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鍵井 靖章「青い地球のカシュ」

世界中の海に潜り、プランクトンからクジラまで海中のあらゆる事象を独特の世界観で切り撮り続ける鍵井靖章氏。
本展では、同氏がこれまでに撮影した多種多彩な生物たちの姿やその営みなど、未発表作品を含めた約80点の作品を展示。タイトルにある"カシュ"とは、フランス語で「隠れ家」のこと。「海はすべての生き物にとって大切なカシュ」と語る氏が切り撮る作品から、人の想像を超えた、海の中の美しく神秘的な世界を垣間見ることができる。

会期 会場
2011年7月1日~2011年8月11日 キヤノンギャラリー S

作品・展示風景

作家メッセージ

水面下は別世界だ。
例え水深30cmでも、私たち人間の想像が及ぶ世界ではない。水面という<魔法の扉>を潜り抜け、すべての生命を生み出した青い世界に到達する。現存魚類最大のジンベイザメや両翼を持つマンタなどの巨大生物に出会っても、恐怖は全く感じない。私は海のスケールの大きさに影響されていく。目の前に登場するすべての生き物を当たり前のように受け入れることができる。

海底には、サンゴやソフトコーラルなど色とりどりのお花畑が広がっている。カメラを片手に、イソギンチャクやホヤを花材に見立て、ブーケを束ねていると、可愛いお魚やウミウシがサンゴの隙間から顔を覗かせる。海はすべての生き物にとって大切なカシュ(隠れ家)だ。私も一緒に、かくれんぼしながら、みんなの傍で幸せに包まれる。

作家プロフィール

鍵井 靖章(かぎい やすあき)

1971年、兵庫県生まれ。水中写真家。
大学在学中に水中写真家・伊藤勝敏氏に師事する。
1993年よりオーストラリア、伊豆、モルディブに拠点を移し、水中撮影に励む。
1998年に帰国。フリーランスフォトグラファーとして独立。自然のリズムに寄り添い、生き物に出来るだけストレスを与えないような撮影スタイルを心がける。約20年間、海の生き物に、出会い、ふられ、恋して、無視され、繋がり、勇気をもらい、そして、子育ての方法などを教えてもらいながら、撮影を続けている。
第15回アニマ賞受賞(平凡社)、2003年日本写真協会新人賞受賞など受賞歴は多数。
2008年にはイギリスで大型の写真集「Deep Blue」を上梓。アメリカ、 オーストラリア、イタリア、インドでも出版されている。
2011年、写真集「アシカ日和」をマガジンハウスより上梓。TV、ラジオ出演多数。

著作権について

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