるが写真に自分の可能性を見いだし写真家を志す。写真家竹内敏信氏のアシスタントを経て独立。故郷の湯立神楽「霜月祭」を取材した『あらびるでな』で第八回藤本四八写真賞受賞。同タイトルの写真集を2014年12月に信濃毎日新聞社より出版。『山岳島_屋久島』写真集(日本写真企画)は8年間で400日を越える取材を敢行。小説家・新田次郎氏著書『孤高の人』の加藤文太郎や『アラスカ物語』のフランク安田に憧れている。
- 日本写真家協会会員
- 日本写真協会会員
- Foxfireフィールドスタッフ
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