山口 勝廣「御嶽信仰と里のまつり」
木曽谷の人々の暮らしを40年以上もの歳月にわたって撮影し続けている山口勝廣氏。
本展では、「御嶽信仰と里のまつり」のタイトルのもとにまとめられた作品約80点を展示。急激に変容する現代日本において、木曽路という山峡の地ゆえに色濃く残されてきた人々の山への深い信仰。そして、古くから連綿と受け継がれている里の祭り。これらは、日本人の心の拠り所として、次世代に継承してゆかねばならない日本の文化である。
会期 | 会場 |
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2011年8月13日~2011年9月27日 | キヤノンギャラリー S |
作品・展示風景
作家メッセージ
「木曽路は深い山の中である」と藤村は「夜明け前」の冒頭に記した。岨(そば)づたいに行く崖の道も数十間の深さに臨む木曽川の岸も、山の尾をめぐる谷の入り口も、一見今にその姿は変わらない。
しかし、ソーシャルネットワーク時代となってリアルタイムで世界情勢が駆け巡る現在、山国(木曽)独特の桧皮葺の石置き屋根や蚕飼育の桑畑の姿を見ることは既にない。
急激に変容する社会情勢の中、木曽路という一本の街道に育まれた歴史や伝統、
山峡の地ゆえに残されてきた日本人の心や形、峰峰にこだまする神楽の笛や太鼓、先達とともに六根清浄を唱え剣が峰を目指す白装束の老若男女には山への深い信仰の姿がある。 時代がどのように変わろうと、木曽谷からの風が吹く限り次世代に継承してゆかねばならない日本のこころと優しさを記録し続けることになろう、消してはならない文化として。
作家プロフィール
山口 勝廣(やまぐち かつひろ)
1940年 愛知県名古屋市生まれ。
1967年 (株)グラフ社写真部チーフカメラマンを務める。その後フリーランスとなる。
現在 公益社団法人 日本写真家協会常務理事
一般社団法人 日本写真著作権協会理事
公益社団法人 日本写真協会会員
日本写真芸術学会会員
日本旅行写真家協会会長
木曽ふるさと大使(2005年町村合併による制度廃止まで)
1967年、ライフワークとして、中山道という一本の街道に育まれた歴史や伝統「木曽路」の民俗、風物の取材を開始し、木曽谷の人々の暮らしを40年に亘り撮影記録。
御嶽信仰、地歌舞伎、獅子狂言、太太神楽をはじめとする、江戸期から明治新政府に移る変遷の歴史と文化、今に伝わる伝承の姿を撮り続ける。
著作権について
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